TikTokで4000万回再生された。これで稼げると思った私が、YouTubeを始めるまで
前回、2025年9月に何となく作ったHawaiianの動画が、数か月後に少しずつ動き始めた話を書きました。
今回は、少し時間を戻します。
そもそも私は、最初からYouTubeで収益化しようと思ってAI音楽を始めたわけではありません。
むしろ最初に期待していたのは、
SpotifyやTikTokでの音楽配信収益
でした。
そして一度、本当に「これはすごいことになるかもしれない」と思った経験があります。
TikTokで、自分の曲が突然使われ始めたんです。
AI音楽の副業情報でよく見た「著作権収益」
2024年の夏頃から、私はSoundOnを使ってAIで作った音楽を配信していました。
当時は今以上に、
「AIで音楽を作って配信すれば収益になる」
「SpotifyやTikTokで再生されれば著作権収益が入る」
といった副業情報をよく見かけました。
セミナーや情報商材でも、AI音楽は新しい副業としてかなり取り上げられていたと思います。
私も、
「これは面白いかもしれない」
と思いました。
Sunoで曲を作る。
配信する。
Spotifyで聴いてもらう。
TikTokで誰かが使ってくれる。
一度配信してしまえば、その曲が使われるたびに収益になる。
当時の私は、かなりそんなイメージを持っていました。
そして2025年1月。
本当にその出来事が起きました。
突然、TikTokで自分の曲が使われ始めた
SoundOnのレポートを見ていたら、それまでほとんど動いていなかった1曲が、TikTokで突然使われ始めました。
最初に気づいた日は、たしか1日で60本くらいの動画に使われていたと思います。
視聴回数は2万回ほど。
それだけでも、
「何が起きたんだ?」
と驚きました。
ところが、それで終わりませんでした。
そこから約2週間、どんどん数字が大きくなっていきました。
多い日には、
1日で1,000本以上のTikTok動画に自分の曲が使われる。
そしてレポート上の視聴回数は、
4,000万回を超えました。
今なら、TikTokで音源が使われた回数と、実際に権利者へ入る収益は単純には比例しないことを理解しています。
でも当時の私は、そんな仕組みをほとんど分かっていません。
4,000万回です。
普通に考えたら、
「ものすごい金額になるんじゃないか?」
と思いました。
「これが著作権ビジネスか」と本気で思った
正直に書くと、小躍りしました。
「これがAI音楽の著作権ビジネスなのか」
と思いました。
妻にも、
「もしかしたら、すごい売上になるかもしれない」
なんて話しました。
4,000万という数字だけを見ていれば、そう思ってしまいます。
数万円なのか。
数十万円なのか。
それ以上なのか。
具体的な金額は分からなくても、
少なくとも「数千円」という想像はしていませんでした。
そして、収益レポートが出るのを待ちました。
結果は、
数千円でした。
何度も確認しました
最初は意味が分かりませんでした。
「これ、集計がまだ全部入っていないんじゃないか?」
と思いました。
配信サービスは収益の反映に時間がかかることがあります。
だから、
「きっと翌月に残りが入るんだろう」
と考えました。
翌月も、かなり楽しみに数字を確認しました。
でも、やっぱり数千円。
そこで初めて、
「4,000万回見られた」という数字と、
「自分に入るお金」は、
まったく同じものではないことを実感しました。
かなり愕然としました。
翌月、今度はSpotifyで別の曲が動いた
ところが2025年2月。
今度は別の曲がSpotifyで突然再生され始めました。
どうやら誰かがプレイリストに入れてくれたようでした。
その1曲だけ、毎日数百回ずつ再生される。
当時、Spotifyのロイヤリティ対象として意識していた1,000再生も、あっという間に超えました。
また期待しました。
TikTokでは仕組みを理解していなかった。
でもSpotifyは「曲そのものが再生されている」。
今度こそ違うのではないか。
また少し小躍りしました。
ところが実際に入ってきた収益を見ると、
やはり数千円。
もちろん、ゼロではありません。
自分の作った曲から本当に売上が発生した。
それ自体はすごいことです。
ただ、
私が副業情報などから想像していた世界とは、かなり違いました。
しかも、私は曲を生成したまま配信していました
今考えると、当時は音楽配信について知らないことだらけでした。
Sunoで生成する。
ダウンロードする。
そのまま配信する。
基本的にはそれだけ。
マスタリングもしていません。
曲の終わりをきれいに処理するためのフェードアウトなども、ほとんど考えていませんでした。
「Sunoから完成した曲が出てくるのだから、そのまま出せばいい」
くらいに考えていたんです。
数か月後、SoundOn側から品質上の問題を指摘され、それまで収益が発生していた曲を含むアルバムが削除されました。
そこでようやく、
AIで曲を生成することと、音楽商品として配信することは別なんだ
と理解するようになりました。
2025年5月、DistroKidにも登録した
2025年5月。
私はSoundOnだけでなく、DistroKidも使い始めました。
ここからは配信にも費用がかかります。
それでも当時は、
「また曲が使われれば数千円くらいはすぐ売上になるだろう」
という感覚がどこかに残っていました。
TikTokで4,000万回という数字を一度見てしまったことが、逆に判断を鈍らせた部分もあったと思います。
そしてこの頃、
Content ID
の仕組みを知りました。
YouTubeなどで自分の音楽が使われたときに、その楽曲を識別して権利処理につなげる仕組みです。
