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「逆さま」

たまには世界線がねじれるような文学詩をかきました。

『逆さま』

空がわたしの靴裏にへばりついた
天井になった地面は 黙ってわたしを見下ろす
まばたきをすれば 雲が眼球をこすり

沈黙は、誰にも許可を取らずに
雨の音で わたしの声を上書きしだした

光は
反射をやめて屈折するだけ
照らす価値のあるものなんて ここにはない

怒りは
お行儀よく微笑みに着替え
哀しみは
お上品に笑ってる

鏡の中のわたしは 上下逆に吊られて
顔が見えないのに
「そのままでいいよ」って
誰かの声が 心の出口をノックした

あれ?
わたしどこへいったんだろう
わたしをかたどる線は反転していたのに

なのに――
なぜか安心なんかしてて
笑えるね

そんなわたしは
ねじれた空間ごと

逆上がりしてみたら
鏡の中のわたしが

吊られたままの顔で、
「よくやったね」なんて、からかうように微笑みかえしてきたんだ

この詩は、上下が反転した感覚のなかで、自分の位置や輪郭が曖昧になっていく瞬間を描いています。
安心と違和感が同時に存在する、不思議な静けさを大切にしました。
失われたように見えた「わたし」が、別の角度から立ち上がってくる感覚を辿っています。
タイトルの『逆さま』には、壊れた世界ではなく、見え方が反転しただけの空間という意味を込めました。


※この詩の無断転載・引用・使用はご遠慮ください。
引用される際は必ず出典(@しゅか)を明記のうえ、事前にご連絡ください。


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