
【製造工程紹介】インジェクション成形編
~インジェクション成形とインモールドラベル成形~
私たちが日常的に手にするヨーグルトやデザートのカップ。実は、見た目がシンプルでも、その「容器」ができあがるまでには、精密で合理的な製造工程が存在しています。
今回は、食品容器の製造現場で多く採用されている2つの成形技術――インジェクション成形とインモールドラベル成形(IML)について、分かりやすくご紹介します。
インジェクション成形とは?
「インジェクション成形(射出成形)」は、溶かしたプラスチック樹脂を金型に流し込み、冷やして固めることで、形ある製品をつくる技術です。耐久性や精度の高さから、食品以外にも多くのプラスチック製品に使用されています。
▶ 製造の流れ
1. 溶かす(溶解)
ペレット状(粒状)のプラスチック原料を、ヒーター付きの装置で加熱。ドロドロに溶かします。
2. 流し込む(射出)
溶けた樹脂を高圧で金型の中へ一気に注入します。
3. 冷やして取り出す(冷却・取出)
金型の中で冷却・硬化させ、成形された製品を取り出します。
シンプルな工程に見えますが、温度・圧力・時間のコントロールが重要で、製品の品質に大きく影響します。
インモールドラベル成形とは?
「インモールドラベル成形(IML)」は、ラベルと容器を“同時に成形”してしまう画期的な技術です。
一般的な容器は「後からラベルを貼る」のに対し、IMLは「ラベルを先に金型にセット」し、インジェクション成形と同時に一体化させます。

▶ 製造の流れ
1. ラベルの準備
容器の形に合ったラベルを事前に印刷・カットして用意します。
2. ラベルを金型にセット
エアーや静電気などで、金型の内側にラベルをぴったりと吸着させます。
3. 射出成形(インジェクション)
溶けた樹脂を金型に流し込み、ラベルと同時に成形します。
この工程で、ラベルと容器がしっかりと一体化します。
4. 取り出し・完成
仕上がった容器は、ラベルも一体となった美しい見た目に!
IMLのメリットと活用の広がり
• 美粧性◎
パッケージ表現の自由度が高く、写真のような高精細デザインも可能です。
• 高付加価値
耐水性・バリア機能付きラベルなど、用途に応じた高機能化も。
• 環境配慮設計
容器本体とラベルを同一素材にすれば、「リサイクルしやすい単一素材容器」も実現できます。
IMLは見た目のデザイン性と機能性を両立した、今後さらに広がっていく成形技術です。
おわりに
食品容器の製造工程は、普段なかなか目にすることがありません。
でも、そこには安全・衛生・機能・コスト・環境といった多くの課題と、それに応える高度な技術と工夫があります。
何気なく使っているカップの「裏側」を知ることで、モノの見え方が少し変わるかもしれません