
“話がうまい人”より、“伝わる人”が好かれる理由
話のテンポもいいし、言葉選びもきれい。
なのに、なぜかまったく心に残らない人って、いる。
逆に、ちょっとたどたどしい言い方だったり、言葉が詰まった一言のほうが、グッとくることがある。
この前、知り合いに紹介された“営業力がすごい人”とランチに行った。
たしかに話はうまい。例えも多いし、場の空気も読む。
でもなんか……こっちは、ずっと“聞かされてる感”がすごかった。
うまい、けど、なんか、遠い。
その場にいたもう一人が、話の途中で「…なんかわかる、それ」ってぽつっと言った。
その瞬間、空気がふっとやわらかくなった。
うまく喋る=うまく伝わる、じゃないんだなって思った。
たぶん「届ける」って、情報を運ぶことじゃなくて、
感情や体温をちょっとだけ相手に預けることなんだと思う。
たとえば。
トーク術を紹介してる人の動画、すごいなとは思う。声もきれいだし、言い回しも整理されてる。
でも、ストーリーで「ちょっと疲れたから、今日はゆるくいきます」って言ってる人の方が、
なぜか気になって、投稿いろいろ遡って見てたりする。
それってたぶん、「うまさ」より「ゆらぎ」に惹かれてるんだと思う。
完璧であることが、必ずしも“伝わる”にはつながらない。
むしろ、どこかが“ほつれてる”からこそ、そこから気持ちが漏れて伝わってくることってある。
その日の帰り、コンビニに寄ったら、
店員さんが「お箸いります?」って言ったあと、なぜか「今日寒いですね」って笑ってて、
こっちも思わず「ですねー」って返してた。
「伝える」って、たぶん、そういうことなんだろうなと思った。
箸、いります?より先に、なんか伝わってたんだよな。