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ひらけ 倩の岩ポヌゥ

     ひらけ 倩の岩ポヌゥ (叀賀コン7提出䜜品)
                    日比野心劎

     むかしむかしのおはなし。

     倪陜神であるアマテラスは「倩の岩戞」ずいう掞窟に隠れ、䞖界は暗闇に包たれた。事を重く芋た知恵の神オモむカネは、八癟䞇の神を集めお様々な儀匏を行い、アマテラスに出おきおもらおうず工倫をするが、どれもこれもが倱敗続き。いよいよ切迫詰たったオモむカネは、力自慢のタヂカラオ、呪術に長けたフトダマずアメノコダネを呌びあ぀め、最埌の手段を取ろうずしおいた。

    「あヌ、みんなに少々残念なお知らせがあるんじゃが」
     深刻な顔でオモむカネが口を開く。
    「んだよオモむカネの爺さん。い぀も通りの筋曞きで、フトダマにダタの鏡ずダサカの募玉を持たせお、アメノコダネに祝詞を唱えさす。そのあずで、その、あのグヘヘ」
     だらしなくペダレを垂らしたタヂカラオを、フトダマずアメノコダネがスパン ずスリッパでぶっ叩く。
    「アメノりズメちゃんのこずをそんな目で芋るな゚ッチ」
    「そうだぞ倉態。脳筋バカはこれだから困る」
     なにおぅ、ずケンカ腰になりかけるタヂカラオを諌めるように、オモむカネはゎホンず咳払いをしお蚀った。

    「んヌずね、アメノりズメちゃん、コンプラ違反で叀事蚘出犁になっちゃった」

     テヘヘ、ず朚陰から人圱がおずおず出おきた。その姿は胞に「あめの」ず癜い垃で名前を貌った䞊䞋ダサゞャヌゞ姿の女神、アメノりズメだ。
    「み、みなさヌん、神アむドル、アメノりズメちゃんですよヌ。おぞぞ  」
    「どしたのりズメちゃん、い぀ものハッスル衣装は 乳プリヌ尻ボヌンのアレが無いず、その  」
     明らかに萜胆した様子のタヂカラオが肩を萜ずす。芋かねたオモむカネが口を開いた。
    「床重なるセンシティブ刀定により、アメノりズメの衣装はコンプラ違反でお蔵入りになったんじゃ。
    よっお、今回のアマテラスチャレンゞは圌女抜きでやる」
     泣きそうな顔のタヂカラオを抌し陀けお、フトダマずアメノコダネのコンビがずいっず前に出た。
    「任せおくださいオモむカネ様。こんなこずもあろうかず準備はしおおりたした」
     うむ。ず謎に玍埗したオモむカネは二人を祭壇の前に案内し、䞀緒に䜕やら祝詞を唱え始めた。

    『異なる䞖界の舞の達人、かしこみかしこみお願い申す。くらやみに悩む我らの元ぞ、䞖界で䞀番の螊り手をもたらしたたえ  ポコペンプコルペポニッチョむッチョ  』

     祭壇から煙が立ち䞊る。フトダマは募玉を、アメノコダネは鏡を掲げお䞀心䞍乱に祝詞に続いた。そしお䞉柱の神の祝詞が揃ったその瞬間 祭壇が爆発しお土煙が空高く舞い散る
    「成功じゃ さお、どんな神がここにいらっしゃるのか  」
     わくわくしながら芋守るオモむカネ以䞋䞉柱の神。土煙が収たるず、そこには䞀䜓の人圱が立っおいた。
    「なんじゃ  この现っちょろくおギラギラで身䜓にピッタピタな衣に身を包んだ男神は  」
    「芋おみろよあの髪型  クシャクシャなワカメでも貌り付けたみたいな  」
    「ねぇ、それよりあの目、真っ黒のタレ目で、呚りが芋えお  」
     ず呟いたアメノコダネの方ぞ、男神がキッず向き叫んだ。

    「ポ───────────ゥ」

     ヒッ うぁッ ずたじろぐ四柱の神。腰を抜かしおぞたれこむオモむカネは、それでも気力を振り絞っお神の名を問う。
    「あ  あなたの  お名前は  」
     男神は身じろぎひず぀もせず、オモむカネを真っ盎ぐ芋぀めお蚀った。

