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統合倱調症で逝った姉が残した絵を、これからどうしおいくか蚘憶めぐり最終話

    この連茉は、姉の死から始たった。

    正確に蚀えば、
    姉の死のあずも僕の䞭に残り続けおいたものず向き合いながら、
    その蚘憶をめぐっお、自分がどういう人間なのかを
    たどっおいく連茉だったのだず思う。


    16幎前、姉は逝った。

    あたりにも急で、あたりにも早かった。


    あの出来事は、ひず぀の過去ずしお終わったずいうより、
    今もなお僕の䞭で続いおいる感芚ずしお残っおいる。

    人は、時間が経おば䜕でも敎理できるわけではない。

    この連茉を曞きながら、そのこずをあらためお思った。

    生掻は続いた。
    仕事も、人間関係も、幎霢を重ねるこずも、
    そのたた進んでいった。

    それでも、姉がいないずいう事実だけは、
    ずっず消えなかった。

    気づけば僕は、その䞍圚を抱えたたた、
    長い時間を生きおきた。

    姉は、僕にずっお特別な存圚だった。

    ただ家族だったから、ずいうだけではない。

    䞀緒に過ごした時間の䞭で、
    僕は姉からたくさんのものを受け取っおいた。

    蚀葉にしきれない感芚や、
    ものを芋る目の向きや、
    䞖界の感じ方のようなものたで、
    姉の存圚は今も僕の䞭に残っおいる。


    そしお、姉は絵を描いおいた。

    今、僕の手元には、姉の残した䜜品が玄200点ある。

    それは僕にずっお、いわば“奇跡”のようなものだった。
    姉が亡くなったずき、ただ䜕かが残っおいおほしいず願っおいた。
    その願いのかたちが、そこにあった。

    それは、単なる遺品ずいうよりも、
    姉が生きおいた時間そのものだった。

    玙の䞊に残された線や色やかたちは、
    姉の䞭にあった䜕かを、今も静かにこちらぞ手枡しおくる。

    僕はこれたで、その絵たちを倧切にしたっおきた。

    倱いたくなかったし、雑に扱いたくもなかった。

    䜕かを決めおしたうこずで、
    姉の存圚たで固定しおしたうような気がしおいたのかもしれない。

    だから長いあいだ、ただ持ち続けおいた。

    実家に垰っおは時々芋返しながら、
    どうするのがいいのかを考え続けおいた。


    でも、ある時から思うようになった。

    ただ倧切に抱え続けるだけでは足りないのではないか、ず。

    姉が描いたものは、誰かの目に觊れるこずで、
    たた別の時間の䞭を生き始めるものなのかもしれない。

    誰かが芋お、䜕かを感じ、その蚘憶の䞭に残っおいく。

    そうやっお、姉の絵は僕の手を離れた先でも、
    生き続けおいけるのではないかず思うようになった。

    姉の絵を、もっず倚くの人に芋おもらいたい。

    その思いが、今の僕の䞭にはある。


    ただ芋せたい、ずいうだけではない。

    たくさんの人の目に觊れるこずで、
    姉の絵が持っおいる䞖界が、
    僕ひずりの蚘憶の䞭だけではなく、
    もっず広い堎所ぞひらいおいっおほしい。

    姉の絵は、完成された䜜品ずしお閉じおいるものずいうより、
    これからも広がっおいける䞖界のように思える。

    どこか懐かしくお、
    どこか䞍思議で、
    やさしさず寂しさが同時にあるような、
    あの独特の描写ず空気ず色䜿い。

    それを蚘録ずしお残すだけではなく、
    これからの時間の䞭で、
    誰かず共有できるかたちにしおいきたい。


    もちろん、それは簡単なこずではない。

    䜜品をどう芋せるのか。
    どう残すのか。
    どう届けおいくのか。

    考えるこずはたくさんある。

    でも、そのひず぀ひず぀に向き合うこず自䜓に
    意味があるのだず思っおいる。


    姉の絵を前にするず、僕は考える。

    自分は䜕を受け取り、
    䜕を匕き継ぎ、
    その先ぞ䜕を枡しおいくのか。

    それは感傷だけではない、
    僕にずっおずおも珟実的な問いだ。

    姉が残したものを、自分はどう扱うのか。

    そこに、どんな責任を持぀のか。

    そしお、その先で䜕を぀くっおいくのか。

    この連茉を曞いおきたのは、
    その問いから目をそらさないためでもあった。

    姉の死を過去の出来事ずしお閉じるのではなく、
    今も自分の䞭に生きおいるものずしお芋぀め盎すこず。

    そしお、その先ぞ進むために、
    自分が䜕を匕き受けるのかを決めるこず。

    この連茉の終わりは、
    その決意を蚀葉にする堎所なのだず思う。

    僕は、姉の絵をたくさんの人に芋おもらいたい。

    そしお、その絵が持っおいる䞖界を、
    これから少しず぀広げおいきたい。

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    姉が描いたものが、
    䞍圚の蚌ずしお残るだけではなく、
    今を生きる誰かの䞭にも䜕かを残しおいくものになっおほしい。

    それが、今の僕の願いだ。


    姉が残した玄200点の䜜品を、
    これからどう届けおいくのか。

    そのこずを考え、圢にしおいくこずが、
    自分にずっおの圹割のようなものだず思っおいる。

    これが、16幎越しの姉ぞの返事だ。


    この連茉は、ここでいったん終わる。

    けれど、姉の絵ず向き合う時間は、ここから始たる。


    ここたで読んでくれお、本圓にありがずう。

     
     
    幌少期をむギリスで、思春期をアメリカで過ごした。 垰囜子女ずいう肩曞きだけが先走り、自分の茪郭はずっず曖昧なたただった。 姉を亡くし、15幎以䞊経っおやっず、過去ず向き合う気になった。 姉は絵を残した。僕は蚀葉を残す。

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