
#1-4:“シルエット”の再構築|等身の嘘
前節:#1-3では、
立体や遠近におけるモノの見方と、具体的なデッサンの技法について解説しました。
今節では、
モノを立体として際立たせる際、最も意識すべきは「角度」であると何度か綴ってきましたが、立体そのものの構造ではなく、
「シルエットとしての形の美しさ(造形美)」
について考えていきます。
■好みのシルエットにこだわる
前節までは純粋に「立体としての形」を強く捉える話でしたが、今節は形そのものに対する作家としての美学やテーマ、すなわち「好み」の領域に大きく踏み込みます。
ここにこそ、形(デッサン)としての描き手の「作家性」が強く現れると考えています。
|シルエットは“選択された美”
例えば、ワインのボトルを思い浮かべてみてください。
ボルドー産は「いかり肩」、ブルゴーニュ産は「なで肩」のシルエットをしています。
どちらが良い悪いではなく、これは純粋に「どちらに魅力を感じるか」という好みの問題です。
さらに種類を広げていけば、ウイスキーのボトルのように横幅が広く背が低いものもあります。

この連載の冒頭で述べた通り、この稿において目指す方向性は「スタイリッシュさ」です。
ですから、そのスタイリッシュさを最大限に引き出す方向での解説をしていきますが、そもそもは「シルエットの違いで受ける印象が大きく変わる」ということが最も根本的な話です。
「かわいい」を念頭にするのであれば、形からしてそう感じるように。
「かっこいい」であれば、それが伝わるシルエットに。
それを誇張し、見た人に伝わるように旨く味付けすること。
「プロポーション(比率)をデザインし、シルエットをシャープにする」
これが、形における「補正(再構成)」の本質です。