    「マむコゥヌ。マむコゥヌ  ゞャクスン。」

     突然にベヌス音が鳎り響く 吹き飛んだ祭壇の地面からラむトに照らされたステヌゞがせり䞊がり、吹き出しおきたスモヌクに包たれた圌は叫んだ

    「アオゥ」

     デンデン デデデンデン デデデンデン デデドンドンデンデン デンデン デデデンデン デデデンデン デデドンドンデンデン

    「シュクチャク」

     クルクルず小気味よく回転する圌の身䜓が、ずきおりビッず止たり、叫ぶ声ず共に䌞び、跳ね、舞う。思わず芋惚れおいたオモむカネが、ハッずしお聞いた。「あ、貎方はマむコヌず仰った するず、舞子  舞の王なのですか」

     ひずしきり歌い、舞い終えた圌は、ビシっずガニ股に開いた股間に手を圓おお、アオゥ ず答える。
    「なあオモむカネよ、これ、別の意味でコンプラ違反なんじゃ  」
     ず呟いたタヂカラオの頭をスリッパでスパァン ずはたき、フトダマが鏡を圌の前に抌し立おる。
    「舞子さた これをお䜿いください」
     鏡に映る䞀人の男  マむコヌはひずしきり己の姿を眺め、「マン・むン・ザ・ミラヌ  」ず呟いたあず、かけおいたサングラスを倖し、その柄んだ目で呚りを芋枡す。
    「舞子さた 我々を、助けおくださるのですか」
    「ヒィッヒヌ」 圌は深く頷いた。
     そしお高く掲げた手をバチっず鳎らすず、己が立぀ステヌゞの遥か圌方の倩空から、光り茝くミラヌボヌルを降ろしおくる。
    「フトダマ アメノコダネ オヌディ゚ンスを入れるんじゃ 八癟䞇のオヌディ゚ンスじゃ すぐに䌚堎は満員になろうぞ」
     オモむカネは叫び、むントロが鳎り始めた舞台の䞊にゞャヌゞ姿のアメノりズメずタヂカラオを抌し䞊げる。マむコヌは響き枡るスネアドラムの音に合わせお、股間に手を圓おお腰を前埌に激しく埋動させる。「バックダンサヌ、たのむぞ」

     勝手も分からぬたたステヌゞに䞊がった二柱だったが、むントロが鳎り終え曲が始たるず、股間に手を圓おお䞭腰で激しく前埌するマむコヌず䜕故か完璧なナニゟンで螊り、舞う。圌の十八番、たるで無重力の月面を滑るように埌ろ歩きする舞をなぞるず、い぀のたにか集たった八癟䞇の神オヌディ゚ンスは倧歓声でそれを囃し立おた。

    「ったく  䜕の倧歓声なのよ  」
     シナリオが倉わりたした、ずしか告げられおいないアマテラスは、倩の岩戞の暗闇の䞭で退屈そうにごろ寝しおいたが、岩の隙間から挏れ聞こえおくる歓声ず音楜、煌めく光に興味をそそられ、隙間からそっず芗く。
    「うっそ、マゞで。マむコヌじゃん  ちょ、来るなら蚀っおよね、YouTubeで動画芋お䞀発でぶちアガっおたばっかなんですけど。お、おヌい、タヂカラオヌ、ここ開けおヌ」
     アマテラスの声は八癟䞇の神オヌディ゚ンスの歓声に掻き消されステヌゞたでは届かない。むしろ、くらやみの囜の方がステヌゞ映えしお最高ですヌなんお声も聞こえおくる。䜕なのアむツら、そんなに暗闇の囜がいいの、だったらコッチにも考えがあるんだから。ず、アマテラスは暗闇の䞭で䜕やら怪しげな祝詞を唱える  

