【私はもう、前を見ない】という話
50歳。
パンツ一丁。
いつも前のめりで、目の前のことばかり、必死になっていた私。
(※そもそも、なぜ私がパンツ一丁になったのか。その経緯についてはこちら↓)
でも。
ほんとうに大事なものって「見えないところ」にある、ということを──私は知ってしまったんです。
本当に大事だったのは、「前」ではなかった。
「後ろ」なのです。
大切なことなので、もう一度言います。
大事なのは、「後ろ」 です。
というわけで。
今日は、私が人生で”一番大切にしているもの”のお話をしようと思います。
……あ。
この人、今日、ヘンなこと書く気だな、と思ったあなた。
その通りです。
たぶん、今日、私はこれを書いたら、他のことなんてもう何も怖くないわ!
毎月恒例、マルエツ【一の市】でのお買い物中、私はある一人のご婦人とすれ違いました。
年齢でいえば、そう、私と変わらない中年の女性でしょうか。特別、体型が細いわけでも、手足がすらっと長いわけでもなく、派手な服装で目を引いたわけでもありませんでした。
自然に着こなしたTシャツと、シャカシャカのスポーツウェア。
けれど、なんというか…もう一目見ただけで「私とは何か全く違う生き物」みたいなオーラがあって、マルエツの中を、まるでランウェイを歩くモデルさんのような特別な輝きを放っていたのです。
私は、一瞬でそのひかりに目を奪われてしまいました。
一体、何に圧倒されたのか。
その理由はすぐにわかりました。
彼女の「姿勢」が!神々しいほどに美しかったのです。そう。通りすぎた彼女の後ろ姿の美しさに、私は見惚れていたのでした。
自分では決して見ることのできない「背中」。
けれど、他人からは、最もよく見えてしまう場所。
そこには、たるみ、ゆるみ、歪みだけでなく、その人のこれまでの人生── 痛み、迷い、覚悟、しなやかな柔軟性まで、ありとあらゆる全てものがそこに映し出される。言い逃れできることのない場所なのです。
過去は、背中(back)に刻まれる
……うん。
けっこう良いこと言った。
そして、”もうひとつの真実”。
これを私は知ることになるのです。
彼女のお尻は、上についていました。
下じゃない。
上。
垂れていない。
平面じゃない。
ふるんとした立体感のある「お尻」だったのです。
なんということでしょう……
私は、私のお尻は───どうして下を見つめているんだ。俯いたままなんだ……
未来は、お尻に宿るということ。
なぜ今まで、私は気づかなかったのでしょうか。
お尻は、未来。
お尻は、意志。
足をどこに運ぶか。
どんなふうに歩くか。
どんなペースで生きるか。
これから向かう場所、進むべき方向。
何よりも雄弁に「姿勢」と「バランス」と「張り」で語られ、生き方そのものがにじみ出る場所。
そうか。
私の未来はすべて「お尻」が握っていたのだ── と。
背中。お尻。
そして、パンツ。
どれも普段は見えないけれど、それらは確実に、私という人間の背中に、未来に、人生に、滲んでいる。
そして、誰かにはちゃんと見られていて、ある日突然訪れる”勝負の時”に「あ。この人って、こういう人なんだな」と、確実に思われてしまう場所。
背中は、履歴書。
お尻は、羅針盤。
そしてパンツは──わたしを象る”沈黙の証人”。
この3つに真摯であれるかどうかで、人生の質は決まるのかもしれません。
人生に迷った時。
大きな決断を迫られた時。
大切なことを忘れそうになった時。
私は、思い出すのです。
自分の背中と、お尻と、
1軍パンツのことを。
…………
うん。
わたし、今日は二回も良いこと、言ってしまった。
いいなと思ったら応援しよう!
あなたの応援が、次の物語を生み出す原動力になります。いただいたチップは、これからの活動や新しい挑戦に、そしてnoteの中での応援の循環へと、大切に活かして参ります。