
「犯人はあなたです」と言われながら、僕の思春期は始まった。 |記憶めぐり第7話
日本での中学校生活は非常に濃かった。
期間はアメリカへ引っ越す中2の秋までである。
中学校には複数の小学校から生徒が集まり、
全5クラスあった。
同じ小学校からの生徒は
各クラス4〜5人にバラけた。
仲の良かった男子メンバーとも、
気になっていた女子メンバーとも、
別のクラスになった。
僕は1年1組に配属された。
率直に言う。
僕目線、女子のルックス偏差値は
5クラス中最下位だった。
ついでに男子も冴えなかった。
かく言う僕も、その一人だ。
合唱コンクールで
学年最下位を取るほど、
協調性に欠けたクラスだった。
小学校で時々遊ぶくらいの仲だった
男子2人と同じクラスになり、
当初3人で行動した。
その片方がイジメっ子気質だった。
あくまで1on1の構図。
幸い周囲への影響は少なかった。
それでも、叩かれたり、つねられたり、
新品のナイキの靴を踏んで汚される
といった嫌がらせを受け、
数ヶ月間、ストレスは大きかった。
ある日、蹴られた机に太ももが挟まれ、
痛みで涙をこらえきれなくなった。
その勢いで思いっきり押し倒してからは、
嫌がらせは和らいだ。
2人ともサッカーをやっており、
流れで僕もサッカー部へ入部した。
結局一度も活躍することなく、
楽しむこともなく、
1年で退部した。
イギリス帰りのサッカーの苦い記憶が、また蘇った。
中1の夏、林間学校で伝説になった
1年1組の冴えない男子たちから見て、
僕は相当マセていたようだ。
1学期の終わり頃、林間学校で
「これからエロい話をする」と言うと、
男子がぞろぞろ部屋に集まり、
十数人が夢中になった。
このエピソードが男子間で広まり、
他のクラスの男子からもリスペクトを込めて
「さん」付けで呼ばれるようになった。
気を良くして、
エロスの知識をさらに求めた。
ただ、リアルでは女子と親密になれる望みもなく、
アダルトビデオを手に入れるハードルも高く、
結局リソースは二次元コンテンツだった。
中でも漫画の『東京大学物語』や『ふたりエッチ』に没頭した。
中1の頃は、
思春期が始まる頃にも関わらず、
女子からモテることへの執着が
あまり無かった。
男子間での社会的地位が
高まっている気分に浸り、
それに満足していたのかもしれない。
古畑任三郎に見られながら、思春期が始まった
エロスの知識だけは人より持っていた。
だが、実戦は遅かった。
『新世紀エヴァンゲリオン』の
劇場版が上映された中1の夏、
冒頭のシーンでシンジが自慰行為をした時、
僕はまだそれを十分に理解していなかった。
つまり僕は、それよりも後だ。
周りが次々と経験していくものだから、
僕もさっさとそれを済ませたかった。
初めて成功した時は無心だった。
だがテレビに映っていた古畑任三郎に、
「え〜犯人はあなたです」
と言われたタイミングで
果ててしまった。
今でも古畑任三郎を見るたびに、
あの瞬間がよみがえる。
田村正和には申し訳ない。

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『MDの中に入っていた一曲が、僕の人生を変えた。』