「職人人生100年計画」を考えてみた。仕事も家族も諦めない人生設計|職人のワークライフバランス
① はじめに
「職人人生100年計画」を考えてみた
「職人人生100年計画」
そう聞くと、「100歳まで職人を続けるの?」と思うかもしれません。

僕が考えているのは、こういうことではありません。笑
100歳まで職人として働き続ける計画ではなく、「100歳まで生きるとしたら、仕事とプライベートをどうしていくか」ということを考える計画です。
僕はクロス職人になって15年ほどになります。
20代の頃は、とにかく仕事を覚えること。
独立してからは、仕事を取ること、売上を作ること。
会社を持ってからは、人やお金、経営のこと。
年齢によって、考えることがどんどん変わってきました。
そして30代になった今、
「これから先も、仕事だけを考えて生きていていいのか?」と考えるようになりました。
仕事は大切です。お金も大切です。
でも、それだけが人生ではありません。
だったら一度、100歳まで生きるつもりで、自分の人生を長い目で考えてみよう。
そう思ったのが、「職人人生100年計画」を考え始めたきっかけです。
② 20代・30代は「働くこと」が中心だった
僕の20代は、仕事中心の生活でした。
20代
・技術を身につける
・現場数をこなす
・経験を積む
・貧乏生活
・結婚する
・第一子が生まれる
・独立準備
・独立
とにかく「仕事を覚える」「稼ぐ」が大きなテーマでした。
仕事ができるようになれば、収入も増える。
独立すれば、もっと稼げる。
そんなことを考えていたと思います。
30代
・子どもが増える
・法人会社設立
・人を雇う
・マイホーム購入
・心の病を抱える
・経営を考える
・家族との時間を考える
仕事だけではなく、家族や健康、お金、経営。
考えることが一気に増えました。
20代の頃は「稼ぐこと」が人生の大きなテーマでした。
でも30代になって、少しずつ考え方が変わってきました。
何も考えずに仕事だけを頑張り続けた先に、
僕の考える「幸せ」はあるのだろうか。そう思うようになりました。
③ 100歳まで生きるなら、人生は「仕事」だけではない
もし100歳まで生きるとしたら、
人生を「今の1年」だけで考えるのではなく、もっと長い時間で考えてもいいんじゃないかと思います。
例えば、
仕事を頑張る時期。
家族との時間を大切にする時期。
子どもの成長を支える時期。
夫婦で過ごす時間を増やす時期。
仕事を少しずつ減らしていく時期。
今までできなかったことを楽しむ時期。
人生には、その時々で役割や優先順位が変わっていくと思います。
だから僕は、「仕事か家族か」という二択で考えるのではなく、
100年という長い人生の中で、仕事と家庭のバランスを変えていく。
そんな考え方が、職人経営者には合っているのではないかと思っています。
④ まず「健康」を100年計画の土台にする
職人にとって、体は資本です。
自分の体が動く限り、お金を稼ぐことができる。
だからこそ、無理をしてでも働いてしまう。
僕自身も、若い頃はそうでした。
でも長い目で考えると、
「無理をして短期間で稼ぐ」よりも、
「健康を維持しながら、細く長く働く」ほうが、
生涯で考えたときには仕事を続けられる期間も長くなるのではないかと思うようになりました。
健康だから働ける。健康だから家族と遊べる。
健康だから時間ができたときに趣味を楽しめる。

