
競合被り ②【連載台本・世にもになるまで書いてみた・86作目】
前回はこちら!
これまでの話はこちら!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〇 テレビ局・楽屋
翌日。
大物俳優 楽屋入り。手にはハンカチを持っている。恐らくお手洗いからの帰り。
室内ではマネージャーがケータリングのお菓子やロケ弁を、持参した商品と入れ替えていた。
テーブルの上には大物俳優が出演しているCМの商品がずらり。
大 おお! お前もやればできるじゃないか! はっはっは!
マ ありがとうございます。お弁当召し上がりますか?
大 うーん・・・ 腹減ってないんだよなぁ・・・
じゃあ収録後に食うわ。 収録終わりまでに温めておけ。
マ かしこまりました。
大 じゃ、頼んだぞ~
マ いってらっしゃいませ。
大物俳優 意気揚々と収録に向かう。
マネージャー 大物俳優がいなくなったのを見計らって誰かに電話を掛ける。
マ もしもし。奥様でいらっしゃいますか?
あのですね。今からご自宅に伺っても・・・
電話の相手は大物俳優の妻。何か用があるらしい・・・
〇 大物俳優の自宅・玄関
夜。
大物俳優 どこかで飲んできたのか、ほろ酔いで帰宅。
大 (ご機嫌な様子で)ただいまぁ~ お~い帰ったぞ~
妻 あなた、おかえりなさい・・・
大 いやぁ~ 飲みすぎちゃったよ~
妻 そう・・・
あのね、あなた。
今日の昼過ぎにマネージャーさんが来たんだけどね・・・
大 ん? あいつが? 何の用だよ。
妻 それがね・・・
〇 大物俳優の自宅・自室
大物俳優 大慌てで自室に駆け込む。
大 ワインもスニーカーもゴルフクラブもない・・・
俺のコレクションが・・・
自室はもぬけの殻。家具すらない。
まるでどこかに引っ越したような無機質な部屋に。
大物俳優 すぐにマネージャーに電話を掛ける。かなりご立腹な様子。
マ (声のみ)お疲れ様です。どうかされました・・・
大 どうもこうもないだろ! 俺のコレクションはどこやった!
マ (声のみ)どこも何も処分しましたよ。
大 はぁ!? お前何考えてんだ!
マ (声のみ)あなたが「他社製品」を置くなって言ったんでしょう。
ワインは〇〇ビールの、ゴルフクラブは〇〇タイヤの、
スニーカーは靴の〇〇の「競合他社」じゃないですか。
大 だからって処分しろとは・・・
マ (声のみ)あ、そうだ。ついでにお伝えしておきますね。
明日の商店街ロケなんですけど・・・
大 おい!俺の話を聞けよ!
大物俳優とマネージャーの口論は続く。
大物俳優のナレーション。
大 コイツの暴走は止まらなかった。