
「才能」という残酷な褒め言葉
マンボウやしろさんの書籍『あの頃な』。
芸人仲間を含めた業界人から絶賛されている書籍のようだ。
で、その「褒め言葉」の中にどうも気になる言葉が混じっている。
その単語とは…
「才能」
だ。
「昔から才能があった!」
「天才的なセンス(才能)だ!」
「素晴らしい才能だ!」
的に、やたらと「才能」を絶賛する言葉を目にした気がする。
ならば問おう…!
それほどの「才能」がありながら、
なぜ『お笑い芸人(カリカ)』として
売れなかったんだ?
超失礼だけど…【カリカ】としてお笑い芸人をやっている頃のやしろさんの「才能」が評価されている場面をテレビで一度も見たことは無いぞ?
ネタ番組によく出ていたわけでもなければ、番組のMCとして活躍していたわけでもない…。
お笑い芸人として…テレビタレントとして売れなかったから「コンビ解散→芸人引退」という道を選んだんだと思うし。
それなのに、お笑い芸人を引退して「タレント兼裏方」に回った途端、急に周りが
「あの頃から才能があると思っていた」
「俺(私)は才能があるって信じていた」
と騒ぎ出すのが非常に
気持ち悪い
と感じたわけで……。
そういう意味では、先日配信された西野先生の【Voicy】の「生き残れる場所を選べ」というタイトルがしっくりきたなぁ。
放送自体は「知識を仕入れる場所・情報収集する場所を正しく選べば、自ずと未来は見えてくる」というような内容だが。
マンボウやしろさんに当てはめると
「才能を生かせる場所を正しく選んだ」
ということになるんだろうか?
奇しくも…お笑い芸人としては大成することは出来なかったものの、【クリエイティブ職】に軸足をピボットしたことで、作家としての「才能」が開花し認められた…と。
お笑い芸人として【売れる】となると…
*リアクション
*トーク力(話術・エピソード内容)
*後輩力(かわいがられる・いじられる)
*賞レース用のネタ作り
の能力を最低ラインにして、そこに「インパクトのあるビジュアル」だったり等の「何か」がプラスされブレイクするんじゃないかと思っている。
例えば…個人的な感想になってしまうが、チョコレートプラネットさんが本格的にブレイクしたのって、IKKOさんのモノマネより、瑛人さんの『香水』のMVをパロったのがバズったことがキッカケじゃないのかな〜と。
そんな風に、何ていうんだろ…「時代に後押しされる」って感じだろうか?
本人のポテンシャルと時代が上手く噛み合うことで、スターダムの階段を駆け上がることが出来るような気がしている。
お笑い芸人時代は花開かなかった「才能」が、演出家・脚本家・作家(・タレント)という場所を変えたことで花開いた…。
(西野先生の話していたこととニュアンスは違うが)ステージを変えたことで気付いた「才能」もあるんじゃないのかな…と。
昔からの芸人仲間だから、仕事仲間だから、知り合いだから…などの理由でマンボウやしろさんのことを「才能」という言葉で片付けるのは、いささか残酷なんじゃないかと思った。
「才能」があるんだと知っていたなら、なんでもっと早く…。
本人がなりたかった「お笑い芸人」のうちに引き上げてやれなかったのか?
…とね。
著書を褒められるのは嬉しいかもしれないが、そんな「才能あったもんな」と言うんだったら、俺なら「じゃあ、なんであの時あの番組に呼んでくれなかったんだ?」と思ってしまいそうだ。
現役の…ポジションを争う立場にいたお笑い芸人たちは、同じ土俵で戦う選手じゃなくなったからホッとして…安心したポジションから「あいつには才能がある」と言っているのかもしれない。
なので、「才能」という言葉は非常に残酷な意味合いを含んでいると思った。
俺も「才能」が欲しかった。。