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神様

    #創作大賞2025
    #ミステリー小説部門

    第十九話 最終章

    いつものスタバで待ち合わせをして、あきとを待っている。
    あきとと、感動の再会を果たしてから二週間。
    と言っても、あきとであることは誰にも内緒だ。
    顔も名前も変えている。今の名前はタケルだ。

    あきとと私は、付き合い始めた。きっと私の弟は言うだろう。
    タケルさんて秋斗さんにちょっと似てるよねって。私の弟の勘は、誰より鋭いのだ。
    でも顔も違うし、きっと本当に気づくことはないと思う。
    花屋兼カフェのようなところで働いている。そういえばそこでは家具も売っていた。素敵なお店だ。

    「あ、タケル!ここだよー。」手をちょっと上げて、タケルを呼ぶと、こちらを向いてニコッとした。
    ああ。ちょっと笑顔にあきとの名残があるんだよなあ。大丈夫かなあ。

    あきとは、アイスのカフェモカを受け取ってテーブルに来た。
    「お待たせ。」
    そして声をひそめて、いたずらっぽい笑顔をして言った。
    「それにしてもさ、香里が花屋にあらわれて、あきと?って聞いてきた時は心底驚いたよ。絶対に分からないはずなのに。」
    「もう、その話、何回目?そうなんだよね、ほんとに自分でも不思議だよ。
    愛の力としか説明つかないよね。」

    本当に、何であきとだと分かったんだろう?まるっきり別人で、服の感じも、生き方も、すべて違うのに。
    行ったことのないお店、行ったことのない街。

    私は何であそこに行ったんだろう。

    何も覚えていないのだ。

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