
【一首拾い】 第二十七首 ― 知らない楽器の、知っている音
最近はまっているカレー屋さん。
カレーの香り、ステンレスの皿、スパイスの匂い、店内の少し乾いた音響。
その奥で流れている、どこか遠い旋律。
インドカレー屋に入る。
ナンの焼ける匂い、スパイス、ステンレスの皿。
店内に流れている旋律を、何度も聞いたことがある。
でも、それが何の楽器か知らない。
家に帰って、つい調べる。
シタール、という名前を知る。
まだ弾いたことも、触ったこともない。
けれど、あの音だけはもう、どこか懐かしい。
私はいつこの音を知ったのだろう。
いつ見たわけでもないのに、どうしてこんなに気になるのだろう。
みかの原 わきて流るる 泉川
いつ見きとてか 恋しかるらむ
みかの原を流れる泉川を見ていると、ふと思う。
私は、あの人にいつ会ったのだろう。
ちゃんと見た覚えもないのに、どうしてこんなに恋しいのだろう。
楽器の名前や形を知らないのに知っている音、気になる好きな音というのは皆様にもたくさんあると思います。
エスニックな音楽の中のシタール、欧州系音楽のリュート、アメリカのバンジョーなど。
皆様は、耳なじみがあって好きな音、でもどんな楽器かわからない音、どんな音がありますか?