
WITNESS #エピローグ| タイムカプセル
ある土曜日、
ファミレスに入った。
隣のテーブルに家族がいた。
特別なことをしていたわけではなかった。
父親が話していた。
母親が笑っていた。
息子は聞いていた。
小さな妹がいた。
誰も何も証明していなかった。
誰も戦っていなかった。
ただ、
同じテーブルにいた。
私はその光景から、
目が離せなかった。
羨ましかったわけではない。
後悔していたわけでもない。
ただ、
そういう人生も確かにあったんだと思った。
そして私は初めて思った。
花束の少女を連れたままでも、
あの食卓のような世界を
望んでいいのかもしれない。
⸻
私はこの物語を、
なかったことにはしない。
タイムカプセルに入れて、
未来へ置いていく。
いつか、
届くべき場所へ届けたい。
そして私は、
これからも
私の人生の証人であり続けたい。