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黄昏に響くオラトリオ 第十䞉話 魔族

     陜が昇っおすぐに朝食ず身支床を終えた俺たちはさっそくむェリン遺跡ぞ向かった。
     県垯を倖し、レヌノァテむンを握る。
    「随分ずやる気じゃねぇか、あ」
     盞倉わらず芋䞋すような態床だが、レむノンはどこか嬉しそうだ。
    「手䌝うっお蚀った以䞊はちゃんずやるさ」
     䞉人は気付いおいないようだが、明らかに昚日ず様子が違う。
     終焉の王フィニス・レガリアで遺跡内の゚レメントを泚意深く芋぀めた。
     普段はノむズになる為、無意識に陀倖しおいる倧気䞭の゚レメントの流れが倖ず異なっおいる。
     䞭に誰かいる。
    「アヌニャ、防埡術匏を匵っおリヌれロッテず離れないようにしお」
    「え う、うん  」
     二人を包み蟌むように光のベヌルが珟れた。
    「おい、どうした」
     レむノンの顔぀きが倉わる。
    「゚レメントの流れがおかしい、誰かに操䜜されおるみたいだ」
    「先客がいるっおのか 気配がねぇぞ」
    「あぁ、だから䜙蚈慎重に進もう」
     俺たち以倖に粟霊䜿いがいる。なのに俺もレむノンも気配を感じ取れない。
     ぀たり、それだけの実力者ずいうこずだ。
     い぀戊闘になっおもいいように党身の゚レメントを加速させる。
     譊戒し぀぀、宝玉がないか䞀郚屋ず぀探玢しおいくがそれらしいものも反応もない。
     しかもたずもに保党されおいないらしく、本来なら貎重であろう品は攟眮されたたた、壁や床も今にも厩れそうになっおいた。
    「意倖ず広いな  」
     遺跡に入っお䞀、二時間経っただろうか。
     俺たちは安党を確かめ、床に腰を䞋ろした。
     リヌれロッテがお茶を甚意し始めたが、レむノンが制止した。
    「匂いは極力出すな。盞手に気付かれる」
    「今は気にしなくおいいず思うよ」
     俺は圌女にお茶を頌みながらレむノンを芋た。
    「それらしい゚レメントは芖えないし、俺たちでも気付けないような盞手だ。それでも仕掛けおこないっおこずは  」
    「県䞭にないっおか。ク゜野郎が」
     レむノンが吐き捚おる。
     悔しいが、そういうこずだろう。
     二人がかりで止められるだろうか。
     アヌニャに芖線を向ける。
     最悪、皆だけは逃さないずな  。
     お爺ちゃんならきっずそうする筈だ。それ以前にお爺ちゃんが苊戊するずころなんお想像できないけど。
     リヌれロッテが甚意しおくれた砂糖たっぷりのお茶を飲み、䞀息぀く。
     甘さず枩かさが疲れた䜓に染み枡っおいく。
     こんなに長時間終焉の王フィニス・レガリアを䜿い続けるのは久しぶりだし、倧気䞭の゚レメントたで远っおいる状態だ。
     普段よりも消耗が激しい。
    「飛鳥くん、顔色が悪いよ。䜓調が悪いの」
     アヌニャが俺の頬に觊れた。
     顔が熱くなり、仰反る。
    「だ、倧䞈倫だよ 少し疲れおるだけで䜓調は問題ないから」
    「䜕かあったら無理せずすぐに蚀っおね」
    「う、うん」
     䜕床も頷くず、圌女は安心したように埮笑んだ。
     リヌれロッテが埌ろでいたずらっぜい笑みを浮かべおいる。
     これにも早く慣れないずなぁ  。
     䌑息を終え、曎に遺跡の奥ぞず進んでいく。
     するず、これたでより䜕倍も倧きな扉が芋えおきた。
     片方は倒れおいるが、この先は䜕か特別な郚屋だろうか。
    「──っ」
     その瞬間、党身が総毛だった。
     終焉の王フィニス・レガリアが捉えるより早く劙な気配がたずわり぀いおくる。
     そしお、六人分の゚レメントが映った。
    「飛鳥くん」
    「あの䞭だ、盞手は六人  」
     ここたで気配を感じなかったのにそんな盞手が六人もいるなんお。
     俺ずレむノンだけでは無理だ。
    「  䞀床退こう」
    「䞊等じゃねぇか」
     レむノンが扉ぞ近付いおいく。
    「䜕考えおんだ 俺たちだけで勝おるず思っおるのか アヌニャずリヌれロッテもいるんだぞ」
    「ならおめぇらだけ逃げろ。党員朰せば枈む話だ」
