他人の「大切」を笑わない。自分の物差しで人の情熱を測らない。
「たかがゲームでしょ、そんなことで怒らなくても」
「……そういう問題じゃないんだけどな」
SNSなどで時折、「家族やパートナーが大切にしている趣味の品をぞんざいに扱われたり、そのショックを『たかがそんなことで』と一蹴されたりする場面」を見かけることがあります。
たとえば、ゲーム内で何ヶ月もかけて手に入れた超貴重なレアアイテムを子どもに誤って使われてしまい、落胆する人に対して、「たかがゲームのアイテムでしょ」と冷ややかに言ってしまうようなケース。
このようなやり取りを目にしたとき、強烈なモヤモヤや理不尽さを覚える人は少なくないはずです。
ここで生じている本質的な問題は、ゲームのアイテムの価値を理解しているかどうかではありません。
「相手が本気でショックを受けているという事実に寄り添わず、自分の物差しだけでその感情を切り捨ててしまう姿勢」にあります。
もしこれがゲームではなく、別の趣味や日常の出来事だったらどうでしょうか。
苦労して手に入れた限定コスメを子どもに落書きされた
楽しみに取っておいた高級スイーツを食べられた
大切に育てていた観葉植物を折られた
「どうせ落としたらなくなる化粧」「たかがお菓子や植物」と言われたら、言われた側はどう思うでしょうか。
「自分にとっては価値がわからないもの」であっても、相手にとっては時間や情熱、時にはお金を費やしてきた大切な存在です。
世の中には「所詮ゲームでしょ」と、自分の知らないジャンルの価値を低く見積もってしまう傾向が少なからずあると思います。もしかしたら、あなたにも心当たりはあるのではないでしょうか。
しかし、ゲームも化粧もファッションもスポーツ観戦も、本質的には同じです。外から見れば無駄に見えるかもしれないものに、人は癒やしや情熱を見出しています。
自分の知らない世界の深さや、そこにかけられた時間・情熱を知ろうとせず、自分の尺度だけで「くだらない」と決めつけてしまうのは、互いの信頼関係を損なう大きな要因になり得ると思います。
相手の趣味を100%理解する必要はないと思います。そのアイテムを入手するのがどれだけ大変だったかを具体的に分からなくてもいいのです。
ただ、以下の2点を大切にしてほしいです。
理解できなくても「相手にとって大切なんだ」と想像すること
相手が傷ついているという「事実」そのものは尊重すること
「それはショックだったね」と一言寄り添うだけで済む話を、「そんなことで」と切り捨ててしまう関係性は、少しずつ心の距離を広げていきます。
他人の「大切」を笑わない。自分の物差しで人の情熱を測らない。そんな当たり前のリスペクトを、身近な人にこそ向けたいものです。
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