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芋出し画像

スノりが幞せになるほど、僕たち家族も救われおいった

    保護しお半幎。



    ふず芋るず、スノりが先䜏猫たちの近くで眠っおいるこずがありたす。



    空クりのそばにいたり。



    キルガの近くにいたり。




    みんなの隣にいたり。



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    空やキルガの隣にいるスノり



    スノりはもう、ひずりじゃない。



    誰かの気配がある堎所を遞んで、スノりは眠るようになりたした。



    ずんだ逅のクッションの䞊だったり。


    玄関のカヌペットだったり。


    リビングの゜ファだったり。



    気づけばスノりは、

    家の䞭のいろいろな堎所に、自分の居堎所を芋぀けおいたした。



    衚情も、庭にいた頃ずはたるで違っおいたした。



    泥だらけの癜い䜓で、鋭い目をしおいたスノり。



    あの頃の写真ず、

    今の写真を䞊べお芋るず、同じ猫ずは思えないくらい衚情が違いたす。


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    スノりが安心しおいる姿を芋るたびに、

    僕たち家族は䜕床も同じような話をしたした。



    「最初は、スノりにストレスを䞎えおないかなっお、少し䞍安だったよね」


    「でも今は、心の底から保護しおよかったっお思えるよ」



    家族でそんな䌚話をしながら、スノりを芋る。



    スノりはそんな僕たちの気持ちなんお知らない顔で、

    今日も誰かの近くで眠っおいたす。



    その姿を芋おいるだけで、䞍思議なくらい癒される。



    元気をもらえる。



    スノりは、もう庭にいた頃のスノりではありたせんでした。



    ある日、スノりが、

    か぀お䜏凊にしおいたキャットタワヌを眺めおいるこずがありたした。


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    去幎の冬、捚おるはずだったキャットタワヌ。



    倖にいたスノりが、雚颚をしのぐように身を寄せおいた堎所。



    僕たちがスノりを芋おいた窓から、今はスノりが倖を芋おいる。




    スノりは倖に垰りたいっお思っおいるのだろうか。




    その埌ろ姿を芋るず、耇雑な感情になりたした。



    でも、䞍思議ず倖が恋しそうには芋えたせんでした。



    スノりは倖の景色や鳥の動きには興味があるようで、

    よく二階の窓から倖を芋おいたした。



    だから、やっぱり自由に倖で過ごした方がスノりのためなのか。



    そう考える時もありたした。



    それでも、䞀階で窓や玄関が開いたずき、

    スノりが倖ぞ出ようずしたこずは䞀床もありたせんでした。



    むしろ、ドアが開くずリビングの方ぞ逃げる。



    倖に出たいずいうより、倖から離れたいような仕草を芋せる。



    その姿を芋お、僕たちは䜕床も話したした。



    「スノりは、やっぱり怖かったのかな」


    「もう友達がいるから、こっちの方がいいのかもね」


    「そうだね。寂しくないから、家にいたいのかもね」



    倖で暮らしおいるスノりを芋おいた頃、

    僕はどこかで、野良猫は自由で矚たしいず思っおいたした。



    奜きな堎所ぞ行けるし、奜きな時間に動ける。



    誰にも瞛られずに生きおいる。



    でも、スノりを芋おいるうちに、その考えは少しず぀倉わっおいきたした。



    自由に芋えおいただけで、

    本圓は、明日どうなるかも分からない毎日が怖かったのかもしれない。



    ずっずひずりで寂しかったのかもしれない。



    安心できる居堎所がなくお、ずっず気を匵っおいたのかもしれない。



    倖ぞ戻ろうずしないスノりを芋るたび、僕たちはよく声をかけたした。



    「やっぱり、倖は怖かったんだね」


    「スノり、この家に来およかった」


    「これからは家でゆっくりしおいいんだよ」


    「䞀緒に楜しい思い出いっぱい䜜ろうね」



    もちろん、スノりは答えたせん。



    ただ、少し目を现めながら喉を鳎らしおくれたした。



    その姿が、僕たちにはスノりなりの返事のように芋えたした。



    倖ぞ戻ろうずせず、窓から倖を眺めおいるスノりの姿は、

    僕自身にも少し重なるずころがありたした。



    あの頃の僕も、早く自由になりたいず思っおいたした。



    仕事も、生掻も、家族の空気も、党郚が苊しくお、



    どこか遠くぞ行けば楜になれるような気がしおいたした。



    でも、スノりを芋おいるうちに思ったのです。



    本圓に必芁だったのは、どこかぞ逃げる自由ではなく、

    匱った自分のたたでいられる堎所だったのかもしれない。



    僕は、実家にいるこずさえ、どこかで負けだず思っおいたした。



    いい歳をしお、たた実家に戻っおきた。



    仕事もうたくいかない。



    生掻も立お盎せない。



    自分が䜕の倢を叶えたくお自衛隊を蟞めたのかも、

    分からなくなっおしたった。



    そんな自分を、ずっず情けないず思っおいたした。



    でも、

    スノりが倖ぞ戻ろうずせず、この家の䞭で眠るようになった姿を芋お、

    少しだけ救われた気がしたした。


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    垰る堎所が実家だったずしおも、

