
バランス
ことばはわたしにとって大切な道具 気持ちはわたしにとって大切な錘
気持ちをことばに落とし込み ことばを気持ちに昇華する
自分の気持ち 自分のことば 他人の気持ち 他人のことば
一人の時はいいの 自分だけだもの 自分の錘や道具を自在に扱うの
ものと向き合うときもいいの 何も期待していないもの
でもね 他人がいるとわたし、一気に不器用になるの だって
その人の持ってる錘や道具はわたしのとはまるで違うし
使い方だって、違うもの
人と関わるって シーソーみたい ぎっこん、ばったん
錘がうまい具合にバランスを取れていないと いつか止まってしまう
どちらかが宙に浮いて どちらかが地に落ちて
錘の重さが違っても 道具でなんとかできるかもしれない
でもね わたしが地面を蹴ってなんとか動いてるのなら
いつかわたしの足や腰が痛くなって
もうこれ以上はって 急に止まっちゃうかもしれない
あなたに腹を立てて ぴょんって飛び降りちゃうかもしれない
あなたも、わたしもいるからこのシーソーが 心地いいリズムで動いてるの
シーソーはひとりでには動かない
わたしはあなたと乗るシーソーが心地よくて あなたもそう?
でもこれってずっと動き続けるのか 不安になるの
点検してみない? お互いの錘と道具で
ああ ごめんなさい わたしの悪い癖
大事な大事なシーソーをこれからもずっと大事にしたくて
わたしの道具をこつんと当てたら バランスを崩しちゃった
あなたの錘や道具もわたし初めて知ったの
ううん、うそ
あなたも、わたしと同じ錘や道具を持ってるって そう信じたかったの
きっと だからあなたとはシーソーがうまく動いてるって
そう思いたかったの
傷ついて、傷つけた
そしてこんな時ですら道具でなんとかしようとするの
道具は、万能じゃない 時にはしまっておいた方がいいの
でもね
ずっとしまっていると わたしの錘がずっしりと重みを増すの
いずれにせよバランスは崩れたのかもね でもねこれは
あなたのせいではないし わたしのせいでもないの
でもねひとつ言えるのは あなたと乗るシーソーはとても楽しかった
上がっても下がっても いつもいい景色だった 心地よかった