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黒いミルク 【詩/現代詩】

    汐田大輝

    あの トンガリ帽子の話を聞いていると
    生きた心地がしない

    (お話しいただいたことは事実なのでしょうか...)

    青いミルク
    赤いミルク
    混ぜるといったいどうなる?

    (そんな話に興味は...)

    ...黒いミルクかもね

    (という不穏なつぶやき)

    思い出そうとするほど
    混迷していく
    牛飼たち
    体内時計は
    さっきから止まっている

    目から目へ流れていく雲

    東欧産の臀部が揺れ動く草原

    (君の髪はそんな色ではなかった)

    ...ふうん
    変だな ブラウンだったかな
    レッドだったとしても
    異和感があるかな...

    そんな話をしているうちに
    だんだん崩れてくる雲の色彩

    (お話しいただいたことが仮に真実であるとするならば...)

    (その日も黒いミルクが出たように思います)

    牧場主は農場で牛と戯れていた

    窓に映る夕陽
    のびていく樹木の影

    かつては兄弟だったものたちの
    食卓には黒いミルクやダンゴが並ぶ

    (何を
     君はしたのか?)

    朝、昼、晩と飲む黒いミルク
    腐敗した脂肪の香り

    (正直に
     話してみないか?)

    ...牧場の向こうには、不可視の丘また丘

    君は昨晩からずっと
    あそこにいたのだろう

    かわいらしい乳牛たちと
    一晩中
    ここではいえないことを していたのだろう

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    ネット文芸家。主に現代詩と現代川柳。シュールな叙情と不条理なユーモアを好む。『現代川柳 満天の星』参加。電子版詩集『方位のない街』『あやかし』『カンデララ詩集』を公開。→ https://romancer.voyager.co.jp/author/309251/

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