
冬の朝 せいろで蒸しパンを作る
今日の朝ごはんはせいろで蒸しパンを作ってみよう。まだはっきりしない意識のなか唐突にそう考えて、ベッドから飛び起きた。
せいろのことは数年前からずっと気になっていて、先日ブラックフライデーでほぼ半額になっているのを見つけてついに買ってしまった。せいろへの熱量が高い今、せいろを使うためなら早起きもできる。
パジャマのままキッチンに直行して鍋に水を汲み、火にかける。ガラスのボウルを取り出し、砂糖と卵、牛乳、油を加えて泡立て器で混ぜた。ふるうのはめんどくさいな、代わりにがんばって混ぜよう……と筋の通らないことを考えながら、粉類を大胆に加えて混ぜた。
時刻は6時半。そろそろ日の出の頃だ。カーテンを開けると、東の空にちょうど太陽が昇っていた。少し眺めてから、ボウルに戻る。卵色のなめらかな生地のなかに、朝日の残像がしばらく光った。
立ち上る湯気に急かされ、食器棚からマルミツポテリのココット皿2つと、昔東京コーヒーフェスティバルで買ったミニマグカップ1つを選んだ。生地を流し込んでせいろに置いて鍋にセットする。ミニマグカップの丈が高くて少し蓋が閉まりきらなかったが、まあしかたない。布巾をぐるぐると巻きつけて隙間を塞いでおいた。
せいろからもうもうと湯気が上がる。最近買ったばかりなのであまり勝手がわからず、大丈夫かなと心配になった。顔を近づけて様子を窺うと、ふんわりと竹の香りがした。
しばらくして、目を覚ました夫がリビングに入ってきた。湯気で窓が結露しているが、外はすっかり明るいのがわかる。もうすぐほかほかの黄色い蒸しパンができあがるはずだ。今日はどんな一日になるだろうか。
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なんでもない時間を残しておきたかった日記。