防災備蓄をムダにしない ─ 買って終わりではありません

こんにちは、防災備蓄の期限管理アプリ「そなえミル」を開発した、佑(タスク)です。
私は以前、買っておいたパックご飯やレトルト食品を、棚の奥で期限切れにしたことがあります。
備えていなかったわけではありません。むしろ、多めに買っていました。
ただ、買ったことで安心してしまい、家に何があるのか、どれから使えばいいのかを見直していませんでした。
買い物のときに、いつも食べているものを少し多めに買う。棚にある古いものから食べる。食べた分を買い足す。
この備え方を、「ローリングストック」といいます。
農林水産省も勧めている方法です。特別な非常食だけを大量に買うのではなく、普段の暮らしの中で備蓄を保てます。
仕組みは単純です。それでも、2026年のある調査では、現在実施している人は4人に1人ほどでした。
非常食をやめる話ではありません
農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、ローリングストックを次の3つの流れで説明しています。
普段食べているものを少し多めに買う
賞味期限を考えながら古いものから使う
使った分を買い足す
これを繰り返すことで、家庭に一定量の食品がある状態を保ちます。
ここで大切なのは、非常食の代わりにローリングストックだけを行うわけではないということです。
農林水産省は、災害時に使う「非常食」と、日常でも使えて災害時にも役立つ「日常食品」を、バランスよく備えることを勧めています。
非常食は非常食として置いておく。そのうえで、普段食べているものも少し多めに持っておく。どちらか一方ではなく、両方を組み合わせる考え方です。
食品備蓄の量は、最低3日分から1週間分を人数分が目安とされています。住んでいる地域の状況によっては、さらに多めの備えが必要です。
知っている人は6割、実施している人は4人に1人
ミドリ安全が2026年3月に発表した調査があります。対象は、子どもと同居している20〜49歳の全国の母親800人です。
ローリングストックを「知っており、現在実施している」と答えた人は、24.4%でした。前年の24.6%と、ほとんど変わっていません。
一方、ローリングストックの認知率は61.5%でした。「聞いたことはあるが詳しくは知らない」は13.4%、「知らない」は25.1%です。
この調査は対象が限定されているため、日本全体の実施率を示すものではありません。それでも、知っている人は6割を超えているのに、実施している人は4人に1人ほどという開きがあります。
始めたことがあっても、現在は続けていない人がいる
公表資料の図表には、もうひとつ気になる回答があります。
「知っており、過去に実施したことがあるが、現在は実施していない」が、14.4%でした。
現在実施している24.4%と合わせると、ローリングストックを一度でも行ったことがある人は38.8%です。そのうち現在は実施していない人の割合を計算すると、約37%になります。
つまり、この調査対象では、始めたことがある人の3人に1人以上が、現在は続けていない計算です。
これは、調査で直接示された割合ではなく、公表されている数値から私が計算したものです。また、調査では、続けなくなった理由までは聞いていません。
ですから「なぜ続かなかったのか」を、この結果だけで決めつけることはできません。
分かるのは、知らないために始めていない人だけでなく、知っていて、一度は始めたものの、いまは実施していない人もいるということです。
それでも、やってみたい人は6割を超える
同じ調査では、現在実施していない人でも、6割を超える人が「やってみたい」と答えています。
やりたくないわけではありません。始め方が分からない、あるいは始めても暮らしの中で続けにくい。そういう人がいるのだと思います。
始めるだけなら、難しくありません。
今日の買い物で、いつも食べているものを1つ多く買う。
缶詰、レトルト食品、乾麺、飲料水など、常温で置けて、普段から食べているものなら始められます。
難しいのは、古いものから使うこと
私は、多めに買うところまではできていました。それでも、棚の奥で期限を切らしました。
ローリングストックの3つの流れのうち、多めに買うことと、使った分を買い足すことは、買い物のついでにできます。
残るのは、真ん中です。
古いものから使うには、いま家に何があり、どこに置いてあり、いつまでなのかを知る必要があります。
買ったものを棚へ入れたまま、何か月も見ない。置き場所が分かれて、片方の存在を忘れる。新しく買ったものを手前に置き、古いものが奥へ押し込まれる。
そうなると、多めに買ったものは「備え」ではあっても、うまく回らなくなります。
先日、持ち出す用と家で使う用は分けて置いたほうがいいという話を書きました。ローリングストックは、このうち「家で使う用」を、日常の中で使いながら補充していく方法です。
忘れる前に 備蓄へ触れる機会をつくる
防災のことを、毎日考え続けるのは難しいと思います。
だから大切なのは、忘れないように頑張ることではなく、忘れていても、もう一度備蓄に触れる機会をつくることです。
「そなえミル」は、備蓄品の名前・期限・置き場所・数量を記録し、期限が近づいたら通知するアプリです。
入力したデータを保存するための自社サーバーは持たず、登録した内容はスマホの外へ送信しません。
アプリができるのは、期限が近いものに気づけるようにするところまでです。何を食べるか、何を買い足すかを決めるのは、使う方です。
ただ、一度登録しておけば、期限が近づいたときに、もう一度その備蓄へ触れられます。
その日に食べる。新しいものを買い足す。そこで1回、備蓄が回ります。
まずは1つだけ 回してみてください
全部を一度に登録しなくても構いません。
今日の買い物で、いつも食べているものを1つ多く買う。家に戻ったら、その1つだけを「そなえミル」へ登録する。
期限が近づいたときに使い、使った分を買い足す。まずは、その1回で十分です。
私自身、多めに買ったところで備えが終わり、棚の奥で期限を切らしました。だから、そなえミルには「覚えておく」ためではなく、もう一度気づくための通知を入れています。
ローリングストックは、たくさん買うことではありません。
使って、買い足し、備えを保つことです。
【参考】
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)」
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2)」
ミドリ安全「2026年 家庭の防災対策実態調査」(ミドリ安全調べ、 PRTIMES)
【備蓄品の場所と期限を覚えていますか?】
防災備蓄の期限管理アプリ「そなえミル」は、どこに置いたか分からない。気づけば期限が過ぎている。その繰り返しを減らすアプリです。
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