
【CHM】400年の寺はなぜ変われたのか? 築地本願寺を「改革成功の6条件」で検証した💡 0048 Case
💡この記事は、こんな方に向けて書きました
DX・AIを使って業務改革を進めている方
複数部門を巻き込む改革Projectを任された方
良い改革案を作ったのに、現場の抵抗で進まず困っている方
Change Managementを、実際の改革事例から学びたい方
PLS(Project Leading Skill)は、私が30年以上の企業改革の経験から体系化した、Projectを成功へ導くためのKnowledge体系です。
CHM(Change Management)は、その中で、良い改革案を「実行される改革」に変えるための考え方です。
今回は、400年以上の歴史を持つ築地本願寺の改革を取り上げます。
💡400年の歴史を持つ組織でも、本当に変われるのか?
業務改革では、よくこんなことが起きます。
計画は作った
経営者も「やろう」と言った
しかし、
現場が動かない
今までの仕事のやり方を変えたくない
途中でProjectが止まる。
私自身、コンサルタントとして約100件の改革Projectを経験する中で、成功したProjectと途中で止まったProjectには違いがあることに気づきました。
そこから整理したのが、
業務改革を成功させる6つの条件
です。
今回取り上げる築地本願寺は、さらに難しい条件を持っています。
なぜなら、企業ではなく、1617年創建、400年以上の歴史を持つ宗教法人だからです。テレビ東京も築地本願寺を「400年の歴史を持つ東京を代表する大寺院」と紹介しています。
その組織が、なぜ大きく変わることができたのでしょうか。
💡参考動画: コロナで変わる世界 築地本願寺が改革
下のYoutube動画で、元銀行マンの安永雅彦さんが、自ら改革を行われた体験を語っておられます (6分18秒)
💡私がこのCaseを取り上げた理由
私は、築地本願寺の改革について書かれた『築地本願寺の経営学』を読みました。
また2023年には、改革を推進された安永雄玄氏とお話しする機会もありました。
安永氏は銀行など民間企業での勤務を経て僧侶となり、2015年に築地本願寺の宗務長に就任しました。公式情報でも、築地本願寺は安永氏のもとで「開かれた寺」を目指して改革を進めたと紹介されています。
つまり、
長い歴史と文化を持つ組織に、外の世界を知るLeaderが入り、どのように改革したのか?
Change Managementを考える上で、非常に興味深いCaseです。
💡改革前、築地本願寺には何が起きていたのか?
元の記事では、改革前の状況を次のように整理しています。
Before
年間来訪者:約100万人
しかし、30代・40代など若い世代にとって、
「築地本願寺へ行く理由、行く機会、コンテンツが少ない」
という課題がありました。
さらにコロナ禍が襲います。
法要、お盆などの行事ができなくなり、元記事では対前年度比75%の収入減としています。
公式情報でも、コロナ禍で参拝者が激減し、収入に億単位の打撃があったこと、カフェやShopなどの売上も2019年度比で大幅に減少したことが報告されています。
宗教法人だから安定している、という状況ではなかったのです。
💡では、何を変えたのか?
築地本願寺は、単に「お寺を宣伝する」改革をしたわけではありません。
お寺と接点のなかった人にも来てもらう理由を作りました。
具体的に「Change」されたことを Before/Afterで比較しました。
Before 改革前
年間の来訪者は100万人強
30代・40代の若い世代にが、築地本願寺に行く機会・コンテンツがない
コロナで法要・お盆などの行事が出来なくなり、対前年度比75%収入減
After できたこと
18品の朝食を提供し、インスタ映えする人気の朝食に朝から行列
仮装大会を行うなど、築地本願寺来訪者は、2年で250万人に増加
コロナを機に、3密を避けるオンライン法要を始めたり、Youtubeで法話・法要を配信し、収入を回復
婚活を始め、出会いの機会をコーディネート
などで、30-40代の人々にお寺に来てもらうコンテンツを増やす

寺の本来の役割を捨てたのではない。
「人々とどう接点を持つか」を変えた。
💡コロナ危機を、DXのきっかけに変えた
さらに興味深いのが、オンライン法要です。
普通に考えれば、
「法要をオンラインで行うなんてあり得ない」
という反応が出ても不思議ではありません。
実際、築地本願寺自身も、法要のライブ配信を始める際には批判が出ることを想定していたと説明しています。
しかし2020年4月から法要のLive配信を開始
その結果、コロナ対策だけではなく、
健康上の理由で寺に来られない人
遠方に住んでいる人
にも利用されるようになりました。
現在も築地本願寺では、Zoomを利用したオンライン法要を正式なServiceとして提供しています。
これは、
デジタル化そのものが目的だったのではなく、「寺に来られない人にも寄り添う」という目的を実現するために、デジタルを使った
と見ることができます。
私はここが、DX プロジェクトと言える改革だと思います。
💡では、築地本願寺の改革を「6条件」で検証してみる
私が使っているChange Managementの6条件は、次の6つです。
H1 トップの強力なLeadership
H2 改革推進部隊にエースを
H3 改革の目標を明確に
H4 早く成果を見せる
H5 現場の抵抗には危機感を醸成
H6 古い企業文化には、何度もCommunication
今回あらためて、事実として確認できること/私の評価であることを分けて見てみます。