
愛するヒトに向き合う物語【創作大賞感想】
紫吹はる様の『恋をしたのは画面の向こう側の人でした』を拝読しました。
AIに恋をする序盤……「自分が欲する言葉を甘く囁いてくれるAIが誕生したら、私も恋しそうだな」と思っていましたが……物語は思わぬ方向に展開します。ネタバレになるため、「思わぬ方向」について、語れません。ですが、本当は、ネタバレしながら、熱く感想を述べたい、と思わされる作品でした。
昨今、AIが幅広く活用されるようになってきました。AIにお願いすれば、イラストも描いてくれるし、知らないことも教えてくれる、文章も書いてくれる。当初、シンクタンクが発表した「AIに奪われる職業」の予想はやや外れて、クリエイティブと思われていた仕事にまで、侵食してきました。
そんな現代社会の中で描かれた、狂気とも言える恋。科学が進歩し続ける中で、人間はどういった手段を採るだろうか? 果たして、正解と言える手段は、存在するのだろうか?
本作は、"恋"を扱っていますが、愛する人は恋人以外にも、いるかと思います。人によりますので、一概に言えませんが、家族や友人も、愛すべき人たちだと思います。
あなたは、どうやって、愛する人たちの苦境に立ち向かうのか?
本作を読み終わって、唸りました。ぜひ本作を読み終えた後、主人公たちの立場を自分自身に置き換えて、唸ってほしいなあ、と思います。果たして、自身の中で、正解は導き出せるでしょうか?
現代社会の中で、発達する科学と人間の関係性を鋭く描いた作品でした。何よりも、読後に、儚さを感じながらも、読んで良かったと感じました。
紫吹様、本作を書いて下さり、ありがとうございました。