
寝起きのアサガオ
いつもより、ほんの少し早く起きた朝。
手を伸ばしスマホを手に取れば、彼からのLINEが来ていた。
寝ぼけまなこでスタンプを送信する。
彼とのこういった些細なメッセージのやり取りは私にほんの少しの幸福感を与えてくれる。
きっとまだ寝ているんだろうなと思いながら、彼のことを想像して目をつぶった。もう少し寝よう。
時間はまだ4時半。
一度醒めてしまった目は眠気を遠い意識の彼方へと 押しやった。
……仕方がないなぁ。
ベッドから起き上がると、キッチンへと降りて行く。
お水をコップ1杯飲み干せば、窓から夜明けの月が輝いているのが見えた。
一度、玄関から出ると思いっきり深呼吸する。
夏休みが始まって私もそれなりに忙しい。
アルバイトだってあるし、今年は夏期講習に行かなきゃいけない。来年は受験だ。
明るくなってゆく黎明の空は群青から金色へとグラデーションしていた。新聞配達のバイクの音。
ふとあたりを見回せば、庭に今年初めて小さな朝顔の花が咲いていた。
私はスマホを向ける。
かしゃり !
カメラアプリは小さな音を立てた。
スマホの中に小さな夏の記憶が残る。
彼にもこのささやかな夏の記憶を送りたい。
1日の始まりが咲いたばかりの綺麗な花と一緒に始まるなんて、きっと素敵なことだ。
送信ボタンをそっと押す。
『おはよういい朝だね!』
というメッセージを添えて。
