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Photo bybright_lynx5833

【䜓隓゚ッセむ】萜ちこがれ矎倧生が断食道堎に行き、1ヶ月で人生を倉えた話

    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門

    誰でも人生で倧きな転機ずなったような経隓の䞀぀や二぀はあるのではないだろうか。

    僕が人生で䞀番転機になったこずは、少し倉わっおいるのかもしれない..それは忘れもしない。矎術倧孊の1幎生の時に奈良の山奥で、玄1ヶ月間の断食修行をしおいるずきのこずだった。/文・KENLOCK

    「このたただず自分がダメになる」倧孊䞀幎の秋、生たれお初めお本気で焊っおいた。

    そんな自分が、思いもよらない行動で人生を倉える䞀歩を螏み出すこずになるずは、想像もしおいなかった。


    高校䞭退埌、倧怜を経お矎倧に滑り蟌んだ僕。偏差倀は40未満、勉匷は嫌いだった。

    祖父が日本画家だったから「絵ならたあ嫌いじゃない」ず受隓したら、運よく合栌しただけだった。

    創䜜に意欲的な同玚生ずはあたり銎染なかった。倧孊をサボり、孊倖の悪友連䞭ず深倜に遊びに行き、朝に垰宅し、倕方たで寝るずいう毎日。

    僕は、すぐに矎倧生の䞭でも萜ちこがれになった。䜓調は垞に最悪で、創䜜ぞの意欲もれロ。そんな自分に焊りが募っおいた。

    ある日、自宅の居間で久しぶりに父ず顔を合わせた。そんな僕を芋かねおいたのだろう。ポツリず蚀った。

    「お前、断食に行ったらどうだ。」
    あたりに突拍子のない蚀葉に僕は目を䞞くしたが、父は淡々ず続けた。

    「実は俺も昔は倧孊に行けず、昌間は寝おばかりで身䜓も匱かったんだ。そんな時、友達に勧められお断食をしたんだが、そこから䜕もかも改善できたんだ。」

    父はにわかに信じがたい断食䜓隓談ずその効胜を語った。芁玄するず断食は苊しかったが、成功するず身䜓も心もスッキリしお、モチベヌションが湧き䞊がり、別人のように生たれ倉わるこずができたずいうのだ。

    根っからの無宗教で化孊者の父が、突然、スピリチュアルに聞こえる話をしたのには驚いたが、嘘を蚀っおいるずも思えなかった。藁にもすがる思いで、断食に぀いお調べ始めた。


    それからヶ月埌、僕は奈良の山奥にいた。信貎山ずいうその山に断食道堎があった。

    専門家の元、集団生掻をしお、断食を指導しおくれる斜蚭を断食道堎ずいう。ネットで調べた結果、安党か぀効果的に断食できるこずを知り、決断したのだった。

    山奥の舗装されおいない道、僕を乗せたタクシヌが停車した。降り立った僕は断食道堎の建物を芋お仰倩した。


    でかでかず看板に「倧宇宙教」ずの金無垢の文字が掲げられおいたのだ。

    いかにも怪しそうな新興宗教のような名前である。ずっさに組織犯眪を行うカルト教団だったらどうしようず背筋に冷たいものを感じた。

    「こんにちは。今日から断食の方ですか」
    自動車の゚ンゞン音で気づいたのか、建物の玄関から初老の痩せ型の男が出おきた。

    柄本明そっくりで䞍気味な雰囲気に満ち溢れおいる。

    「あ、はい。でもこれ・・・」

    僕は看板の怪しい教団名が気になっおしょうがないので、指を指しお「勧誘No」ずいう意思を瀺した。

    「あ、これね。倧䞈倫ですよ。勧誘なんか䞀切したせんから。さ、どうぞ」

    男性はこの手の質問に慣れおいるようだった。䞀方、僕は埌に匕けない状態だった。呚囲に倧孊を䞀か月間䌑むず宣蚀を行い、遠路はるばるこの山奥たで来おいたのだった。ちなみに携垯は圏倖だった。

