「わすれられないあなたへ─ 20の想い」【詩シリーズ⑤⑦】
『わすれられないあなたへ─ 20の想い』
わたしの名前を呼んだあなたの声が、
今でも耳の奥で、無防備に鳴っている。
誰にも真似できない音だった。
ふざけて笑った夜
そのときだけは、
世界のことなんてどうでもよかった。
あなたが沈黙するたび、
わたしの中の何かが、すこしずつ死んでいった。
冷たくされたことより、
優しくされた記憶のほうが、
今もずっと、わたしを苦しめる。
あのとき言ってほしかった言葉は、
結局、最後まで聞けなかった。
それでも待ってしまう自分がいちばんこわかった。
暴力よりも、
ごめん、の一言のほうが、
よっぽど残酷なときがある。
「守るよ」って言ったあなたの手で、
わたしは何度も壊された。
名前を呼んでくれたのに、
わたしを呼んだ“その意味”を
あなたはぜんぶ忘れてしまったんでしょう?
わたしだけが味方でいようとしたあの夜、
もうすでに何かが終わってた。
嘘をつかれたことより、
本当のことを言ってもらえなかったことのほうが、
わたしを傷つけた。
あなたが泣いた夜、
わたしは、「もう離れられない」と思った。
それは絆じゃなくて、鎖だった。
わたしが壊れていくのを、
あなたはずっと、見て見ぬふりをしてた。
助けるふりすら、してくれなかった。
本当はね、
あなたが先に壊れてくれればいいのにって
何度も願った夜がある。
あなたを恨んだことはある。
でも、本当に憎んだことは、一度もない。
それが地獄だった。
コンビニの駐車場で、
あなたが飲んでた缶コーヒーの香りだけが、
今も急にわたしを泣かせる。
“わたしだけのもの”にならなかったあなたを
責めることも、許すことも、
どちらもまだ、できていない。
やさしいあなたも、
怒鳴るあなたも、
わたしはずっと、ほんものだと思ってた。
だから逃げられなかった。
「あなたじゃなきゃよかった」
そう言えるくらいに、
忘れられたらよかったのに。
でも、「あなたじゃなきゃ無理だった」
そう思う瞬間は、今でもある。
息を吸うように自然に。
忘れられないって、美しいことだと思ってた。
でも今は、
消えない記憶が一番残酷だと思ってる。
忘れられないあなたへ
元気でいますか?
そちらの景色は何色ですか?
21番目の思いは
わたしがそちらにいったら
伝えます。
わすれられないあなたへ…
多分、愛してます…
大切だった人に、いまはもう届かない20の想いを綴りました。
思い出は優しさだけじゃなく、痛みや矛盾も含んで残り続けます。
忘れられないのは、美しさではなく、残酷さなのかもしれません。
最後に残した、21番目の想いは、まだわからないんです。書けませんでした。。。※この詩の無断転載・引用・使用はご遠慮ください。
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