
【OMO7横浜:宿泊記】歴史的建築に泊まる夜!横浜の時間を引き継ぐホテル
歴史建築の保存活用×都市型ホテル
横浜・関内の街を歩いていると、ふと足が止まる。重厚なレンガのファサード、規則正しく並ぶ窓、どこか威厳のある佇まい。
それが旧横浜市庁舎。


今、この建物は「泊まれる建築」へと姿を変えている。「OMO7横浜 by 星野リゾート」は、ただのホテルではない。横浜という都市の時間に、身体ごと入り込む場所だ。
■建築概要
“保存された”ではなく、“使い続けられる建築”
歴史的外観を残しながら、内部には現代の滞在機能を組み込む。古い建築を守るだけでなく、今の使われ方に適応させることに重きが置かれている。
複合施設「BASEGATE横浜関内」(内ホテル部分は「ザ レガシー」)
客室数:276室
施設機能:客室、OMOベース(フロント、ロビー、ラウンジ、カフェ、ショップ、ギャラリー)、レストラン、ランドリー、ロッカー、ドッグラン、屋上テラス
設計デザイン:成瀬・猪熊建築設計事務所、⽵中⼯務店
建築の詳細などは、以下の設計者のサイトから見ることができます。
もともとの建築「旧横浜市庁舎」についてはこちらの記事をご覧ください!
■アプローチ・エントランス
重厚なスケールから現代的空間へ
エントランスでまず感じるのは、旧市庁舎特有のスケール感。
レンガタイルの質感
軒の高さ
開口部のプロポーション


これらが来訪者に都市の重みを感じさせる。しかし一歩内部へ入ると、空間は軽やかに変化する。

歴史的構造の中に現代的な動線・照明・サイン計画が挿入され、過去と現在が違和感なく接続されている。ここは単なる入口ではなく、過去から現在へ移行する“緩やかなスイッチとして機能している。
■OMOベース
歴史建築を“共有空間”として再解釈
OMOベースは、このホテルの核となる場所。高い天井と重厚な構造体を活かしながら、様々な機能(ラウンジ、カフェ、ショップ、ギャラリーなど)が緩やかに配置されている。特徴的なのは、



歴史的スケールを壊さない家具配置
過度な間仕切りを設けない構成
行為によって意味が変わる空間
つまりここでは、建築のスケールがそのまま体験の質になっている。


歴史的に注目すべきポイントは、村野藤吾の「華階段」や当時のアートやサインなどが修復等されながら空間に残されていること!





■レストラン・カフェ
食を通して横浜の文脈を取り込む
レストランでは、横浜らしい洋食文化や港町の食材が反映されている。
開放的な空間構成
光の取り込み方
テーブル配置のリズム
ここでは「食べる」という行為が、空間体験の一部に溶け込んでいる。OMO7横浜内には、2ヵ所の食事スペースが用意されてる。

OMOダイニング(レストラン)
朝食ビュッフェ「Yokohama Morning Specialties」
横浜らしさを楽しめるライブキッチンでは出来立ての「点心」が!
もちろん、パンや卵料理、サラダ、フルーツといった定番メニューも。

夕食アラカルト
ラーメンやカレーなどの定番メニューをはじめ、横浜らしいナポリタンやドリア、オマール海老の麻婆ポットパイや、スパイシーなラムを包んだ赤の餃子といった中華まで「和洋中折衷」のメニューになっている!

OMOベーカリー:カフェ
オールデイスタイルのベーカリーで、クロワッサンやサンドイッチなどの定番はもちろん、カレー伝来の地である横浜になぞらえた特製のカレーパン5 種が用意されている!

■客室
様々なルームタイプの“静かな都市空間”
歴史な重厚感がある共用部とは対照的にシンプルで整理された空間となっている。構造モジュールが既存の官庁の柱割になっていることから、横幅は少し狭めであるものの、天井が非常に高く開放感がある空間になっている。

無駄のないレイアウト
落ち着いた色調
ここでは歴史性を強調するのではなく、滞在の快適性を優先した設計が取られている。結果として、以下のような明確な役割分担が成立している。
共用部=歴史体験
客室=現代的居住
今回の滞在で私が宿泊したのは、「やぐらスイート」!大きなやぐらの下にダイニングテーブルがあり、広々使える客室。





■HAMAKAZEテラス
都市に開かれた外部空間
HAMAKAZEテラスは、この施設の中でも特に重要な外部と繋がる要素。

風を感じる開放性
街やスタジアムとの連続性・一体感
ここでは建築は背景となり、都市そのものが空間の主役になる。




この宿泊者専用のテラスからは「横浜スタジアム」の熱狂した雰囲気がそのまま感じられる空間になっている!



■滞在の楽しみ
“街に開かれたホテル”という設計思想
OMO7横浜の特徴は、ホテル単体で完結しない点にある。


街歩きプログラム
周辺施設との連携
ローカル文化の紹介
これらにより、ホテルは都市体験の拠点(ハブ)として機能する。

特に注目したいお楽しみが、HAMAKAZEテラスで開催される「気分上々、ハマナイト」。ハマっ子に愛されてきた音楽やグルメを、開放的な屋上テラスで楽しめます。


■ドッグフレンドリー
“誰と泊まるか”まで設計されたホテル
OMO7横浜のもう一つの魅力は、愛犬と一緒に滞在できる点にある。単に「同伴可能」ではなく、滞在体験として成立しているのが特徴だ。
客室内での過ごしやすさ
豊かな共用部(ドッグラウンジとドッグラン)
街へのアクセスのしやすさ



これらが揃うことで、人とペットが同じ時間を共有できる設計になっている。歴史建築というとどこか“静かに鑑賞するもの”という印象があるが、
日常の延長として、大切な存在と一緒に過ごす建築になっている。
それはこのホテルが、過去だけでなく“今の暮らし”を受け入れている証拠でもある。

■改修の魅力
残したものと、変えたものの絶妙なバランス
このホテルで最も興味深いのは、改修の考え方だ。




残されたもの
レンガタイルの重厚なファサード
建物が持つプロポーションとスケール感
歴史を感じさせる構造の骨格
様々な既存のアート
これらは単なる装飾ではなく、建築の“記憶”として丁寧に残されている。




変えられたもの
内部動線の再構成
設備・機能の現代化
滞在に適した空間の再編集

これらは躊躇なく更新されている。重要なのは、すべてを残そうとしていない点だ。“守るべきもの”と“変えるべきもの”を見極め、結果として、
歴史の重さと現代の快適さが矛盾なく共存している。



■総括
保存建築を“使い続ける”ための解答
OMO7横浜の価値は、単なる保存でも、単なるホテルでもない。
歴史建築の継承
現代機能の挿入
都市との接続
これらがバランスよく成立している点にある。ここでは建築は“完成されたもの”ではなく、時間の中で更新され続ける存在として扱われている。
横浜という都市の記憶を、一晩の滞在で体験する。それができる数少ない場所が、このOMO7横浜である。
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