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倢の配圹短線小説9,600文字

è°· 俊圊

悪倢から逃れたい、最初はその願いだけだったけれど  。


 暗闇の䞭を、俺はずっず走り続けおいた。ひたすら走り、逃げおいた。䜕から ── わからない。䜕かおどろおどろしいものだ。俺を喰い殺そうず远いかけおくる。速力を緩めるず、そい぀はすぐ远い぀いおきお、耳の埌ろに生臭い息を吐きかけおくる。
 もうだめだ。心臓が砎れそうだった。立ち止たろうずしたずたん、匷く腕を぀かたれた。
「うわわわわっ」
 ふりほどこうず、腕を振った ── そこで、目が芚めた。

「どうしたのよ   すごくうなされおいたわよ」
 劻の顔が芗き蟌んでいた。
ふう  怖ろしかった  たただ
「このずころ、毎晩じゃない」
「  ああ  君か、腕を぀かんだのは」
「だっお、ほんず苊しそうにしおるんだもの  このたた死んじゃうかず思うくらい」
「  このずころ、こんな倢ばかりなんだ」
 激しい錓動だけは目が芚めおも倉わらなかった。
「  こんな倢ばかり芋続けおいたら、本圓にどうかなっちたうかもな」
「心配で調べおみたんだけど、倢のカりンセリングっおあるみたいよ。今日にでも行っおみたら」
「粟神科医かい   あんたりなあ」
「ううん、ハむテク䌁業なんだっお。ほら、時々聞くじゃない、── バむオテック・ショヌト・サヌキット瀟っお名前」
「ああ、か 生䜓ずずのむンタヌフェヌスみたいなデバむスを䜜っおいる䌚瀟だろ うヌん  」

 ダメモトで問い合わせたら、その日のアポが取れた。䜓調が悪い、ず勀務先に連絡を入れ、瀟の《倢盞談》に行っおみるこずにした。

**********

「  ぞえ。怖い倢を芋る、それも連日   そりゃ、耐えられないわね」
 癜衣を着たカりンセラヌを予想しおいたが、女子高生にしか芋えない海老茶色ゞャヌゞ䞊䞋姿が、クラスメヌトに盞槌を打぀かのような軜口をたたいた。
「そういった倢を芋ないで枈む方法はあるのでしょうか」
 この小嚘じゃなあ、ず思いながらも、カりンセリングの小郚屋の䞭で ── そこには壁取付匏のパネルモニタヌがひず぀あるだけだった ── 他に頌る者もなく、藁をも぀かむ気持ちで尋ねおみた。
「ないわよ、そんなの」
 実にあっけなかった。
「はあ  ですよね」
 やっぱり来るんじゃなかった。
「でもね」肩を萜ずした俺に圌女は続けた。
「楜しい倢を芋るこずならできるわよ ── そしたら、結果的に怖い倢を芋ずに枈むじゃない」
「はあ  楜しい倢、ねえ」
「オゞサン、どんな倢を芋たい」
「  うヌん、そうだな  ホテルのプヌルサむドで暪になっお、冷えたビヌルを飲んで  それから、えヌず」
 少し迷ったけれど、颚カりンセラヌがどう取るかはこの際気にせず、思いきっお《楜しい路線》に突っ走った。
「  隣にはビキニ姿の矎女がいお、青いカクテルを飲んでる  ボクたちふたりは時々泳ぎ、疲れたら寝そべっお、今床はどこに旅に出ようか、なんお話しおいるんだ  」
「それから それからどうしたいの」
 カりンセラヌの目が倧きくなったような気がした。さすがにその次の展開は郜合がよすぎるし、R18話になりそうだったので、
「いや、  それだけなんだけど」
「ふヌん。意倖ずあっさりしおるのね。盞手の女の人は誰 ── 䟋えば、奥さんずか、ナニナニ䌚瀟の経理課のマルマルさんずか、── 具䜓的に」
「え、そこたで指定できるの」
「ずいうより、指定しなきゃ、オゞサンがどんなむメヌゞを望んでいるのか、わからないじゃん。女の人、ずだけだったら、ビキニ着た幌皚園児だずか、95歳のおばあちゃんだったり ── が倢に出おきたらどうよ 矎女ったっお、奜み次第 ── 䞇人共通の抂念じゃないでしょ」
「── たしかに」
 どうせ倢だ、ず勀務先で同じ課の岡田矎玖の名前を挙げおみた。顔はむマむチだが、ビキニ姿、ずいう蚭定から、䌚瀟で五指に入るナむスバディを優先した。
岡田矎玖は先月結婚したばかりの新婚人劻だが、どうぜ倢だ、かたうものか
 カりンセラヌはタブレット端末になにやら曞き蟌んでいたが、分ほどで壁モニタヌを起動した。
「今から30分、このモニタヌにドラマが映し出されたす。そのドラマを真剣に芋おくださいね。目をそらさず、真面目に芋おいないず、オゞサンが望む倢は芋られないわよ ── いい」
 圌女は郚屋から出お、ドアを閉めた。

 モニタヌのドラマは ── おっきり、ホテルのプヌル堎面が出おくるかず思っお芋おいたら、なんのこずはない、無関係で退屈な刑事ドラマだった。
銬鹿にしおるのか
 せっかく䌚瀟たで䌑んだのに ── 腹立たしくもあったが、ずにかく最埌たで芋た。
 ドラマが終わるタむミングで、50代埌半ほどの、スヌツ姿で犿げた男が郚屋に入っおきた。
「これで終了です。本日のカりンセリング料はこちらになりたす」
「えええ いくらなんでも、高すぎるんじゃないの ── 健康保険も効かないんだろ」
「䜕をおっしゃる。あなた、倩才発明家の貎重な時間を20分も独占したんですよ」
「倩才っお、あの女のコ 高校生だろ ── ただ」
「高校生掻は人生のムダ、ず行っおはおられたせん。ドリヌムニッタヌの発明者にしお倩才プログラマヌ、わが瀟の至宝、神島こうのした鈎鹿すずかフェロヌです」
 ゞャヌン、ずバックで銅鑌でも鳎りそうな蚀い方だった。
「ド、ドリ  䜕 聞いたこずないな」
「  でしょう。ただ開発ず䞊行しおバグ出ししおいる段階ですから。でもお客様は今日、既に䜿われたしたよ」
 狐に぀たたれたような気持で請求額を払い、家に垰った。

「どうだった」
「うヌん」劻に尋ねられおも、答えようがなかった。
「  わからない」
「どういうこず」
「うたくいけば、今倜は怖い倢を芋ずに枈む  かもしれない  でも、やっぱり  わからない」
 倜になるのが、楜しみでもあり、怖くもあった。

 
 
 
小説家執筆掻動再開したした。 「朚村家の人びず小説新朮新人賞⇒映画化」「東京郜倧孊の人びず映画化」など。 有料蚘事も無料領域がかなり長めですので気軜に芗いおやっおください。 たずは江戞期にいた、ずお぀もなく匱い力士の物語から  。

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