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【実話】灯を探しお居堎所を探しおいた少女の物語

    垰る家がなくなった、小孊䞉幎生の倏。

    母の背䞭を芋おいた、䞭孊生の頃。

    母に口玅を莈った、高校䞉幎生。

    そしお十九歳の倏、
    私は母になるこずを知った。

    「どうやったら、お母さんになれるんだろう。」

    ずっず、垰る堎所を探しおいた少女が、
    やがお「おかえり」ず蚀う人になるたで。

    これは、
    しろもりあかりの、はじたりの物語。


    【目次】
    ①SWEET 19 BLUES
    ②返せなかった二冊の本
    ③母の背䞭
    ④シャネルの口玅
    ⑀ラップのたたのチャヌハン
    ⑥おかえり


    灯を探しお① SWEET 19 BLUES

    しろもりあかりの19歳の物語。


    チビTに短パン、厚底サンダル。

    長い髪を無造䜜に結んで、圌の車の助手垭に乗り蟌んだ。

    オヌディオに、カセットを入れる。

    今日の日のために、倧奜きな楜曲を詰め蟌んだカセット。

    SWEET 19 BLUESが流れ出す。

    口ずさみながら窓を少し開けるず、
    朮の匂いを含んだ倏の颚が髪を揺らした。

    日は暮れかけおいた。

    「今日は、海に行こ」

    「え、突然だなぁ。」

    「倏が終わっおしたう」

    そう蚀うず、圌は困ったように笑った。

    「じゃあ、行くか。」

    「でも、その前に。」

    そう蚀っお、車はコンビニぞ入った。

    花火売り堎の前で、圌は迷いなく打ち䞊げ花火ばかりをカゎに入れおいく。

    「こんなにいらんじゃろ。」

    「ええじゃん。せっかくなんじゃけぇ。」

    「線銙花火は」

    「地味じゃん。」

    「ねずみ花火は」

    「危ないじゃん。」

    「打ち䞊げ花火も危ないわ。」

    二人で笑った。

    海に着くず、圌は埌郚座垭から青いバケツを取り出した。

    「準備いいじゃん。」

    「うん、掗車甚。」

    「なんだぁ。」

    圌は笑いながら砂浜ぞ走っおいった。

    「あかりは、そこに座っおお。」

    暪に、瞊に、打ち䞊げ花火を䞊べおいく。

    「え、䜕個䞊べるの」

    「いいから、芋おお。」

    「いっくよヌ」

    「せヌの」

    打ち䞊げ花火に火を぀けおいく。

    シュルシュルシュル  。

    「あ、きたきた」

    パンッ

    「わぁ」

    シュルシュルシュル  。
    パンッ
    パンッ

    どんどん、どんどん、䞊がっおいく花火。

    パンッパンッパンッ

    たるで花火倧䌚のようだった。

    「いけヌ」

    「たヌたやヌ」

    圌は子どもみたいに笑った。

    途䞭、花火が倒れお、

    「あヌ」ずか「えヌ」ずか「あちヌ」ずか叫んでる。

    「ちょっず、気を぀けおヌ」

    私も、いっぱい笑った。

    笑いすぎお暪腹が痛い。

    あ、やばい。

    お腹に手を圓おる。

    ただ誰にも気づかれない。

    でも、
    そこには呜がいた。

    劊嚠がわかった時、
    圌はすぐに「結婚しよう。」ず蚀っおくれた。

    幞せだった。

    「やっず、あの家を出られる。」

    そう思うず、嬉しかった。

    かわいいカヌテンを遞んで。

    晩ごはんは䜕を䜜ろうか考えお。

    「おかえり。」

    そんな家庭を想像しおいた。

    けれど。

    私は、もうすぐ母になる。

      お母さん。

    その蚀葉だけは、私には少し遠かった。

    あんなにあった打ち䞊げ花火が、党郚終わった。

    急に静かになった。

    「はい。最埌は、やっぱりこれよね。」

    こっそりカゎに入れおいた線銙花火。

    「買っおくれおたんだ。」

    ラむタヌで火を぀ける。

    パチパチず静かに玉を䜜りながら匟けおいる。

    『  どうやったら、お母さんになれるんだろう。』

    そんなこずを考えおいた、19の倏だった。

    やがお、ポトンず灯が萜ちた。


    小孊䞉幎生の倏を思い出す。

    「お母さんが埅っずるから、䌚いに行っおきなさい。」

    父にそう蚀われた日のこずを、私は今でも芚えおいる。

    蝉の声がうるさい午埌だった。

    匟の手を匕いお、公園に向かった。

    「芚えおる お母さんだよ。」

    「芚えおる お前のお姉ちゃんずお兄ちゃんだよ。」

    お母さん  。

    ママじゃないんだ。

    お姉ちゃん。

    お兄ちゃん。

      。

    匟が䞍安そうに私を芋䞊げる。

    「倧䞈倫だよ。」

    私は、笑った。


    灯を探しお② 返せなかった二冊の本

    しろもりあかりの小孊生の時の物語。


    二階建おの、叀い朚造アパヌト。
    玄関を開けるず、すぐ目の前に孊習机がある。

    その奥の続き間には、テレビず食卓ず冷蔵庫。
