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ショートショート「未練配達人」※毎週ショートショートnote5/31お題

     「お、お前は……死んだはずじゃ!ぎゃあああ!」
     
     ぐずぐずと。
     闇色の沼に沈みながら肉塊へと変わってゆく。
     男だったものは、『彼女』と一つになる。
     男の姿が見えなくなった頃、沼から目玉が覗いている。

     『ありがとう…』

     男とも女ともつかない、古いカセットテープのような声が響いた。
     たったそれだけが、報酬だった。
     彼女の未練は、これで解消された。
     
     もう、十年になるか。
     怪異たちの、怪異となった所以。
     その未練なるものを、私が『配達』するようになったのは。
     未練は、いずれ達するものだ。
     だから、私は届け続けている。

     「や、やだ」「貴様だけは…」「お母さん、痛いよ」「一緒に…」「ぎゃははははは」「遠い…遠いよ…」

     この世には未練が多すぎる。
     届けても届けても。
     だから………

    ***

     『本日、未練配達人の◯◯が、預かっていた未練を配達せずに投棄したとして、逮捕されました。「だって面倒じゃん」などと容疑を認めており…』




     


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    短歌 / 自由詩 / ショートショート/連載小説 書きたいものを好きに書きます。 どんでん返しに疲れたあなたに、奇をてらわない、静かで優しいテイストを。 私の作品は、多分、全てフィクションです。 転載可。著作権は放棄していません。 点数評価と画像生成にのみAI使用。

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