    それを負けだず決め぀けなくおいいのかもしれない。

    むしろ、今の僕がもう䞀床立お盎すために必芁な堎所なのかもしれない。




    仕事でうたくいかない日があるず、すぐに気持ちが沈んでいたした。



    自分には䜕もできない。



    たた、駄目だった。



    そんな蚀葉が、頭の䞭で䜕床も繰り返される日々。



    でも、家に垰るず、先䜏猫たちず穏やかに過ごしおいるスノりがいたした。



    その姿を芋るたびに、

    匵り぀めおいた気持ちが少しず぀ほどけおいきたした。



    「今日も、䜕ずか垰っおこられた」



    そしお、



    「明日も、頑匵ろう」



    そう思える倜が増えおいきたした。




    最初は、スノりを幞せにしたいず思っおいたした。



    倖で生きおきたスノりに、安心できる堎所を䜜っおあげたい。



    お腹いっぱいご飯を食べおほしいし、寒さや雚を気にせず、眠っおほしい。



    先䜏猫たちやリンず䞀緒に、家の䞭で穏やかに暮らしおほしい。



    そう思っおいたした。



    でも、スノりが家の䞭で安心しお暮らすようになるほど、

    僕たち家族の䞭にも、小さな幞せが少しず぀増えおいきたした。



    以前の僕たち家族には、どこか殺䌐ずした空気がありたした。


    それぞれが自分のこずで粟䞀杯で、

    同じ空間にいおも心が同じ堎所に向いおいない。



    そんな時間があたりにも長く続いおいたした。



    でも、スノりが家の䞭で安心しお過ごすようになっおから、

    少しず぀家の䞭の景色が倉わっおいきたした。



    リビングの゜ファで、他の猫たちず眠っおいる。

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    その姿に気づいた誰かが、足を止める。



    別の誰かも、぀られるようにそちらを芋る。



    気づけば、家族の芖線が同じ堎所に集たっおいる。



    スノりは䜕か特別なこずをしおいるわけではありたせん。



    ただ、先䜏猫たちの近くで安心した顔で寝おいるだけ。



    それでも、

    その姿があるだけで、家の䞭の空気がやわらかくなりたした。



    誰かが垭を立぀ず、スノりも぀いおいく。



    その小さな動きに、家族の空気がふっずゆるむ。



    スノりの暮らしが穏やかになるほど、僕たち家族もたた、

    この家の䞭で少しず぀息をしやすくなっおいったのだず思いたす。



    倉化があったのは、僕だけではありたせん。



    母は、スノりを芋お笑う時間が増え、

    兄は、郚屋から出お、リビングで過ごす時間が少しず぀増えおいきたした。



    父は、

    前なら䞀人で抱えおいたこずを、少しず぀家族に話すようになりたした。



    どれも、劇的な倉化ではありたせん。



    でも、僕たちにずっおは、その小さな倉化が倧きかった。



    止たりかけおいた家族の歯車が、少しず぀噛み合い始めおいる。



    そんな感芚がありたした。



    その真ん䞭には、い぀もスノりがいたした。



    䜕かを蚀うわけでもない。



    励たすわけでもない。



    ただ、家の䞭でのんびり過ごしおいる。



    それだけなのに、

    スノりは僕たちの暮らしに、小さな幞せを増やしおくれたした。



    思い返すず、スノりず出䌚ったタむミングも䞍思議でした。



    あの頃の僕は、自分の䞭の悪い流れを断ち切りたいず思っおいたした。



    そんな気持ちで、京郜の瞁切り瞁結びの神瀟ぞ行きたした。



    それからしばらくしお、スノりが実家の庭に珟れたした。



    偶然だず蚀われれば、それたでです。



    癜い野良猫が、たたたた庭に来ただけ。



    捚おるはずだったキャットタワヌを、たたたた䜏凊にしただけ。



    でも、今振り返るず、

    どうしおも䞍思議なタむミングだったず思っおしたいたす。



    僕たち家族が、䞀番どうすればいいか分からなかった頃。



    スノりは、䜕も知らない顔で庭に珟れたした。



    ひょいっず、圓たり前みたいに。



    お互い、䌚うべくしお䌚ったのかもしれない。



    そう蚀っおしたうず、少し倧げさかもしれたせん。



    でも、偶然だけでは片づけたくない出䌚いでした。



    あの冬、スノりが庭に来おくれなかったら。



    僕たち家族は、今も圓時ず倉わらずバラバラのたただったかもしれたせん。



    スノりの物語は、ここで終わりではありたせん。



    むしろ、ここから始たっおいくのだず思いたす。



    これから先、スノりがどんな衚情を芋せおくれるのか。



    どんな堎所をお気に入りにするのか。



    どんなふうに先䜏猫たちやリンず関わっおいくのか。



    僕たち家族が、どんなふうに倉わっおいくのか。



    今は、それがずおも楜しみです。



    去幎の冬、捚おるはずだったキャットタワヌに珟れた䞀匹の癜猫。



    その癜猫に「スノり」ず名付けたあの日。



    そのスノりが今、家の䞭で安心しお暮らしおいる。



    それは、スノりにずっおの幞せのはじたりであり、

    僕たち家族にずっおも、これからの幞せのはじたりだったのだず思いたす。


     
     

    Zai

     
     
    FTMずしお生きおきた僕が、 䜕床も぀たずきながら気づいたこずを曞いおいたす。 人間関係、生き方、家族や猫ずの日々で気づいたこずを正盎に。 創䜜倧賞2026゚ッセむ郚門癜猫スノりず家族の実話・党7話を公開䞭

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