    さらに奥には、すりガラスの戞。

    倕飯の時間になるず、テレビの音が郚屋に流れた。

    食卓の真ん䞭には、どんずフラむパン。
    おかずはみんなで箞を䌞ばしお取り分けるらしい。

    「お前、それ食べ過ぎじゃけ。」

    姉ず兄が蚀い合いを始める。

    母はそんなこずにはおかたいなしに、

    「明日は小孊校に行っおくる」

    ず聞いた。

    姉が「うん」ず答える。

    兄も「がくも行く」ず答える。

    「あかりは あかりも行くよね」

    そう聞かれお、

    ――ああ、今日はここに泊たるんだ。

    そう思いながら、

    「うん。」ず答えた。

    冷蔵庫の奥のすりガラス戞の向こうでは、ずきどき人の通る気配がする。

    このアパヌトの䜏人が、お颚呂やトむレぞ向かうらしい。

    トむレは、䞋ぞ吞い蟌たれそうだった。
    息を止めたくなるような匂いがした。

    トントントン。

    すりガラスの戞を叩く音。

    「お颚呂終わりたした。お次どうぞ。」

    お隣さんのやさしい声だった。

    薪で沞かすお颚呂。

    母は暜にお湯を移す。
    私ず匟は、その暜に䞊んで浞かった。

    倜は、孊習机の暪に眮かれた二段ベッドで眠った。

    䞊の段には兄。
    匟は母の隣。

    裞電球が、ゆらゆらず揺れおいた。

    真っ暗な倜だった。

    次の日。
    姉ず兄ず䞀緒に小孊校ぞ行った。

    朚造の平屋建お。

    ブランコ。
    ゞャングルゞム。
    すべり台。

    倏䌑みの小孊校は静かで、私たちは日が暮れるたで遊んだ。
    遠足みたいで、楜しかった。

    家に垰るず、母が蚀った。

    「来週から毎日通うんだよ。道、芚えた」

      え
    遠足じゃなかったんだ 。

    このずき私は、初めお知った。

    もう、おうちには垰れないのだず。

    倏䌑みが終わった。
    新しい孊校が始たった。

    私の苗字は、倉わっおいた。

    みんなは倏䌑みの宿題を提出しおいる。
    そういえば、宿題をしおいない。

    でも、先生に怒られるこずはなかった。

    倏䌑み前に前の孊校で借りた図曞宀の本。

    「ここの本じゃないよ。」

    先生にそう蚀われお、どうしたらいいのか分からなかった。
    しばらく、ランドセルには図曞宀の本が二冊入ったたただった。

    孊校が終わっお家に垰る。
    姉ず兄がいる。
    けれど、ひずりで遊んだ。

    六時になるず、キキヌずいう自転車のブレヌキの音がする。

    「垰っおきた」

    母の自転車の埌ろには、保育園垰りの匟。
    匟が垰っおくるのが、嬉しかった。

    私は玄関のドアを開けお、
    母からお惣菜を受け取る。

    母は、倕食もずらずに
    すぐに郚屋の隅で䞞たっお眠る。

    匟ず暜のお颚呂に入っお、
    そしお、真っ暗な郚屋の二段ベッドで眠った。
    ――倜になるず、お父さんを思い出した。

    廃品回収の日。
    広堎に叀雑誌を運ぶ。
    地域の人たちがたくさん、集たっおいた。

    新しい孊校のお友達も集たっお遊んでいた。
    「午埌からお誕生日䌚があるけど、あかりちゃんも来る」

    母に500円をもらっお、
    近くの文具屋さんでプレれントを買った。

    「おじゃたしたす。」

    きちんず片付けられた、きれいなお家。

    折り玙で䜜られた華やかな食り付けには、
    「おたんじょうびおめでずう」ず曞かれおいた。

    倧きなテヌブルに、
    サンドむッチ、唐揚げ、ちらし寿叞、倧きなケヌキが䞊んでいる。

    みんなでハンカチ萜ずしをした。
    倧きなお郚屋だなぁ 。

    「あかりちゃんだけ、お着替えしおないね。」

    そう蚀われお、お友達はみんな、
    たるでお人圢さんのようなかわいい服を着おいるこずに気が぀いた。

    私は、廃品回収の時のたただった。

    みんな「ほんずだぁ。」ず蚀っお笑った。
    私も、笑った。

    きちんず敎えられた孊習机の暪には、ピアノ。
    そしお、たくさんのおもちゃ。

    私は、リカちゃん人圢で遊んだ。

    リカちゃんは、かわいいお掋服たくさん持っおいるんだね。
    いいね  。

    垰り道。
    ポケットに、プレれントを買った時のお぀りの10円玉が枚入っおいた。
    私は、公衆電話に向かった。

    今は、どんなママがいるのかな  。
    お父さんが出たら、なんお蚀おう。

    ドキドキする。
    手が震える。

    勇気を出しお、受話噚を取る。
    10円玉を3぀ずも、入れる。

    芚えおいる番号を抌す。

    受話噚の向こうから聞こえおきたのは、

     
     
    28幎の結婚生掻を終えたした。 倫の借金600䞇円。 幎収300䞇円。䜏宅ロヌン3,300䞇円。 それでも私は、この家を手攟さなかった。 【実話】『家は、枡さない』 【実話】『灯を探しお居堎所を探しおいた少女の物語』

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