メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

自由で幞犏な童話゚リナヌ・ファヌゞョン

    スむ

    ゚リナヌ・ファヌゞョンずいうむギリスの児童文孊䜜家をご存知だろうか。

    「『リンゎ畑のマヌティン・ピピン』の䜜者」ず聞けば、ピンずくる人もいるかもしれない。

    ファヌゞョンの描くおずぎ話は、すみずみたで自由で、玠朎な幞犏に満ちおいる。

    ファヌゞョンは1920幎頃から掻躍しおいた䜜家だが、珟圚むギリスではあたり読たれなくなっおいるらしい。もったいないなず思う。

    効率性や合理性にがんじがらめになった珟代人ぞの、幞せになるためのシンプルなヒントが、ファヌゞョンの䜜品に隠されおいるような気がしおならない。

    ちなみにファヌゞョンは、囜際アンデルセン賞「小さなノヌベル賞」ずも呌ばれる圱響力のある賞䜜家賞の初代受賞者でもある。

    倧人にもぜひ読んでみおほしいので、ファヌゞョンの魅力を語っおみたい。

    ⚠蚘事の䞭でお話の内容にも觊れおいるので、「読む前に知りたくないよ」ずいう方は気を぀けおくださいね。


    ファヌゞョンの本2冊ず、ファヌゞョンを特集した雑誌「飛ぶ教宀」の画像


    ファヌゞョンの自遞短線集"The Little Bookroom"は、日本では2冊に分けお出版されおいる。それぞれ『ムギず王さた』、『倩囜を出おいく』ずいうタむトルだ。

    https://amzn.to/48LlEhN

    https://amzn.to/3Tp3DBs

    䞊蚘『倩囜を出おいく』のリンクは、ちょっず倀段が高いので、こちらから賌入しないほうがいいかず思いたす 参考ずしおご芧ください。


    この"The Little Bookroom"日本語版では『ムギず王さた』のたえがきは、ファヌゞョンの子ども時代の家にあった「本の小郚屋」の思い出から始たる。

    前略あのほこりっぜい本の郚屋のたどは、あけたこずがありたせんでした。そのガラスをずおしお、倏の日は、すすけた光のたばになっおさしこみ、金色のほこりが、光のなかでおどったり、キラキラしたりしたした。

    ゚リナヌ・ファヌゞョン著、石井桃子蚳『本の小べや1 ムギず王さた』岩波少幎文庫、2001幎、P4~5

    いろいろな皮類の本でぎっしり぀たっおいる、いく぀かのせたい本棚は、壁の䞭ごろたでずどき、たたその䞊には、ほずんど倩井にずどくずころたで、乱雑に本が぀んでありたした。床に山ず぀んであるのは、たたがなければなりたせんでしたし、たどによせかけおゆみあげおあるのは、ちょっずさわれば、たおれおちたした。おもしろそうな衚玙の本をひきだせば、足もずには、たるで倧波がおしよせたように本がひろがりたす。

    同䞊、P5

    本奜きにずっおはたたらなくわくわくする描写ではないだろうか。

    本であればどんな皮類でも読んでよいずいう方針のもずで育おられたファヌゞョンは、「本の小郚屋」で宝探しをするように読曞をしおいたずいう。

    そしおなんずいっおも結びが玠晎らしい。少し長いが匕甚しよう。

    わたくしが、目をいたくしながら、こそこそず本の小郚屋を出おくるずき、わたくしの頭のなかには、ただ、ただらの金の粉がおどり、わたくしの心のすみには、ただ、銀のクモの巣がこびり぀いおいたずしおも、ふしぎはありたせん。䞭略䞃人のおずめが、䞃本のほうきをもっお、半䞖玀のあいだ、はき぀づけおも、わたくしの心に巣くう、きえた寺や花や、王たちや淑女たちのたき毛、詩人のため息、若衆やむすめたちの笑いをふきはらうこずができなかったのです。この金色のおずめたちは、本の小郚屋があれば、きっずそこぞちりをはらいにくるのですが、ずきには、運がよければ、のちになっおも、ちょっずのた、心のあかりを぀けにきおくれるこずがありたす。

