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Photo byyokoichi

嫌気

     それは管理職になってから始まっていた。上司のご機嫌とり、先生のご機嫌伺いに、文章作成、部下の調子に目を配り、残業でない日はない。下手すれば土日も出勤である。これを後何年続けるのかと思ったけれど、もう少し昇任したところで、やることは変わらない。むしろ困難さが増すだけである。それで得られることといえば金と地位だが、家族は退職までそこらに置きっぱなしになる。
     そう考えた時、やっと家族との時間がくる時分には体にガタがきて、持病もついに本性を現し、病院通いに食事制限で、楽しみもなさそうだった。
     私は自然に希望降任の書類にサインを書いていた。他の管理職仲間も、やっていられないと口癖のようにいうが、皆降任する気はない。なんだかんだで仕事が面白いのだろうと思う。だが、私は、働きに働いた先が通院三昧の人生は嫌であった。

     
     
    書き溜めた創作物を掲載しています。 有料記事は、昔同人誌として発表したものです。

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