
闇の中で
闇は怖いと言うけれど
闇だとわかるのは、
光を知ってるから。
明るいのがいいね、と感じるのは
闇を知ってるから。
大木も
きれいな花も
はじめは光の届かない
土の中で育まれる。
カブトムシも
クワガタも
スズムシも
はじめは暗い土の中。
それぞれに
ちょうどいい場所で
静かに
時を待っている。
殻や膜や
大きな葉っぱの陰や
安全な部屋に守られながら
その中では
闇を卒業して、
光の世界に生きられるように
いろんな準備が
なされている。
厳格な条件
すべてに合格して
準備ができたら
明るい方に
顔を出す。
だけど
はじめは
ちょっとの光でいいんだ。
まだ
体が強くなっていないから。
少し
明るい方へ
時間をかけて
ゆっくりと
それぞれの
いいペースで。
みんな
条件が違う。
好みも
計画も違うのだから
比べられない。
比べなくていい。
光の世界での
生き方が
分からなくなっても
心配はいらない。
人は
闇を避けたくなるように
作られてる。
闇は
もういいよ
と思うようにも。
だから、
迷ったときは
ワクワクするほうへ。
光の方へ。
闇の時間が
長かった人は、
少しずつ
ゆっくりと
少し明るいところへ。
慣れたら
もう少し
明るい方へ。
地球上には
きっと
みんなにぴったりの
居心地の良い場所がある。
ずっと
闇にいてはいけないよ。
ペースも
ルートも
自由だけど。
光を
目指すんだ。
少しでも明るい方へ。
そうすると
きっと大丈夫。
大きな月の明かりが
見えなくても
あせることはない。
闇夜には
星の光が
よく見えるんだ。
だから
心穏やかに。
ね。
※本作はマガジン「詩」に収録しています。