「これなら、自分の曲をYouTubeでも使えるんじゃないか」
と考えました。
そこで数枚のアルバムを作り、配信して、Content IDにも登録しました。
でも――。
何も起きませんでした。
曲を配信しただけでは、誰も使ってくれなかった
考えてみれば当たり前です。
曲を配信サービスに置いたからといって、
誰かが勝手に見つけてくれるわけではありません。
TikTokで一度曲が使われた経験があったため、
どこかで、
「曲数を増やしていれば、そのうちまた誰かが使うだろう」
と思っていました。
でも新しく出した曲は、ほとんど使われません。
Spotifyでも再生されない。
TikTokでも使われない。
アルバムを作る。
配信する。
Content IDへ登録する。
でも売上にはならない。
その間にも費用はかかります。
そこで考えました。
誰も使ってくれないなら、自分で自分の曲を使えばいい。
これが、私がYouTubeを本格的に始めるきっかけでした。
2025年7月、「癒しの時間」を作った
2025年7月。
現在のYouTubeチャンネル「癒しの時間」を立ち上げました。
Content IDへ登録した自分の曲を使って動画を作る。
YouTubeで視聴してもらう。
そこから音楽も知ってもらう。
当時は、そんなことを考えていました。
ところが、
まったく再生されません。
100回にも届かない。
一本出してもダメ。
また一本作ってもダメ。
「曲が悪いのかもしれない」
と思って、またSunoで曲を作る。
アルバムを作る。
配信する。
Content IDへ登録する。
そして、その曲で動画を作る。
公開する。
でも再生されない。
また曲を作る。
今振り返ると、かなり同じところをぐるぐる回っています。
しかも配信するたびに費用がかかります。
売上はほとんどない。
費用だけが少しずつ増えていく。
2025年の夏は、そんな状態でした。
それでも、まだ「曲が足りない」と思っていた
この頃の私は、
YouTube動画が再生されない理由を、
かなり「音楽そのもの」に求めていたと思います。
この曲ではダメだった。
では次のアルバムを作ろう。
今度は違うジャンルにしよう。
もっといい曲なら再生されるのではないか。
だから曲を増やす。
でも再生されない。
今なら、
サムネイル。
タイトル。
ジャンル。
視聴者が何のためにその動画を見るのか。
チャンネルの統一感。
いろいろ考えます。
でも当時は、そんなことをほとんど分かっていません。
ただ、
「いい曲を作れば、そのうち聴いてもらえる」
と思っていました。
そして2025年9月、たまたまHawaiianを作った
そんな状態が続いた2025年9月。
知人と何気なくHawaiianの話をしたことがきっかけで、
「じゃあHawaiianも作ってみようか」
ということになりました。
特別な市場調査をしたわけでもありません。
Hawaiianなら絶対伸びると思ったわけでもありません。
本当に、
なんとなくです。
Hawaiianの動画を1本作って、YouTubeへ公開しました。
でも、やっぱり再生されませんでした。
1か月経っても100回程度。
「まあ、これもダメか」
くらいだったと思います。
だからHawaiianに切り替えることもせず、
私はその後もZen Lofiを作っていました。
ところが数か月後。
放置していたそのHawaiianの1本だけが、
少しずつ動き始めます。
そして年末には、
他の動画とは明らかに違う数字になっていました。
前回の記事で書いた話は、
ここにつながります。
今振り返ると、失敗が全部つながっている
TikTokで4,000万回。
Spotifyで毎日数百再生。
SoundOn。
DistroKid。
Content ID。
そしてYouTube。
その時その時は、
「今度こそいけるかもしれない」
と思っていました。
そして何度も、
「思っていたのと全然違う」
という結果になりました。
でも、それがなければYouTubeも始めていません。
TikTokで想像以上に収益が少なかったから、配信の仕組みを調べた。
Spotifyだけでも簡単には稼げないと分かったから、別の方法を探した。
Content IDを知ったから、自分の曲を自分の動画で使おうと考えた。
動画がまったく再生されなかったから、いろいろなジャンルを試した。
そしてその中の1本だったHawaiianが、数か月後に動いた。
今のチャンネルだけを見ると、
「Hawaiian BGMを作ってYouTubeを収益化した人」
に見えるかもしれません。
でも実際は、
何度も「これでいける」と思って外した結果、たまたま出していた1本の数字を追いかけて今の形になりました。
かなり遠回りです。
でも、これが実際に起きたことです。
今は「大きな数字」をそのまま信じなくなった
TikTokの4,000万回は、私にとってかなり大きな経験でした。
あの数字を見た瞬間、
私は「4,000万」という数字そのものに興奮しました。
でも今は、
4,000万回だからいくら。
登録者5,000人だからいくら。
100万再生だから成功。
そんなふうには考えなくなりました。
その数字は、
何を意味している数字なのか。
どこから来ているのか。
何に結びついているのか。
実際の収益はどうなのか。
そこまで見ないと分からない。
この感覚は、その後のYouTube運営でもずっと残っています。
そして結果的には、
TikTokの4,000万回より、
再生すらされなかったYouTubeを一つずつ改善していったことの方が、
今の自分の事業につながっています。
人生、なかなか思った通りにはいかないものです。
