
虎ノ門・法務OLが回想する、衝撃のサンディエゴと格安オンライン英会話「キーアイ」との出会い
東京都目黒区、学芸大学駅。
そこが私の平穏な日常の拠点です。
毎朝、東横線から日比谷線へと乗り継ぎ、虎ノ門ヒルズ駅へと向かいます。
私は30代後半、法務OLとして、日々山のような英文契約書のレビューに追われています。
公立の中高、そして大学。
日本生まれ日本育ちの、いわゆる「純ジャパ」として歩んできた10年間、英語は常に私の得意科目でした。
仕事で海外の法律事務所と英文レターをやり取りし、複雑な条項を読み解く中で、私はいつの間にか「自分は英語ができる」という、根拠のない、しかし強固な自信を築き上げていたのです。
その自信が、音を立てて崩れ去ったのは、日系アメリカ人の夫との結婚がきっかけでした。
彼はカリフォルニア州サンディエゴの眩しい太陽の下で育った、根っからのアメリカン。
ご縁があって結婚し、初めて彼の故郷への帰省に同行した際、私は自らの無力さを思い知ることになります。
現地の人の英語が、驚くほど聞き取れないのです。
夫の友人たちとのディナー。
楽しそうに弾む会話のラリー。
私はといえば、その高速で飛び交う言葉の礫(つぶて)を浴びながら、意味もわからず苦笑いを浮かべ、ただ時間が過ぎるのを待つことしかできませんでした。
何か言いたいことがあっても、喉の奥で言葉が渋滞して出てこない。
結局、隣に座る夫に、情けなさと悔しさで泣きそうになりながら「今の、なんて言ったの?」「これを伝えて」と通訳を頼む始末でした。
将来、私たちは夫の故郷であるアメリカへ移住する予定があります。
そうなれば、私は「アメリカ永住妻」になる。
このままの英語力で、あの大海原のような社会に放り出されたら、私はただの「微笑む日本人置物」になってしまう――。
その恐怖が、私を突き動かしました。