
耳垢に聴かせたい音楽
5月9日(土)/まだ間に合う?
まだ間に合う母の日!という広告で母の日を思い出す。何か贈りたいなと思いながら引越しの荷造りに追われて忘れていた。急いで明日到着可能な商品にしぼって検討する。意外と商品数が少ない。そりゃそうだよね、母の日ってことで臨時で発送業務してる会社に限られるだろうし。探し続けた結果、和風パッケージが綺麗な奈良のおかきアソートを贈る。翌日、受け取った母から「明後日の大腸検査まで食べられないけど、ありがとう」のライン。
さてと、引越しの荷造りに本腰を入れる(おっそ!!!!!!!)違うの聞いて。粗大ゴミに出さなきゃいけない家具や家電が多くて導線が悪く、荷造りを始めにくいんだよ。GW中に片付けとけよって話だけど、夫婦そろって直近にならないと本気出せない性分。しゃーなしちょっとずつ箱詰めしてくけど、まだ間に合う?
メルカリでSwitchが売れた。
本日の副収入:¥14,450
5月10日(日)/キャットウォークの恨み
朝からデパートに並ぶ。
オープン同時に入店、目当ては羽二重くるみ。これは妻の衝撃を受けた和菓子ランキング首位の商品で、ようやく近くのデパートで本日限定販売となった。初めて食べた羽二重くるみの感想は、普通。別に普通。そんなに感動する?って思っていたら、じわじわ深みが重なってくる。ひとつ食べ終わる頃には地味ながら独特な食感と甘味を好きになってる。なんとも風雅な体験だった。
新居にて業者と立ち会い。
来週からここに住むのか、、、ゆったりとした雲の流れを見つめながら、未だ把握できていない荷造りの作業量が脳裏をよぎる。あの雲、近くで見たらえげつないスピードで動いてるんだろうな。遠くからだと平和に見えるんだよな、どんなことでも。
新居にはキャットウォークを作ってもらったが、一部仕上がりに疑問が残る。床から天井にかけて五枚の板(ステップ)が設けられており、続く天井にキャットウォークが伸びている。ここで疑問なのは、キャットウォークに乗るための通り穴が最後のステップの頭上に設置されていないこと。つまり猫としては、斜め上に飛び乗る必要がある。また真下にステップがないので踏み外せば落下する。頭上に通り穴があれば真上に飛び上がる単一運動だけで済む。ナンセンスな設計。起点となるステップの位置を逆にすれば最後のステップが穴の真下にくるので解決するんだろうけど、いまさら案件。こういう大事なことは相談しろよな。というかキャットタワー施工なんて何度もやってるだろうし、分からないならリサーチくらいするだろ。ああ、約1年ぶりの三田製麺うまい。
5月11日(月)/親鳥のまなざし
ジモティーでガスコンロの受け渡し。
予定時刻の5分前、一台の車が駐車場に入ってきた。肥満のダックスフンドみたいなハイエースから降りてきた一人の男性。受け渡しのとき車内には大量の家具や家電が見えた。不用品回収業者?確かにこの人、ジモティーのチャット欄でのレスポンスが異常に早かった。業者のスピードだった。
本日の副収入:¥3,000
その後、妻と行きつけの居酒屋へ。
近くまで行かないと営業しているか分からない控えめな店構え。入店すると田舎のおばあちゃんちを思わせる居心地のいい空間。5年間、通い続けたこの居酒屋とも今日でお別れ。この居酒屋は焼き鳥はもちろん、たこ焼きが絶品。異次元の美味しさだ。マスターやママの人柄もいい。鴨居に飾られた家族写真には昔のマスターが写っている。ママと出会った頃、子供が生まれた頃、その人柄が現れた優しい顔立ちのマスターが今も変わらず厨房に立っている。炭火に燻されながらも柔和な笑顔で焼き鳥を転がす姿がたくましかった。客と程よい距離感を保ちつつ、たまに野球の話になると目を輝かせて語り始めるのが可愛かった。
そして前述した絶品たこ焼きの調理担当はママ。淡々と業務をこなす彼女が、テレビを眺めながらふと見せる笑顔がキュートだった。テレビは基本的に野球中継が映っていたので、どこでツボったのかは分からない。珍プレーだったのだろうか。配膳中のママが通ると水槽の金魚が一斉に集まる。金魚も愛した絶品たこ焼きなのだ。
