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「次世代につなぐ 原爆×芸術」 冨安由真 李晶玉 岡本太郎美術館

    川崎市岡本太郎美術館の企画展「次世代につなぐ 原爆×美術」を観た。

    https://www.taromuseum.jp/

    照度の落とされた広い空間にジェスモナイトで写された15人の両の手が浮かんでいる。
    富安由真の《影にのぞむ》(2023)はそんな展示だった。
    「目は口ほどに物をいう」、そして手も口ほどに物を言う。
    長い年月を使われてきた指、手の甲に浮かぶ血管、深く刻まれた皺。
    ゆっくりと回転するそれらを見上げていると、その手がこれまで触れてきたもの、掴んできたもの、手ぶりで表してきたものが思い浮かぶ。
    ふいに訪れた破滅的状況を越えて、生き抜いてきた時間が美しい。

    李晶玉の絵はきわめて具象的にも関わらず歴然とした署名性を持ち、一瞥しただけで彼女の作品であるとわかる表現の強度がある。
    彼女はほとんどの場合、線描に青と赤の濃淡だけで描く。
    色を絞り込むことで焦点もまた絞られ、訴求力が高まっている。
    《Gruond Zero》(2022)は、そんな彼女の表現手法が余すところなく発揮された大作である。
    丸木美術館やギャラリーQでの驚きが、より規模の大きな美術館の企画展で再展示され、広く多くの眼に触れていることが嬉しい。

    広島市立基町高校の生徒たちが描いた原爆の絵に関しては、芸術の文脈ではなかったので触れない。
    被爆体験を描くという課題が、再現映像を制作するかのように行われているならば「そういう授業である」という以上の意味を付す必要はないだろう。

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