『ソフトクリームの向こう側』
いよいよ、ダブルデートの日だ。
といっても、僕は母と一緒にカップルと会うだけだ。
相手方は、今をときめく菊地姫奈とその幼馴染みの男の子。
地元の物産館での待ち合わせになっていた。
僕と母が待ち合わせ場所のスロープの所に着いたとき、
菊地さん方もほぼ当時に到着した。
近くのテーブル付きのベンチに座ることになった。
僕と母は、通路側に座り、
菊地さん方は、建物に背を向けて座ることになった。
そして、僕の前の席には男の子が、母の前の席には菊地さんが腰掛けた。
菊地さんは、僕と出来るだけ遠い所にいた方が安心、というようなニュアンスが、席の並びから見てとれた。
そして、まず最初の関門は、目の前の男の子。
彼は少し、軽い感じがした。
菊地さんは、母に心を開いているのか、笑顔で母と向かい合い、身振り手振りを交えながら、おしゃべりしている。
じわじわと、幼馴染みの男の子も、そちらの会話に加わるという感じで、僕と相手方の距離感というか小さな壁を感じた。
というか、母は誰とでもすぐ相手に近しく感じさせる、特別なオーラを放っている人だった。
ここでも、母については、流石だな、と感じた。
菊地さんは軽いノリだった。
幼馴染みの男の子の膝の上にお尻を乗せて、わーい、と、はしゃぎだした。
僕はそれをぼーっと眺めていた。
しばらくすると、
菊地さん方は、ソフトクリームを買ってくると、出店の方に向かった。
僕らからは目視できる位置だ。
でも僕は、メガネを掛け忘れて来てしまっていて、ぼやけてしか見えない。
出店の近くには、椅子がひとつだけ用意されているようで、少し地味な感じの女の子が座っていたようだった。
僕は母と何か、軽く会話をした。
菊地さんたちの方に目をやると、身体の不自由そうなお婆さんが、ようやく立っていた。
すると、座っていた地味な感じの女の子は席を立ち、お婆さんのもとに行き、お婆さんを労り、きっと満点の笑顔で、ゆっくりと、優しくお婆さんを椅子に腰掛けさせてくれた。
それを見て、僕は、やっぱりこういう優しい人がいいなと、なんだか、心が温かくなった。
そして、その女の子と幼馴染みの男の子がこちらに向かってきた。
あら?
遠くで目が見えなかったが、
実はその女の子、
地味な子じゃない。
菊地さんだった。
僕は、菊地さんに、すごい優しいんだね、見てたよ、と言った。
菊地さんは、
ん?
と、僕を何か
コンピュータが実は心を持ってた、というような表情でまじまじと見つめた。
菊地さんの、僕を見つめる表情が柔らかくなったのを感じた。
※この物語も、見た夢をそのまま書き起こしたものです。
2025年10月29日に寝て、翌日の朝方、30日の午前3時頃、夢の終わりとともに目が覚め、
風邪気味だったので、起き上がってPCに向かう余裕はなく、傍らに置いていたスマホで、
Googleドキュメントを起動させ、ベッドで寝ながらタップ操作で書きあげました。
昨日の夢ほどの鮮明さは感じていなかったですが、夢の内容はしっかりと覚えていたので、
言語化できました。