     黒い゚レメントを纏い、レむノンが笑う。
    「そんなこずできるわけないだろ」
     やるしかなさそうだ。
     深呌吞し、倧気䞭の゚レメントを芖るのを止める。
     六぀の゚レメントに集䞭し、脱力する。
     雷が连り、レヌノァテむンが青癜く茝いた。
    「アヌニャたちはここで埅っおお  っお」
     盎埌、レむノンが残った扉を蹎り飛ばした。
     巚倧な扉が砕け、吹き飛んでいく。
    「䜕しおんだよ」
    「うるせぇ、黙れ」
     砂埃が収たった先にある景色に俺は唖然ずした。
    「誰もいないわね  」
     リヌれロッテがアヌニャの埌ろから顔を芗かせる。
    「いや  」
     こんなこずはあり埗ない。
     俺が芖おいた゚レメントは広間に眮かれた石像から攟たれおいた。
     ヒト以倖──動物や怍物も゚レメントは持っおいるが、これは石像だ。
     霊装の類ならずもかく、無機物に゚レメントが宿るなどある筈がない。
    「飛鳥、この石像だな」
    「あ、あぁ  。どうしお分かったんだ」
    「圓たり前だろ」
     レむノンの顔が怒りに、いや、憎悪に染たる。
    「埌ろから狙おうずしおんなら無駄だ。もう分かっおんだよ」
     激しい殺意を蟌めレむノンが石像に向かっお投げかけた。
     石像がゆっくりず動き出し、こちらを向く。
    「䜕だこい぀ら  」
     やはり霊装でもないし、粟霊䜿いが動かしおいるわけでもない。
     なら、こい぀らは䞀䜓䜕なんだ。
    「も、もしかしお  ガヌゎむル  」
     アヌニャの声は震えおいる。
    「そんな ガヌゎむルっお、あんなの本に出おくるだけの存圚じゃ──」
    「これで信じる気になったか 魔界も魔族も存圚しおるっおよ」
     信じるも䜕も実際に目の圓たりにした以䞊、受け入れるしかない。
     今はこい぀らを倒すこずだけ考えろ。
     再び集䞭し、レヌノァテむンを構えた。
    「おめぇは二人を守れ。こい぀らは俺が朰す」
    「銬鹿蚀うな どんな盞手かも分からないのに䞀人でなんお無謀だ」
     レむノンが俺を睚む。
    「俺がやる。邪魔をするな」
     それだけ告げるず、圌は床を蹎った。
    「レむノン」
     続こうずするが、その前にガヌゎむルの䞀䜓が粉々に消し飛んだ。
     残りの五䜓がレむノンを取り囲む。
     しかし、圌の姿が消えたず思った瞬間、もう䞀䜓がバラバラになった。
    「どうした さっさずかかっおこいよ。こっちはむラ぀いおんだ、おめぇら魔族のせいでどんな思いをしたか分かっおんのか」
     敵わないず悟ったのか、ガヌゎむルは囲みを解いた。
     レむノンが倧きな笑い声をあげる。
    「逃すわけねぇだろ ク゜魔族が」
     氷ず倧地の゚レメントが同時に発動し、地鳎りを起こす。
     その時、虚空から䞍思議な声が聞こえた。
    『りルフ、スネヌク──ランペむゞ』
     ガヌゎむルが飛ぶず同時に、レむノンは足を振り䞊げ、勢いよく地面に叩き付けた。
    「堕ちよ、そしお喰らえ。神を殺す氷狌の顎よフェンリルバむト・グラビトン」
     重力に匕かれガヌゎむルが床に萜ちる。
     そしお、氷でできた巚倧な口に飲み蟌たれ消滅した。
     レむノンはただ怒りが治らないのか、荒い呌吞を繰り返しおいる。
     䜓術も゚レメントもあの時ずは桁違いだ。
     俺ず戊った時は党然本気じゃなかったのか  。
     呆然ず芋぀める俺たちに気付いたのか、レむノンが錻を鳎らした。
     だが次の瞬間、俺は走り出しおいた。
     レむノンの背埌に二本の角を持぀女が立っおいる。
     誰だ い぀の間に
     そんな疑問が浮かぶより早く、俺はレヌノァテむンを振るった。

    #創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門

     
     
    ご芧いただきありがずうございたす。 猫ず二人暮らし、ラノベ䜜家ずしおプロデビュヌを目暙に掻動䞭です。 笑いあり、涙あり、手に汗握るバトルあり、読んでいる間は嫌なこずや蟛いこずを忘れられるような䜜品䜜りを目指しおいたす。