
歳月【短歌7首】+ひとこと解説つき
1
休職を心に決めて眠れない今の気分に馴染む朝焼け
2
好きだとか愛してるとか考えずここにいるねと想える、今は。
3
切れはしになりたい君が生きてゆく道のすべての石になりたい
4
空腹にこの世に軽く思わされまず流されてゆくわたくしが
5
天国のレジスターにてピッされるポイントカード「輪廻転生」
6
さくらんぼ あかい実はじけたあの日からあなたが宙にきらめいている
7
あなたとはこれから長い付き合いになると思った しろい紫陽花
◯
1
休職を心に決めて眠れない今の気分に馴染む朝焼け
もしかしたら数ある眠れなかった夜の中ではあかるい夜かもしれない。眠れなかった苦しさは残るけれど、状況を変えようという強い気持ちが詠み込まれているように思う。マーブルな朝焼けを見つめながら、じぶんの思いもまた見つめて、職場へ向かうのだろう。
2
好きだとか愛してるとか考えずここにいるねと想える、今は。
明確で分かりやすい想いを持つよりも、今は存在することの安心感やぬくもりに気持ちが移ろっているのだろう。「ここにいるね」の「ね」に心配りというか想いの対象と適切な距離をとろうとしているのを感じる。
3
切れはしになりたい君が生きてゆく道のすべての石になりたい
「切れはし」も「石」も取るに足らないもののようにも思えるけれど「すべての石」となると話が少し変わってくるように思う。「君」の行く先々で踏まれ蹴られする「すべての石」の存在感ははっきり言って煩わしい。そうまでして「君」の先々に存在したい想いは、軽くはないなと思う。
4
空腹にこの世に軽く思わされまず流されてゆくわたくしが
「空腹」の時は我が身が「軽く」思えてくることがままあるように思う、矢継ぎ早に「この世」からも軽んじられているかのようにも感じられたりする。存在の重しをうしなって「流されてゆくわたくし」が儚い。
5
天国のレジスターにてピッされるポイントカード「輪廻転生」
もしもたましいがポイントカードを持っていたらおかしいかもなと思って詠んだ歌。事務的にレジを通される感じが切なくもある。
6
さくらんぼ あかい実はじけたあの日からあなたが宙にきらめいている
「あかい実はじけた」懐かしい。タイトルだけ覚えていて、詠んだ後どんな話か調べてしまった。とても素敵な話だった。(「さくらんぼ」はあくまでイメージです笑)
7
あなたとはこれから長い付き合いになると思った しろい紫陽花
「しろい紫陽花」は白紙のページのようで、すでに咲いている花でもあるので、「付き合い」の前途を祝う花として最後を飾ってもらった。
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