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LINEの返信が来ない夜、嫌われた理由を探してしまう

    LINEの返信が来ない夜、自分の送った文章だけを読み返してしまう。

    嫌われた理由を、相手より先に自分で探し始めてしまう。

    これは、そういう夜の話。

    *

    相手は何も言っていないのに、私はひとりで反省会を始めていた。
    それも、けっこう本格的な。

    夜、なんとなくLINEを開いて、気づいたら自分の送った文章だけをじっと眺めていた。
    相手のメッセージじゃない。自分のやつ。

    画面の右側に並んだ、青いバブルたち。
    昼間に送ったときは何も感じなかったのに、夜の静かな光の中で見ると、なんか……ちょっと違う顔をしている。

    重くないか、これ。

    最初の一文はよかった。たぶん。
    でもその次が、ちょっと長い気がしてきた。

    絵文字の使い方も、もしかしたら空回りしてたかも。
    送ったときはテンション合ってると思っていたのに、今見ると「私だけ張り切ってたのかな」と感じる。

    どこで間違えたんだろう、と思い始めると止まらない。

    どの一文が余計だったんだろう。
    最後の「笑」はいらなかったかな。
    いや、逆につけなかったら冷たく見えた?

    どっちにしても正解がわからない。

    *

    もっと前の会話をスクロールする。
    2日前。1週間前。

    相手の発言ではなく、自分の発言だけを目で追っている。
    そこだけ蛍光ペンで線を引くみたいに、私の言葉だけが画面に浮かんでくる。

    これは反省会だ、と気づく。
    しかも、相手のいない反省会。

    誰にも何も言われていないのに、自分で自分を尋問している。

    「あの発言の意図は?」
    「なぜそこで絵文字を使った?」
    「その返しは本当に必要だったか?」

    答えを出せる人間がどこにもいないのに、私だけが被告席に立っている。

    *

    相手の沈黙は、何も語っていない。
    ただ返信がないだけ。

    それだけのことなのに、私はその空白に文章を書き込んでいる。

    「重かったんだと思う」
    「引いたのかもしれない」
    「あの言い方で、少し冷めた気がする」

    全部、私が書いた脚本だ。相手はまだ何も言っていない。

    軽く送ったつもりだった言葉が、夜になると急に恥ずかしく見えてくる。
    それは相手が何かしたからじゃなくて、夜の静けさの中に置いてみたら、そう見えただけかもしれない。

    でも夜中にそれがわかっても、あんまり意味がない。

    「嫌われたかも」というより、「私、何かやったかも」という感覚に近い。

    もしそうなら謝れる。もしそうなら修正できる。
    答えさえ出れば、この宙ぶらりんな感じは終わる。

    だから取り調べを続ける。自分の言葉を、もう一度。

    でも答え合わせは、相手が返信してくれないとできない。

    それが、いちばん苦しいところだった。

    *

    結局その夜は、何もわからないまま終わった。

    朝になって、改めてあの会話を見たとき、「なんでこれで昨夜あんなに考えていたんだろう」と少し思った。
    全部が馬鹿らしくなったわけじゃない。でも、夜中に見ていたときほど、重くは見えなかった。

    夜の私は、たぶん自分の言葉に勝手に拡大鏡を当てていた。

    それだけのことかもしれない。
    でもそれだけのことで、あんなに長い夜になるのが、私という人間らしい。

    あなたにも、ひとりで反省会を開いてしまった夜はありますか。

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    恋愛、人間関係、自分を大切にすることを、静かな夜に読める文章として書いています。 誰にも言えなかった気持ちが、少しだけほどける場所になりますように。 ▷ 返信・既読の不安を抱えている夜に。週3回くらい、静かに言葉を置いています。

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