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志望理由書の「二度使い」禁止やで!ある大学の志望理由書をよその大学に使い回さないこと!

    〆野 友介

    更新日:2026/09/20

     小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、文章作成における基本事項を紹介するのが、このシリーズ【文章作成の基本】。

    (〆野の自己紹介はこちらから見られます。)

    作成した志望理由書を他の大学の出願に使い回さないこと

     タイトルは少しふざけていますが、いたって真面目なお話です。「ある大学に宛てて書いた志望理由書を他の大学の出願に使い回すのは厳禁」というのが、ここでのお話です。

     大学入試が多様化している昨今、出願に際して志望理由書を複数作成しなければならないという受験生も増えていると思われます。たとえば総合型選抜や学校推薦型選抜の公募制などは併願が可能です。ですから、並行して、複数の大学に宛てて志望理由書を作成するという状況になることは考えられます。その際に、面倒くさいからと一回作った志望理由書を使い回して他の大学を受けるときにも同じ志望理由書を用いる生徒がいます。これは絶対にNGです。

     「メインの進学の動機である将来の夢や目標も同じ。その実現に際して大学で学びたいことも同じ。だったら、志望理由書はほとんど同じ内容になるんじゃないの?」と考える方もいるでしょうが、だからと言って同じ志望理由書を使い回すことは絶対にやめてください。面倒でも、一つひとつの大学に宛てて志望理由書はゼロから作成するべきです。たしかに、メインの大学進学の動機である将来の夢やその実現に対して学びたいことは大体同じかもしれません。しかし、それをA大学で学ぶとB大学で学ぶとでは全く異なるはずです。進学先が変われば大学で学べることは大学によって当然変わるはずだからです。ですから、同じ志望理由書になるということは本来あり得ないのです。

     大阪の串カツの「二度づけ禁止」ではないですが、志望理由書は「二度使い禁止」です。そしてむろん、二度がダメなら三度も四度もダメです。その志望理由書は「その一回限り有効」と考えるべきです。

    使い回せるということはそれが「一般性が高く具体性に欠ける」内容だということ

     大体、複数の大学の出願に使える志望理由書ってどんな内容になると思いますか? それはきっと、どこの大学に対しても通用するような内容と言えるでしょう。だとしたら、それは「極めて普遍性や一般性が高い」内容の志望理由書ということになるはずです。どこの大学にでも当てはまるからこそ使い回せるわけですから、それはきっと、どこの大学でも共通して当てはまる内容であるということです。

     ということは、翻って言えばそれは「極めて具体性に欠ける」内容であるとも言えます。ある大学にしか当てはまらない内容が書かれている志望理由書だとしたら、それは別の大学を受ける際に使い回すことはできないでしょう。だとすれば、そうしたその大学にだけ当てはまる個別具体的な内容を極力避けた、それに踏み込まない極めて抽象的な内容となると考えられます。

     ここまでシミュレーションしてわかること、それは使い回せる志望理由書とは「一般性が高く具体性に欠ける」内容になってしまうということです。しかし、そうだとすると、それは志望先大学側に説得力をもって伝わる内容になっていると言えるでしょうか? どこの大学にも当てはまる内容であるとしたら、読み手(大学側)は「だったら、進学先はうちの大学でなくてもよいのではないか?」と当然考えるでしょう。なぜなら、どこの大学にも当てはまることなのならば、何もその大学でなくても、他の大学でもよいと考えられるからです。果たして、そんな志望理由書で志望校に合格をすることはできるのでしょうか?

    志望理由書はその大学に宛てたいわば「ラブレター」である

     そもそも志望理由書は、求められる内容や書かれる目的を考えればわかることですが個別具体的な内容によってまとめられる文章と言えます。たとえば、小説のように誰が読むかわからない文章であれば(ある程度の読者層を想定して書くとしても)特定の読み手に限定して発信することはできません。しかし、志望理由書の読み手は、「志望先大学の人間」であるとはなから決まっています。誰が読むかは、書く前からあらかじめ明白なのです。であればこそ、志望理由書はその志望先大学の人に宛てて書くものであり、また、それはその大学にだけ当てはまる具体的なものに言及せざるを得ません。そしてそうした類の文章である以上、その大学ではない、よその大学を受ける際にその志望理由書を使い回すなどということは全くあり得ないのです。

     たとえるなら、志望理由書とはその志望先大学に宛てたいわば「ラブレター」のようなものだと言えます。「私には将来こういう夢がある。この夢を実現するためにこういうことが学びたい。それを学ぶに際して貴学のこういう点が私にとって魅力である。だから、私は貴学に進学したい」、志望理由書はこういう内容のものであるはずです。「私はあなたとこうお付き合いしたい。私にとってあなたのこういう点が魅力である。ですから、私と付き合ってください」、簡単に言えば、こうしたラブレターと書いている内容は同じです。だとしたら、志望理由書を複数の大学の出願で使い回すのは、さながら誰かに宛てて書いたラブレターを他の違う誰かに出しているようなものです。果たして、その文面でその方とお付き合いできるでしょうか?

     それどころか、相手からそれを見透かされて呆れられるのが関の山でしょう。「顔がかわいい?スタイルがいい?やさしい?……どうせ他の人にも同じようなことを言っているのでしょう」と、その相手に見切られるはずです。いいですか? 「一つの志望理由書を使い回す」ということはこれをやっているも同然なんですよ?

     特にこれ、医学部受験生は気を付けてください。医学部は難関ですから、医学部受験生は数多くの大学を受けるはずです。しかも、国公私立、推薦一般問わず志望理由書を書かなければなりません。そのとき、どうせ自分が医師になりたい理由は同じなのだからと、面倒がって一回作った志望理由書を使い回さないようにしてください。内容から、それは絶対に相手(大学側)にばれます(特に面接試験でばれます)。もちろん、教科試験において高い点を得ることが最重要課題です。しかし、難関だからこそこういうところもぬかりなく行ってくださいね。

    (志望理由書は「出して終わり」ではありません。その後に、その内容をもとにして面接試験が行われることが大半です。志望理由書を雑に作れば、それは面接試験で痛いしっぺ返しを食らうことになります。)


    「志望理由書作成のことについての記事を、効率よく探して読みたい」という方には、こちらのサイトマップがおすすめです。


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    小論文・作文指導者|大学卒業後学習塾・出版社・予備校勤務を経て団体職員|副業で「中高生の小論文や志望理由書などの添削指導や採点評価」|趣味は創作とラジオ聴取、読書、酒|Amazon アソシエイト|原則週2~3回投稿 Xアカウント:https://x.com/su384617

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