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風船 ③/全4話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・115作目】

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    ○ 駅前

     主人公 おっさんを追いかけ、駅前までやってくる。たまたま通りがかった女性(60代)に声をかける。

    主 あの、この辺で「赤い風船」を持った男性見かけませんでしたか?
    女 赤い風船? 
      探してる人かどうかはわかりませんが、そこで見かけましたよ。

     女性 駅前のショッピングモールを指さす。

    主 本当ですか!? ありがとうございます!

     主人公 ショッピングモールに走って向かう。

    女 ど、どういたしまして・・・

     女性 若干、主人公に引いている。

    ○ ショッピングモール・出入り口付近の広場

     モール内。至る所で赤い風船を持った老若男女。よく見ると、ただの赤い風船ではなく「プチトマト」型。
     主人公 呆然と立ち尽くしている。

    主 なんじゃこれ・・・ 

     主人公の近くでは、イベントのスタッフが風船を配っている。スタッフはトマト型の帽子を被っている。

    ス 6階・イベントスペースで「トマト祭り」やってまーす!
      こちらの風船を持っている方、商品10%引きでーす!
      あ、お兄さんも一つどうですか?

     スタッフ 主人公に風船を一つ渡そうとする。
     主人公 思わず苦笑い。

    主 あ・・・ 結構です・・・

     主人公 そそくさとその場から離れる。

    ○ ショッピングモール・2階ベンチ

     主人公 ベンチに腰掛けながら通話中。相手は女性店員。ベンチの後ろにはエスカレーター。

    女 (声だけ)はぁ!? どこまで追いかけてんの! バカじゃないの!?
    主 ・・・・・・すみません。
    女 (声だけ)しかも見失ったって・・・ いいから早く戻って来なさい!
    主 でも、女の子に渡す風船は・・・
    女 (声のみ)もう新しいヤツ渡してあるから! 
      人手足りないの知ってるでしょ! ったく・・・
    主 ・・・わかりました。(電話を切る)

     主人公 小さなため息をつく。

    主 ・・・・・・仕方ない。諦めるか。。。

     主人公 ベンチから立ち上がり、エスカレーターを見るやいなや驚きの表情。
     エスカレーターのカット。全身赤ジャージ姿の男性が赤い風船を持って1階に降りている。例のおっさんと背格好が一緒。

    主 ・・・いた!!

     主人公 男性を追いかけ始める。

    ○ ショッピングモール・出入り口付近の広場

     主人公目線の映像。猛スピードで男性の背中に近づいていく。
     主人公のカット 男性を床に押さえつけ、逃げないように拘束している。指に巻き付けているのか、風船は手から離れていない。

    主 (周囲の人に向かって・大声)すみません! 
      警備員を呼んで下さい! あと警察も!!
    男 (苦しそうな声)
    主 (男に向かって)もう逃げられねぇぞ! 
      子ども達用の風船奪いやがって・・・ 絶対許さねぇ・・・

     ショッピングモールの空調で風船が回転する。なんと風船には人気キャラクターが印刷されている。

    主 ・・・へ?

     主人公 目が点になっている。

    ○ スーパーマーケット・店内

     回想シーン。白黒の映像。
     スーパーマーケットで風船を膨らませている主人公のカット。
     よく見ると風船は「無地」の赤い風船。

    ○ ショッピングモール・出入り口付近の広場

     回想明け。
     いつの間にか主人公の周りに警備員が集まっている。

    警 君! 早くその男性を離しなさい!
    主 ・・・い、いやだ! こいつは俺の店の風船を奪った犯人なんだよ!
    警 何を言ってるんだ! いいから離しなさい!
    主 やめろー! 俺は悪くないー!!

     主人公と警備員の攻防が続く中、おっさんがひっそりとショッピングモールから出て行く。


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