
【一首拾い】 第四十一首 ― 鼻歌だけが先に歩いていく
少しだけ、鼻歌で lulu をハミングしていただけだった。
本当に、ほんの少し。
口からこぼれた、というくらいの感じだったと思う。
フリーレンを見て、ミセスいいな、と思いはじめたのも、まだ最近だ。
曲をたくさん掘ったわけでもない。
ライブ映像を見尽くしたわけでもない。
好きかどうかも、まだ自分の中で静かに育っている途中だった。
なのに次に会ったときには、
「フェーズ1なら何が好き?」
と、もうすっかり知っている人みたいに聞かれた。
いや、そこまではまだ行ってない。
たまたま鼻歌でハミングしただけなのに、
ちゃんと拾って、ちゃんと広めて、ちゃんと仲間の気配で見てくる。
JAM's、おそるべしである。
好きって、こんなふうに、
自分で名前をつけるより先に、まわりが見つけてしまうことがあるらしい。
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか
まだ誰にも知られないように恋し始めたばかりなのに、もう恋のうわさが立ってしまった。
少しだけ好きな歌をハミングしていただけなのに、なぜかそのバンドをめっちゃ推している・・・となってしまったときに、この歌を思い浮かべました。