この夫婦には二人の子供がいる。店は家族経営で、たまに大学生の娘と高校生の息子が手伝いに来ていた。「学生やのに偉いねぇ」という客の労いに、堂々と「これも社会勉強です」と言える娘の勤勉さがマスターと重なる。子の巣立ちを見据える親鳥のまなざしに期待と哀切がにじむ。
会計後、私たちはマスターに手土産を渡した。
マスターは申し訳なさそうに受け取り、餞別を兼ねたお礼としてクッキー缶をくれた。ありがとねって。こういう上品な振る舞いや優しさを手本にしたいものだ。気がかりなのはマスターのヘルニア。無理せず営業を続けてほしい。来店の頻度は減るだろうけど、この店の味も人も大好きなのでふと思い出して会いに行きたいと思う。
クッキー缶には“White Castle”と書かれていた。白い城。ふふっ。偶然、私たちの新居は白を基調とした内装だ。白い棚に飾るとしよう。
5月12日(火)/耳垢に聴かせたい音楽
今日も荷造り。仕事帰りの作業は骨が折れる。
妻がヘッドホンで音楽を聴きながら箱詰めをしている。疲れたのかソファーにもたれると、おもむろに耳掃除を始めた。
なぜ一度、耳垢に曲を聴かせたのだろう。
いやそんなつもりはないのだろうけど、ちょっと待って。なるほど、そういうことか。耳垢の習性は知らないけど、事前に音楽を聴くことで出てきやすくなるのかも。床下に隠れた子猫をおびき寄せるチュールみたいなもので。やがて耳の入口に集まった音楽好きの耳垢たちがムーンウォークを踊りながら掻き出されていく訳だ。マイケル聴いてるやん。
考えてみれば「音楽を聴くこと」って「耳垢に音楽を聴かせること」でもある。人間のための音楽があるように、耳垢のための音楽もある。つまり当人の趣味とは別に、「耳垢に聴かせたい音楽」が存在する。話が脱線しているが何となく筋が通ってきたので戯言を続ける。
耳かきでいくら擦っても取れない、みたいな経験ありませんか。それはあなたとあなたの耳垢の音楽性の違いかもしれません。あなたがK-POPを好んでいても向こうは演歌好きかもしれない。耳垢の音楽の趣味なんて知らなかった、という人が大半です。たまには聴かせてあげてもいいのではないでしょうか、北島三郎。あなた自身も新しい発見があるかもしれない。まずは一度話し合ってみることです。あなたの耳の衛生のために。
5月13日(水)/荷造りハイ
さあ!今日も荷造りですよ!アート引越しセンターの0123が引越しまでのカウントダウンに見える。焦らすんじゃないよ、まったく。荷造りハイで変なテンションなんだから。詰めても詰めても荷物が減らない。浴槽いっぱいのお湯を手でかき出して空にするような果てしなさ。どうなることか。
7年間お世話になった洗濯機をジモティーで手放す。中古の限界みたいな洗濯機を実生活で使う人がいるのですね。不用だったランドリーラックも引き取ってくれて、非常にありがたい。
本日の副収入:¥3,000
5月14日(木)/80%
引越し前日。
荷造りは80%終わった。引越しは明日だというのにまだ80%。作業もそこそこに妻の実家から車を借り、新居へ。引越し作業中、猫の居場所を確保するため事前に猫のケージを組み立てておく必要があるからだ。
ここで私はやらかす。家財の運搬中、新居の姿見に傷をつけてしまった。駐車へ向かう妻を待たず、一人で運ぼうとしたことが原因。現在、傷の箇所にはけろけろけろっぴの絆創膏が貼られている。カエルを見るたびに思い出す、やらかし。
5月15日(金)/怒り
引越し当日。
ほぼ徹夜で荷造りをしたので何も覚えていない。気がついたら新居に大量のダンボールが置いてあった。誰が運んでくれたんだろう。
記憶があるのは昼過ぎに少し仮眠してからのこと。その夜、電気温水器が稼働しないことに気づいた。ありえない。調べると、試運転をしないと使えないことが分かり、さらに試運転は引き渡しまでに施工者が済ませておくべき作業であった。まじでなんなんだこのリフォーム会社は。何だったらできるんだ。呆れて物も言えない。ただでさえ引越しで疲労困憊なのに、汗だくの体を流せない超ビッグストレス。近くの銭湯に行く気力もない。とりあえずサイゼで飯。怒りでミラノ風ドリアの味がわっかんねえ。ボケの施工責任者にタワマン抗議文を送りつけ、眠る。
膨大なダンボールの量。いつ片付くか。数千ピースのジグソーパズルをバラバラにされて「さあ完成させろ」と言われている。
あとは土日の私たちに任せた。ぽくり。