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神ぞの煙から、矎をたずう文化ぞ①―叀代から䞭䞖の銙氎の歎史―


    フランス語の「perfume銙氎」ずいう蚀葉は、ラテン語の 「〜を通る」を意味するper ず「煙」を意味するfumumから成り、「煙のように立ち蟌めるもの」ずいう意味に由来するずいう。

    珟代の銙氎は身だしなみや嗜奜品ずしお芪したれおいるが、叀代の人々にずっお銙りは、神々ぞの捧げものでもあった。

    花の銙りが銙料ずしお利甚される以前から、乳銙、没薬、桂皮、甘束などの暹脂や銙蟛料が甚いられおいた。

    1.神々に捧げられた銙り

    叀代䞭囜、゚ゞプト、ギリシャ、ペルシャでは、銙を焚くこずは宗教儀匏の䞀郚だった。

    旧玄聖曞『出゚ゞプト蚘』30章には、神がモヌセに銙料の調合法を䌝える堎面が蚘されおいる。

    たた、シバの女王が゜ロモン王に倧量の銙料を莈ったずいう䌝承も知られおいる。

    叀代゚ゞプトでは、没薬やシナモン、むリスなどが甚いられ、銙りは祭儀だけでなく、身䜓や化粧にも利甚された。

    プトレマむオス朝の女王クレオパトラが銙料を奜んだこずは叀くから語られおいる。埌䞖の文孊䜜品では、その銙りが遠くからでも感じられたず描かれるこずがある。

    シェむクスピアの『アントニヌずクレオパトラ』には、圌女の船から甘い銙りが挂ったず描かれおいる。しかし、こうした逞話には文孊的衚珟や埌䞖の䌝承も含たれおいる。

    2.ギリシャ人ず銙り

    ギリシャ人は銙りを愛し、スミレ、バラ、むリス、クロッカスなどの花の銙りを奜んだ。

    衣服は銙りを移した箱に保管され、食卓の呚囲には匂い袋が眮かれた。ワむンに銙りを぀けるこずも行われおいた。

    はじめ粉末状だった銙料は、やがおオむルず混ぜられ、液䜓銙料ずしお䜿われるようになった。

    ギリシャでは甚途によっお銙りを䜿い分けおいたずいう。

    マゞョラム油は眉や髪に、ハッカは腕に、ダシ油は胞や口の呚りに䜿われた。たた、象牙を粉末にしたものは銖や膝に塗るずよいず考えられおいた。

    銙油や軟膏は「アラバストロン」ず呌ばれる小型の容噚に収められた。陶噚やガラスで䜜られたこれらの容噚は、珟代の銙氎瓶の祖先ずもいえる存圚である。

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    アラバストロンテラコッタ補
    玀元前550500幎頃
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    コアガラス補アラバストロン
    玀元前4䞖玀埌半から玀元前3䞖玀前半


    玀元前350幎頃のギリシャの詩人は、宎䌚で銙氎を぀けた鳩が攟たれ、その矜ばたきによっお客人に銙りが振りたかれたず蚘しおいる。

    ただし、これは叀代の蚘録に残る逞話である。

    3.ロヌマ人ず銙り

    銙料文化はロヌマにも䌝わった。

    圓初、銙料の販売は犁止されおいたが、やがお戊闘の前に兵士が銙料や軟膏を塗るこずも行われるようになった。

    ロヌマでは液䜓銙料、軟膏、粉末銙料の䞉皮類があり、身䜓だけでなく宀内や調床品にも銙りが斜された。

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    ロヌマ時代のガラス補容噚
    1侖简


    皇垝ネロは倧量のバラ氎を愛したず䌝えられおいる。

    たた、食堂の倩井に装眮を蚭け、銙氎や銙料入りの氎を雚のように降らせたずいう逞話も残されおいる。

    これらは叀代の蚘録や䌝承に基づくものである。

    銙りは神殿だけでなく、济堎や宎䌚、䜏居でも甚いられた。ロヌマ時代には銙りが宗教儀瀌のためだけでなく、日垞生掻の楜しみずしおも広く浞透しおいた。

    4.䞭䞖ぞ

    叀代䞖界で育たれた銙料文化は、ロヌマ垝囜の衰退ずずもに姿を消したわけではなかった。

    その技術ず知識は東方で受け継がれ、䞭䞖ペヌロッパぞず぀ながっおいく。

    西ロヌマ垝囜滅亡埌、西ペヌロッパではキリスト教の圱響が匷たり、銙りはしだいに䞖俗的な莅沢品ずしお譊戒されるようになった。

    䞀方で、教䌚の儀瀌では乳銙などの銙料が䜿われ続けおおり、銙りの文化そのものが倱われたわけではなかった。

    ロヌマ垝囜衰退埌、銙料生産の䞭心は再び東方ぞ移った。

    アラブ䞖界では調合法が受け継がれ、10䞖玀には怍物から銙りを蒞留する技術が発達した。

    十字軍を通じお、その知識は再びペヌロッパぞ䌝わった。

    14䞖玀に黒死病ペストが流行するず、人々は銙りに空気を浄化する力があるず考え、銙朚や銙料を身に぀けるようになった。

    銙りは単なる嗜奜品ではなく、衛生や健康ず結び぀いた存圚でもあったのである。
    䞭䞖に珍重された銙料の䞀぀がロヌズ・アタヌである。

    30グラムほどの銙油を埗るために、およそ100キログラムもの薔薇の花びらが必芁だったずいう。

    たた、銙りを長持ちさせるために、麝銙ムスク、竜涎銙アンバヌグリス、霊猫銙シベット、海狞銙カストリりムなどの動物性銙料も利甚された。

    こうした銙料は非垞に高䟡であり、銙りは富ず暩力を瀺す象城でもあった。

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    ビザンティン時代のガラス補銙氎瓶


    䞭䞖末期から近䞖にかけおは、銙りを持ち運ぶための小さな容噚も䜜られるようになった。

    写真のノィネグレットは、銙料や銙酢を入れお携垯するための道具である。

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    15䞖玀のノィネグレット
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    5.おわりに

    叀代䞖界で育たれた銙料文化は、ロヌマ垝囜の衰退ずずもに倱われたわけではなかった。

    銙氎の歎史は、単なる「よい銙り」の歎史ではない。

    神々ぞの捧げものずしお始たった銙りは、宗教儀瀌や医療、衛生のために受け継がれ、やがお人々が矎をたずう文化ぞず倉化しおいった。

    そしお、目には芋えない銙りを収めるために䜜られた小さな噚は、珟代の銙氎瓶ぞず぀ながっおいるのである。

     
     
    装身具を䞭心に、ものに宿る時間や意匠に぀いお曞いおいたす。 アンティヌクゞュ゚リヌ、コスチュヌムゞュ゚リヌ、玠材、技法、時代の気配。 「䜕でできおいるか」だけでなく、「どんな文脈の䞭で生たれたか」を芋぀めるための小さな蚘録。

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