
MIMIC-IV と eICUでSOFAを計算するときに知っておきたいこと
SOFAスコアは、臓器障害の程度を6つのコンポーネント(呼吸・凝固・肝・循環・中枢神経・腎)で点数化する指標であり、ICUデータ解析では最も頻繁に登場する重症度指標の一つです。
MIMIC-IV と eICU のような大規模ICUデータベースでSOFAを計算する場合、教科書的には「同じスコアリングルールを当てはめればよい」と考えがちです。しかし実務では、定義よりも先に“入力データの作法”が違うため、実装の細部が結果を左右します。
特に、SOFAを「時間ごと(hourly)」に算出して経時変化を見る設計では、
MIMIC-IVは絶対時刻(charttime)中心
eICUは相対オフセット(chartoffset)中心
という前提の違いが、窓関数の取り方や欠測の扱い、極値の拾い方に直結します。
結論として、SOFAスコアリングロジック自体は共通でも、データソース、単位、ラベリング、欠測構造が違う以上「同じSOFA」を期待するとズレる。このズレはバグではなく、データベース設計の違いが生む構造的な差です。
1. まず全体像:時間の作りが違う
SOFAを時間ごとに更新する場合、両DBで「時間軸の設計」が異なります。
MIMICは絶対時刻、eICUは相対オフセットを採用しています。