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晩夏 【自由律俳句】

    汐田大輝

    路地が炭酸を吐いている

    懺悔しながら天使の羽根を噛む

    忠犬が送電塔にぶら下がる

    金次郎の血が乾いている裏庭

    葉タバコを栄養剤と交換する

    駄菓子屋の蛙に睨まれている

    名前のない神が徘徊する

    夜通しの蝉に狂っていく時計

    忘却された武道が丸まっている

    昼下がりの妄想に蔦がからむ

    廃プールの中心にイモリが浮かぶ

    行き場のない犬が喉にさわっていく

    役場の片隅で痰を吐いている

    鳩の収穫が遅れている

    鳩尾に旧石器が刺さっている

    防災アプリから鉄の匂いがする


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    ネット文芸家。主に現代詩と現代川柳。シュールな叙情と不条理なユーモアを好む。『現代川柳 満天の星』参加。電子版詩集『方位のない街』『あやかし』『カンデララ詩集』を公開。→ https://romancer.voyager.co.jp/author/309251/

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