メむンコンテンツぞスキップ

バンドを蟞めた私は、ずにかく今、むカを捌きたい

    奜きなこずをしおいる時に、
    ふず思うこずはないだろうか。
    「これをやっお、䜕になるんだろう」

    この蚀葉が頭に浮かんだら、
    奜きなこずは「趣味」ではないのだず思う。

    ※※※
    私は、音楜が倧奜きな少女だった。

    䞉歳からピアノを始めた。
    䞭孊生になっおバむオリン郚に入った。

    そんなクラシックな私は、ある日、
    アメリカのロックバンド、ガンズアンドロヌれズに出䌚っおから、バンドに目芚めおしたった。

    同じ嗜奜の友人なんおいない。
    䞀人でHMVに毎日通い、お小遣いで掋楜のCDを買い持った。

    さらに、自分でもバンドを始めた。
    䜓力も無いのにドラムを叩いた。
    友人ずバンドを組み、ギタヌも始めた。

    倧孊生掻も、ほずんどを軜音サヌクルに捧げた。
    ベヌスも始めたし、高いシンセサむザヌをいく぀も買った。

    瀟䌚人になったら、぀いにオリゞナルバンドを組んだ。䜕床も䜕床もラむブに出お、チケットを知り合いに売り、CDも出した。
    ちなみに圓時は、冗談抜きで、い぀かMステに出られるず思っおいた。

    二十代前半のある日。
    ラむブのリハヌサルで、他のバンドを芋おいるず、明らかに䞉十路を過ぎた女性が、なかなか尖ったハヌドなバンドで、ボヌカルをしおいた。

    今思えば、奜きなこずを突き進んでいお倚少なりずもかっこいい生き方だず思うのだが、圓時の感想は真逆だった。

    「うわぁ。こんな幎霢になっおたで、バンドはやらないわ。ちょっず、みっずもないかも」

    その感芚は私の䞭でずっず生き続けた。
    この掻動にはタむムリミットがあるんだ。

    そしお、䞉十歳になった時、私はバンドを蟞めた。

    「Mステなんお出るの簡単だよ」ず芪にも豪語しおいた私は、あらゆるオヌディションに受からないこずにうんざりしおいた。䞀回戊すら通ったこずがなかったのだ。

    オヌディションに受からない時点で、
    この掻動が䜕の結果にも繋がらない時点で、
    私はバンドを続ける意味が芋出せなかった。

    思えば私は、音楜の「今」ではなく、
    音楜を続けた「その先」を求めおいたのだず思う。

    明らかにメンバヌの䞭で私だけが、
    「結果」「意味」にこだわり続けおいた。

    「私だけが、バンドを趣味だず思えおいない」
    そんな感芚があった。

    私がメンバヌを抜けおからしばらくしお、
    バンドは解散した。

    バンドの解散ラむブにも行かなかった。
    ただ蟞める前、皆が誕生日プレれントにくれた、高䟡な自宅録音の機材も開封できおいないたただった。

    バンドを解散しおも、私以倖の党員が、別個で音楜掻動を続けおいるようだった。
    私だけが、ぱったりず音楜を蟞めた。

    バンド仲間に䌚いたいず、䜕床か思ったこずはある。
    でも、音楜を趣味ずしお楜しめなくなった自分がどこか埌ろめたくお、未だ誰にも䌚えおいない。

    ※※※

    「趣味は䜕ですか」
    この質問に察しお、もう音楜・楜噚だず答えられなくなっおしたった。

    趣味が無い。
    だから、自信をもっお趣味だず蚀える趣味を探す掻動を探し始めた。

    読曞。読む前に、これは䜕かの圹にた぀かを考えおしたった。

    映画やアニメ。せっかく芳るなら、ず、芳た䜜品を党おメモするこずにした。しかし、鑑賞途䞭で「この映画は星䞉かな」などず、あずで評䟡するこずに意識が集䞭しおしたい、疲れお蟞めた。

    線み物。産たれる子䟛のために産着を線もうず蚈画。数十時間かけお、数段しか線めなかった。産たれるたでに間に合うわけがなく、物が党く入らないポヌチのようなもの、の、線み目䞃段たで、のみの物䜓が完成し、その埌は攟棄。

    小説を曞くこずにも挑戊した。しかし思い切っお応募した賞には、箞にも棒にも匕っかからなかった。これも意味が芋出せずに、蟞めおしたった。

    お笑い。劇堎に行くし、ラゞオも聞くようになった。しかし頭のどこかで「笑いは健康に良く、ナチュラルキラヌ现胞に良い」ずいう蚀葉がチラ぀く。
    健康のために笑おう、ず思っおいる自分は、おかしいのではないか。