だから、100年計画の一番下に「健康」を置きたい。
そのために僕が日々意識しているのは、
・無理な働き方をしない
・コンビニ、外食を減らす
・睡眠時間を確保する
そして、これから力を入れたいのが、
・体のメンテナンス
・人間ドック
・メンタルケア
です。
仕事やお金のことを考える前に、
「そもそも健康でなければ、やりたいことができない」
ということを忘れないようにしたいと思っています。
⑤ 僕の「職人人生100年計画」
ここからは、今の僕が考えている100年計画です。
もちろん、人生がこの通りに進むとは思っていません。
あくまで、「今の自分なら、こんな人生にしたい」
という未来予想図です。
20〜30代
「土台形成と挑戦の時代」
今は、体力を使って働ける時期。
そして会社を大きくすることにも挑戦したい時期です。
<やること>
・職人としてプレイヤーとして頑張る
・会社を成長させる
・技術と経験を積む
・家族を守るための経済的な土台を作る
この時期は、どうしても仕事に使う時間が多くなると思います。
家族との時間は、年に1〜2回の家族旅行など、限られた時間になるかもしれません。だからこそ、妻の協力が必要です。
40代
「成長の時期」
子どもたちが成長していく時期。
それと同時に、会社も成長させていきたい。
僕自身が現場だけで頑張るのではなく、人や仕組みを作りながら、会社を成長させていく時期にしたいと思っています。
<やること>
・子どもたちに選択肢を与えられる資金力を持っておく
・夫婦で子どもたちのサポートに力を入れる
・会社を自分一人の力だけに依存しない状態にする
仕事だけでなく、子どもたちの成長にもできるだけ関わりたい。
そのためにも、20〜30代で会社の土台を作っておきたいと思っています。
50〜60代
「賢く戦う時期」
この頃には、ある程度の経験と実績がついているはずです。体力だけで勝負するのではなく、「これまで身につけてきたものをどう使うか」を考える時期だと思っています。
そして、老後のことも具体的に考えていく時期。
<やること>
・社長業から引退する
・自分一人でもできる働き方に切り替える
・経験や技術を活かして仕事を続ける
・老後の生活を準備する
人に必要とされることは嬉しい。だから、仕事がある限りは続けたいと思っています。
ただし「仕事をしなければいけない」ではなく、
「仕事をしたいからする」という状態に近づけたい。
60代以降
「やり残しを解消する時期」
ここからは、今まで時間やお金がなくてできなかったことをやっていきたい。
<やること>
・妻がいつかやりたいと言っている「子ども食堂」をやってみる
・国内旅行をする
・夫婦でいろんな場所に行く
・今までできなかったことに挑戦する
仕事だけではなく、「人生を楽しむ」ことに時間を使いたい。
そのためにも、若いうちから準備しておきたいと思っています。
⑥ お金も「100年計画」で考える
会社の売上を上げていくことだけに注力しても、
将来、安定した生活ができているとは限りません。
特に子どもたちがいる以上、家族の生活を守るためにも、無理なリスクは取りたくない。
だから、資産形成も大切だと考えています。
今はNISAで最低限の投資をしています。
これからは、仕事をしなくても少しずつお金が入ってくるような「ストック収入」も作れるようになりたい。
今、興味があるのは不動産です。
自分でリフォームできるし、「不動産を持って、人に貸す・売る」という仕事も面白そうだなと思っています。
もちろん、そんなに簡単な話ではないと思います。
だからこそ、いきなり大きなことをするのではなく、少しずつ勉強して準備していきたいと思っています。
⑦ 家族との時間も「100年計画」で考える
子どもと過ごせる時間には限りがあります。
子どもが小さい今は、「もっと仕事を頑張らないと」と思う一方で
「今しかない時間も大切にしたい」とも思います。
だから、「仕事100点、家族0点」みたいな人生にはしたくない。
でも、子どもを育てていく以上、ある程度のお金を稼ぐことも必要です。
そこで僕が大切だと思っているのが、
「夫婦で役割分担を共通認識として持つこと」です。
30〜40代のお金がかかる時期は、僕は仕事を頑張らないといけない。
その代わり、家庭のことは妻にお願いする部分が多くなる。
これは、どちらが偉いという話ではなく、
「今の自分たちに必要な役割を分担している」ということだと思っています。
だから、「俺が稼いできたお金だ!」とは絶対に言ってはいけないと思っています。
自分が仕事に集中できて、帰ってきたら子どもたちがいる。それは妻が家で頑張ってくれているからです。
今の生活ができているのは、一人の力ではありません。

今回この「100年計画」の話を妻としてみて、妻にも将来やりたいことがあることを知りました。
妻にも、いつかやりたいことがあります。
今は子育てや家庭のために、それを我慢してもらっている部分もあります。
だからこそ、
「今は僕が仕事を頑張る時期」
「その代わり、将来は妻がやりたいことをする時期」
というように、その時々で役割を入れ替えていけたらいいと思っています。
100年という長い人生を考えれば、夫婦の役割もずっと同じである必要はない。
今は僕が仕事を頑張る。
いつかは妻がやりたいことをする。
そのときは僕が支える。
そんなふうに、お互いに支え合っていけたらいい。
僕は、この共通認識があることが、仕事を頑張る父親が家庭で孤立しないためにも大切なのではないかと思っています。
⑧ 最後に
以前、
「家族のために、家族の時間を犠牲にして働くことはいいことなのか?」
という記事を書きました。
あの記事を書いたときは、僕自身まだ答えが出ていませんでした。
仕事も頑張りたい。
でも、家族との時間も大切にしたい。
どちらも欲しい。その気持ちは今も変わっていません。
ただ、「職人人生100年計画」を考えてみて、少しだけ答えが見えてきました。
僕は、「仕事と家族のどちらかを選ぶ」必要はないのかもしれない。
100年という長い人生の中で、その時々の役割を夫婦で分担しながら、仕事も家庭も大切にしていけばいい。
今は僕が仕事を頑張る時期。
子どもたちが大きくなったら、少しずつ仕事の比重を減らす。
そして、時間ができたら妻と旅行に行ったり、やりたかったことをやったりする。
100歳まで職人でいたいわけではありません。
100歳まで生きたときに、
「仕事も頑張ったな」
「家族との時間も楽しかったな」
「いろんなことに挑戦したな」
「自分の人生、結構よかったな」と思える人生にしたい。
それが今の僕が考える「職人人生100年計画」です。
