
ぼくのたび
親友のヘビくんは、いつもキラキラしている
「ぼく、いつになったら足がはえてくるのかなあ」
って、今日も楽しそうに言うんだ
だから
『そのうち、そのうちだよ!』
って、言ってあげたんだ
ヘビくん、またキラキラした顔で
「そうだよね!楽しみだなー!
きみも いつ
翼が はえてくるんだろうね?
角かな一? 楽しみだね!」
それを聞いたら
なんだか
"ずっとやりたかったことをしよう"
って、思い立って
『ぼく たびに でるよ』
「たび!楽しそうだね!」
またまたキラキラした顔で見送ってくれた
✨🐍🎒✨
高い高い山の 崖の上
空を見上げている
ペガサスをみつけた!

しばらく見つめていると 目があった
勇気を出して話しかけた
『やあ』
ペガサスは、ぼくを見ると不思議そうに
「やあ。きみ どこからきたの?何かよう?」
『キミに会いにきたんだ。
本当にステキな翼だね!空を飛べるなんて憧れるよ』
「そう言ってもらえると嬉しいな!
きみは空を飛ぼうとしたことはある?」
『ないよ、ないに決まっているさ。
翼がないし、飛べるわけないよ』
「空を飛んでみたいんだろ?」
『翼があればね』
ペガサスは首をかしげた
「翼が あるかどうかよりも
どうして きみは空を飛びたいと思ったんだい?」
『いや、、えっと。。。その…』
「願いが強ければ 空は飛べるかもしれないよ?」
ペガサスは そう言い残し微笑むと飛び立っていった
“ねがい“ か……
ぼくは また 歩き出した
⛰️🌞☁︎⛰️
夜
月のあかりに照らされた 静かな湖の辺に
ひっそりと、、、
真っ白な立髪、、、
鋭い角、、
ユニコーンだ‼︎

隣に女の子がいる
『やぁ、はじめまして』
緊張しながら声をかけた
「…このこ、あなたと話したくないみたい」
言いづらそうに女の子が答えた
『どうして?』
「……あなたのこと、好きじゃないって…
あなたは、なにも もっていない。って。。。」
『…なにももってない。。
それってどういう意味なの?』
「ごめんね、、わからないわ」
女の子は悲しそうで
そして 少し寂しそうだった
" なにも もっていない "
ってなんだろ?
ぼくは また 歩き出した
💫🌜🦢💫
ぐるぐる考えながら歩いていたら
いつのまにか 海に着いた
吸い込まれそうなほど青い海に 顔をつけた
そこには
タツノオトシゴがいた

大きなお腹で泳いでいる
『やあ』
「やあ!初めてみる顔だね。
ぼく今、これから生まれてくる
こどもたちの為に 準備でちょっと忙しいんだ
何か ようかい?」
『きみはオスだろ?』
「……おすって、なに?」
タツノオトシゴは 不思議そうに
首をかしげた
「ぼくは、ボクだよ。きみだって、キミだろ?」
海から顔を急いで上げて
濡れた立髪をふるわせながら
全速力で走った
体の奥がザワザワとして
じっとしていられなかった
走って 走って 走り続けた
🫧⚡︎⚡️⚡︎🫧
しばらく
夢中で走っていると
湖に辿り着いた
辺に あの時のユニコーンがいた
なにか 様子が変だ
たしかに
あの日会ったユニコーンだけど…
その姿かたちは [ユニコーン]ではなかった
ー あのこが消えたんだ ー
頭の中で声がする
ユニコーンはゆっくりと
ぼくの目を見つめて 頭の中に語りかけてきた
ー きみは なにも もっていない。
でも
なにも もたないことは 強さでもある
【もつか、もたないか】
"キミしだいだから"
わたしは すべてを失った
でも
今のわたしは きみの
"なにも もっていない " とは違うんだ… ー
『すべて…本当に全部無くなってしまったの?
悲しくはないの? 寂しくはないの?』
ー そうかもしれないし そうじゃないかもしれない… ー
ギュッと胸が痛い
ー きみは、きみを確かめに ここにきたのかい? ー
『。。。。』
ー わたしは もういくよ ー
ぼくは静かに、ユニコーンの後ろ姿を見送った
それから
月あかりでキラキラ輝く水面に 映るぼくをそっと覗いた
翼もないし 角だってない ただのぼく
ぼくは ぼくに 笑いかけた
『やぁ。 こんばんわ、ぼく』
そして
また 歩き続ける

いつか ヘビくんに会ったら
ぼくのたびを 話してあげよう
あのキラキラした顔が 目に浮かぶ