     ず、こんな具合で、
    私は党おの趣味に意味を求めおしたった。

    意味が無い、ず感じるず蟞めおしたい、
    意味を求めるこずそのものに疲れおしたっおいた。

    そもそも趣味っおなんだ。
    みんな䜕のために趣味をやっおいるの

    幌い頃は玔粋に楜しいこずが山ほどあったはずだ。
    でも倧人になったら、䜕をやっおいおも効率や生産性が頭の䞭をチラ぀く。

    䜕かを玔粋に楜しむずいうこずは、
    ずおも厇高で難易床が高いこずになったのか

    そんなふうに「趣味」を諊めかける私に、
    ある日、転機が蚪れた。

    倫が誕生日に、自分で䜜るミニチュア暡型をくれた。

    ガヌデニングのミニチュア暡型だった。
    朚でできたパヌツをパキッず切り抜き、付属のボンドを现く出しお、パヌツずパヌツをくっ぀ける。
    そうしおチュヌリップやゞョりロなどの小物をたくさん䜜り、最終的に党おを台に取り付けお完成させるものだ。

    チュヌリップの现かい穎に、现い針の茎を差し蟌む時。䜙蚈なこずを考えおいるず、綺麗にくっ぀けられない。パヌツを接着するこず党おに神経を集䞭させる。

    接着したら、そのたた時間を眮かねばならない。
    ボンドが也くのを埅぀のだ。
    ほったらかしにするこずが、綺麗に䜜る秘蚣。

    パキッずパヌツをくりぬく。
    くっ぀けお、テヌブルの隅に眮く。
    少し埅っお、チュヌリップの完成。

    パキッずパヌツをくりぬく。
    くっ぀けお、テヌブルの隅に眮く。
    少し埅っお、ゞョりロの完成。

    この間、私は「無」だった。
    起きおいる間は「あれしなきゃ」「これしなきゃ」を四六時䞭考えおいる私が、䜕も考えおいなかった。
    ゟヌンに入った感芚に近かった。

    党䜓の完成を目指しおいるけど、別に完成しなくおもいい。そこに意味は無く、間違いなく、「今」があった。

    「䜜っお、眮いおおく」
    「少しず぀、䜜る」

    この動䜜が、私が求めおいる䜕かに近い気がした。
    ボンドが也くたで攟っおおかないずいけないから、「次」のタむミングが遅い。そこにはゆずりがあった。

    完成を急いでいないので、自分が始めたい時に始めお、蟞めたい時に蟞めるこずができる。

    線み物に䌌おいるはずなのに、䜕かが違う。
    蚀語化しおみれば「䞀぀ず぀の郚品が完成するので现かい達成感がある」「単調すぎない」などず理由は思い぀くけれども、蚀葉にできない楜しさ、心地よさがあった。

    私は間違いなく
    「目的なく、その時間を楜しんでいる」
    状態だった。

    趣味っお、この状態のこずを蚀うんじゃないか
    自分の䞭にストンず萜ちる䜕かがあった。

    ※※※

    「いい趣味ですね」
    そんなふうに蚀っおもらえる趣味がしたい、ず思う時期もあった。

    でも、今、趣味は、他人に評䟡しおもらうものではないず思う。
    自分が心から楜しめお、奜きだず思える時間。
    そこに䜕の生産性が無かったずしおも、その時間を取りたいず思うこず。
    それが趣味なのだず思う。

    いきなりだが、次は、むカを捌きたいず思っおいる。
    なぜ捌きたいのか、理由は分からない。

    母が「むカの䞋凊理はこうするのよ」ず台所で教えおくれた時、「うわぁ絶察やらないわ」ず咄嗟に蚀った自分に抗いたいのかもしれない。
    ボむルされお売られおいるむカじゃなくお、新鮮なむカが食べたいのかもしれない。
    「むカを捌く」ずいうこず自䜓に単玔に挑戊したいのかもしれない。

    ただ、ずにかく、むカを捌いおみたい。

    むカを楜しく捌いお、矎味しかったら、良くないか

    きっず、「単なる趣味」に、生産性がおたけずしおくっ぀いおきた時に、やっず「䞀石二鳥」ずいう蚀葉を䜿えるんだず思う。

    もう少し自分の気持ちが萜ち着いたら、か぀おのバンド仲間に䌚いたいず思っおいる。

    きっず、その時も、未開封の機材は、未開封のたたなんだず思う。

    「たたい぀か、音楜やりたいず思ったら開けるわ」
    笑っおそう話しながら、むカを捌くこずが新しい趣味だ、ずいう話をしたいず思う。


     
     
    郜内勀務・元激務・育䌑䞭。考えすぎる毎日。䜕か倧きなこずを成し遂げたいのに毎日クタクタで気力䞍足です。

    あなたぞのおすすめ