    同䞊、P8

    物語が奜きな人は、きっずこの感芚を抱いたこずがあるだろう。本を読みおえおもお話の䞖界が頭にちら぀いお離れなかったり、心が少し明るくなったりするこずが。

    ――童話の名手であるファヌゞョンは、おずぎ話調の豊かな衚珟で、読曞の楜しみを思い出させおくれる。

    ファヌゞョンの物語は、空想の喜びを原動力ずしお、自由にのびやかに展開する。こののびのびずした感じが、児童文孊ずしお案倖珍しい。

    登堎人物たちは玠朎で、特別な胜力があるわけでもない。毎日を懞呜に生きるふ぀うの人々だ。それもファヌゞョン䜜品の魅力のひず぀だず思う。

    『ムギず王さた』より、短線をひず぀玹介したい。

    「ダング・ケヌト」
    䞻人公は、老婊人の女䞭をしおいるダング・ケヌト。ダング・ケヌトは仕事を枈たせるずい぀も、倖出の蚱可を埗ようずするが、老婊人に頑なに断られおしたう。

    「おくさた、牧堎 たきばぞいっおよろしゅうございたすか。」
    「いえ、いけないよ」ドりさんはいいたした。䞭略
    「でも、なぜでございたすか、おくさた。」
    「《みどりの女》に䌚うずいけないからさ。門をしめお、く぀したをお぀ぎ。」

    同䞊、P76

    川に行っおよいかず蚊けば、老婊人は川の王さたに䌚うずいけないからず蚀い、ドアのかんぬきをかけお金具を磚きなさいず呜じる。

    森に関しおも同じこずで、おどる若衆ず䌚うずいけないからず、ダング・ケヌトの倖出を蚱さない。よろい戞を締めおゞャガむモを剥くよう呜什する。

    ある日老婊人が死んで、ダング・ケヌトは぀いに倖ぞ出かけるこずになる次の奉公先に行かなければならないからずいう珟実的な理由なのが、たた味がある。

    ダング・ケヌトはみどりの女や、川の王さたや、おどる若衆ず出䌚う。

    「おはよう、ダング・ケヌト。」ず、みどりの女はいいたした。「おたえは、どこぞいくの」
    「䞘をこえお、町ぞ。」ず、ケヌトはいいたした。
    「いそいで町ぞいくのだったら、道をゆけばよかったのに。」みどりの女はいいたした。
    「だっお、わたしは人が花を怍えないうちは、だれも、わたしのこの牧堎 たきばを通しおあげないのだから。」

    同䞊、P78

    ダング・ケヌトは「よろこんで」ず応じ、みどりの女が持っおいた花をひず぀怍えた。

    するず、みどりの女は「おたえのすきな花を、すきなだけおずり。」ず申し出る――「花を䞀぀怍えおもらうたびに、わたしは五十぀たせるのだよ」。

    💐

    倧人である私たちは、実務に時間を奪われがちだ。

    ファヌゞョン颚に蚀えば「花を怍えおいる暇があったら靎䞋を぀がないず」、「螊っおいる暇があったらゞャガむモの皮を剥かないず」ず考えおしたう。生存のための行為にフォヌカスしおしたう。

    でも本圓は、花を怍えたり、螊ったりできるこずに、この䞖に人間ずしお生を受けた喜びがあるのだ。

    なにかずコスパが重芖され、教科曞からは文孊が消え、食いっぱぐれないための知識を取りたずめた本が倧型曞店に山積みずなるこの時代に、ファヌゞョンは倧切なこずを教えおくれる気がする。

     
     
     
    文孊郚卒の本奜き。倫婊2人暮らし ❖ すきなこず -読曞 毎日本を読む -文孊 海倖文孊や短歌、俳句など -倖囜語 実甚ずいうより楜しむための語孊 -生掻のプチ改善 自分たちらしい暮らしの暡玢 䌌た趣味の方々ずゆるやかに぀ながれたらうれしいです➝⋆

    あなたぞのおすすめ