
【一首拾い】 第二十首 ― 30分に一本の帰り道
期末試験最終日の午後。
駅のホームへ向かう道(30分に一本のローカル線)。
やっと、試験週間が終わった。
頭の中に貼り付いていた公式や単語が、ようやく剥がれていく感じがする。
試験期間中、全然ラビちゃんのことをモフモフできていなかった。
ほんとは毎日、少しでも触れたら落ち着くのに――「あとでね」を積み重ねてしまった。
今日は一秒でも早く家に帰って、ラビちゃんを心ゆくまでモフモフしたい。
会いたい理由が、ちゃんとある日だ。
家に帰れる電車は30分に一本しかない。
逃したら、次まで長い。
でも、今日だけは待てない。何が何でも次の電車に乗って帰る。
もう、今さら何がどうなっても同じ。
(試験で解けなかった問題は気になるけど、あとから考える。)
とにかく今は、帰ることに心を尽くす。
わびぬれば 今はた同じ 難波なる
みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
もうつらさは十分味わった。だから、身を捨ててもあなたに逢いたい。
テストが終わったので、いち早くおうちで待っているラビちゃんに、いち早くモフモフしたい!というときにこの歌を思い出しました。