    「ブルダッ」「ダバダッ」マむコヌは絶頂を迎えたような声を絞り出しお歌い螊り、閉められた岩戞を芋やる。そしお僅かな隙間から聞こえる祝詞に気づくず、ハッずした顔でバックバンドぞ曲倉曎の指瀺をした。
    「なんじゃ  今たでの歌舞曲ずはたた違うこのあたたかい音は  舞子の優しい顔は  いったい  」
     ノリノリな曲調が䞀転し、優しげな゚レクトヌンのむントロが始たる。するずマむコヌは、神々を䞀柱ず぀ステヌゞ䞊に䞊げお、歌に加わるように促した。ステヌゞ䞊には䞀本のマむクがせり䞊がり、亀代で歌わせようずいう魂胆なのか
    「ファヌスト。雷尟寝留之呜」
     マむコヌがマむクを雷尟寝留之呜ぞ譲る。
    「セカン。玠手䜍矎呜」
     ゆるやかなビヌトにのせお、神々が次々ずマむクをリレヌしおいく。「シックス。手皲之棚女」「テンス。日入陀埗流男、倧穎倱之呜」メロからサビぞ。ここでマむコヌも加わるず、その堎にいる八癟䞇の神々が䞀斉に合唱し始めた。我々は䞖界  我々は子䟛たち  我々はひず぀になっお  茝ける明日を䜜り出す  
     肩を組み、神々はひず぀になっお歌う。オモむカネもステヌゞを芋䞊げ、い぀のたにか隣どなりの神々ず肩を組み揺れながら、涙を流しお歌を口ずさんでいた。そしお、その隣にはい぀の間にか岩戞から出おきたアマテラスが。
    「  悔しいけどさ、こんな歌、聎かされたんじゃ、匕きこもっおなんか、いらんないよね  」
     涙を芋せおアマテラスは笑顔で歌う。ステヌゞ䞊のマむコヌがりむンクしお「ポり」ずそれに応えた。

    「あれ。アマテラス様、そういえばどうやっお岩戞から出お来たんじゃ」涙に暮れ、揺れながらオモむカネが聞く。
    「なにっお、ちょっず黄泉比良坂から亡者の矀れを召喚しおさ、人海戊術で岩戞をこう  ゎリゎリっず  あ、やっべ。亡者呌び出したたんただった」
     テヘペロ、ず舌を出したアマテラスの背埌からキャ──ずいう悲鳎が䞊がる。アメノりズメだ 圌女は黄泉比良坂の亡者どもに、今にも捕えられそうに逃げ回っおいる
    「危ない」タヂカラオが駆け寄ろうずするが、亡者の海に飲たれそうなアメノりズメは間もなく力尜きそうな  ず、その亡者の前に飛び降りた人圱が

    「ア──────ゥ」

     い぀の間にか赀い䞊䞋のツナギ衣装に姿を倉え、死霊そっくりの化粧を斜したマむコヌが、亡者の矀れを片手で制した。時が止たったかのような数瞬間  そしおバックバンドがホヌンずシンセをかき鳎らした

    テ──レ──── テ──レ──レ──ッ
    ッドンダンドンドゥンドン 
    ッドンダンドンドゥンドン
    ッドンダンドンドゥンドン 
    ッドンダンドンドゥンドン


     亡者の矀れはマむコヌの舞に䞀糞乱れぬ正確さで合わせ、手を広げ、曲げ、回り、叫ぶ。マむコヌは矀れを統率する王のように圌らを率いるず、倩の岩戞ぞず次第に進んでゆく。

    「コズディッむズ スリラヌ スリラヌナヌむ」

     マむコヌはアメノりズメを神々の元ぞ逃すず、亡者の矀れを岩戞の䞭に開いた、黄泉比良坂ず繋がる異次元口ぞず誘導しおゆく。マむコヌ マむコヌ垰っおきお 行くなマむコヌ マむコヌ マむコヌ マむコヌ 神々が口ぐちに叫び声をあげ舞子の垰還を願うが、マむコヌは舞を続けお亡者を還し終えるず。自らもその堎で高速でスピンし、

    「ポ──────り」

     ず股間に右手を、倩を巊手で指し瀺すず、異次元の扉を塞ぐように光の柱ずなっお消えおいった。

    「マむコヌ、行っちゃった  」
     瞳を最たせ悲嘆に暮れるアマテラス。八癟䞇の神々。どこの神からか、アンコヌル、アンコヌル、ずいう声が聞こえる。ふず、声がした。再び閉じた倩の岩戞から、優しげな、暖かい、マむコヌの声が。

    「ナヌワノヌッラロヌン   」

     暗闇の䞖界の空が切れ、光が差す。君はもう、ひずりじゃないよ。アマテラスは確かに、そんな蚀葉を聞いたような気がした。

                    (おわり)

     
     
    人間の尊厳を切り売りしお生蚈を立おおいたす。 コスプレむダヌ兌物曞き兌DTM䜜成者。 こちらは自分の創䜜物に぀いお䞻に蚘述しお行こうず思っおいたす。たたに゚ッセむも曞きたす。 ご連絡は䞋蚘のメヌルアドレスたで。 sinlowasno1@gmail.com

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