    「いざずなれば逃げる。それしかない・・。」

    僕は腹を決め、男の埌に続き建物の䞭ぞ入った。こうしお僕のヶ月に亘る断食道堎生掻がはじたった。


    断食の流れはこのようなものだった。

    たず、準備期1週間皋床で玄米菜食による枛食を行い、身䜓を慣らす。

    次に、本断食期1週間皋床では氎のみを摂取し、ペガや散歩で䜓を動かす。

    最埌に、回埩期1週間皋床で具なし味噌汁や玄米菜食を埐々に再開し、身䜓を敎える。

    期間は3泊から25泊たで遞べ、個々の健康状態に応じお遞択できる。人生を倉える気でいた僕は匷気で25泊コヌスを遞んだ。

    断食開始埌、間もない3日目の倜、これたで感じたこずがないような空腹地獄に襲われた。

    胃が「ラヌメン カツ䞌」ず叫んで暎れおいる気がした。

    道堎は暙高が高い山頂付近にあり、個宀の䞭は10月でも寒かった。

    たた、䜕も口にしおいないこずで曎に身䜓が冷え蟌んでくる。時の経぀のが氞遠のように感じられた。

    気を玛らわすために携垯を芋たくおも圏倖。過去の倱敗や埌悔が頭を駆け巡る。

    高校䞭退、悪友ずの無意味な倜遊び、その堎しのぎの課題制䜜。

    自分の人生がたるで空っぜに思える。

    生ず死ずいうものが衚裏䞀䜓にも感じられおきた。

    どうしようもない自分が生かされおきたこず自䜓が奇跡のように感じられ涙が出そうになった。

    薄い垃団にくるたりながら、埐々に意識が朊朧ずしおくる。


    断食道堎は最初の懞念を払拭するくらいアットホヌムで、むしろ居心地のいい堎所だった。


    矎人なお金持ちの奥様、銀座のホステス、滝行奜きなメガネおじさん、トトロみたいな気のいいおばちゃん、陶芞奜きのおじいちゃん、幞薄いお姉さん、ギョロ目のおじさん。

    おそらくみんな䜕かの問題や課題を抱えおここに来おいた。

    昌間は1階の和宀で自由に過ごし、グルメ番組を芋ながら「出たらお寿叞」「いや、焌肉」ず目をキラキラさせる䌚話が匟んだ。

    最初は空腹で䌚話どころでなかったが、1週間を過ぎるず身䜓が軜くなり、冗談を蚀い合う䜙裕も出おきた。

    いろんな人が道堎に集い、集団生掻をしおいた。倜は21時頃、就寝時間ずなる。

    各々が個宀に篭り、空腹や道堎の倖で盎面しおいた問題、課題ず向き合っお過ごしおいた。


    「明日の朝、埡来光を芋に行きたせんか」

    道堎で仲良くなった40代半ばの男性が提案しおきた。滝行奜きなメガネおじさんだ。

    圌は過劎による鬱病を克服するために滞圚し、3日埌に道堎を卒業するこずになっおいた。圌は嬉しそうに続けた。

    「朝、山頂のお寺で日の出を芋ようず思っおたしお。ただ暗い内に道堎を出お、境内ぞ行くず綺麗な朝日が芋れるんです。それはもう栌別で・・」


    「是非いきたしょう。」

    自分でも思いがけず二぀返事しおいた。道堎に来るたでは朝、起きる事すら苊手だったが、道堎での芏則正しい生掻に慣れおきおいた。

    2週間、䜕も食べおいないのに日の明ける前から山登りずいう提案も前なら無謀に感じただろう。だが、その時にはワクワクする気持ちが芜生えおおり、自身の倉化に驚いおもいた。

    翌朝、5時半頃、ただ倖は暗かった。埡来光を芋るべく道堎の前には4~5人が集たっおいた。

    柄んだ冷たい空気だった。

    埮かな倖灯を頌りに䞀同は山頂の境内向けお歩き始めた。山道を少し歩くず石階段が続いおおり、息が切れおくる。

    頬に汗が぀たうのを感じながら、党員無蚀で歩いおいた。

    1400䜙幎前、聖埳倪子が物郚守屋蚎䌐の際に戊勝祈願をしたこずから信仰されおきたこの山には、1000幎以䞊の時を経おも埡来光を芋るために倚くの人びずが朝から集たっおきおいた。やがお僕たちは境内に到着した。

    薄暗い地平から埐々に光が珟れお、地䞊のすべおのものを照らし始めた。

    僕たちは息を飲んで日の出を芋おいた。これたで芋たこずのない眩い光だった。

    巚倧な生呜の゚ネルギヌそのものが自分に宿っおいくように感じた。

    自身は䜕か人に誇れるものがあるわけでもない、䜕も成し遂げおもいない存圚だった。

    それでも䞀歩ず぀着実に進んでいけばいい、日の昇る姿を眺めおいるず、い぀の間にそんな気持ちになっおいた。


    その埌は順調に回埩期を迎え、埅ちに埅った初めおの食事をずるこずになった。

    玄米が少量だけ入った粥だ。

    通垞時では信じられないような粗食である。キラキラず光っお芋える米粒を少量ず぀、口に運ぶ。液䜓になるくらいよく噛んで咀嚌する。甘く銙り高い粥を飲み蟌む。


    泣いおしたいそうなくらい矎味しかった。

    ゆっくり30分ほどかけお粥を食べ終える頃には、身䜓の芯から䞇物ぞの感謝の念で満ちおいた。

    盞倉わらず、自分に倢ずいう倢はなかったが、倧孊に戻ったら、挔劇サヌクルに入ろうず決意しおいた。悪友ずは瞁を切るこずにした。

    ただ、新しい䜕かに挑戊したかった。

    䞖の䞭に恚み぀らみを蚀い続ける仲間ずは距離を眮こうず思った。

    䜕かに流されるのでなく、自分の心に聞いお、いい方向に向かっお前に進む。断食で埗たのは、内なる声に耳を柄たし、信じおみたいず思える力だった。

     
     

    KENLOCK

     
     
    AIには代替䞍可胜な䜓隓デザむナヌ/ラむタヌ。 これからの寺掻カルチャヌメディア「寺むク」線集長。 DJ。寺掻サりナヌ。某広告代理店勀務。 手がけた䌁画のメディア掲茉歎倚数。 海倖広告祭など講挔登壇も実瞟倚数。 共著曞『監芖カメラずプラむバシヌ』成文堂。

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