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神の子ずダンゞョン・第話 − 181

    柟しの

    「で、今倜は䜕狙いなんだよ、ゞャック。」
     石塔に、デカいカナクむドリが二矜いるらしいず話すず、バカルがヒュ〜っず口笛を鳎らした。
     それに加えお、ただ誰䞀人ずしお登り切った者がいないずいう、塔の頂䞊にも行っおみたい。

    「ダンゞョンの二倧未螏地に手を出すずはね。」旧垂街入り口の門にランタンを眮きながら、バカルが蚀う。
     月のない倜だったから、それに合わせお、互いの前に最䜎限の明かりを灯した。

    「これくらいでいい。明る過ぎるず獲物が気づきやすい。」バカルはそう蚀っお、蟺りを芋回す。
     真倜䞭は粟霊も濃いし、この時間にダンゞョンぞ来る者もいない。
     バカルは魔法に驚くこずもなければ、いちいち質問しないでくれるのも気楜でいい。

    「二倧未螏地ずいっおも、宮殿探玢は始めおるよね。」
     オむラがそう蚀うず、バカルは答えずに、代わりにこちらを芋お口を開いた。

    「前にも聞いたが、このハンニバル、本圓に貰っおいいんだな。」

    「勇者はいいず蚀ったさ。
     それに、東掋の“咒い札”の力に、もう気づいおいるんだろ」
     バカルは、やれやれずいった衚情で苊笑しながら、ハンニバルを抜いた。

     闇の䞭で、刃が静かに光る。
     オむラも戊斧を構える。
     襲いかかっおきた野犬の頭を、斧で叩き割る。
     その間に、バカルは二頭を斬っおいた。

    「どうっお、芋おの通りだ。良い剣だ。」そう蚀っおから、ちらりずこちらを芋る。

    「  ずころでオマ゚、戊斧かよ。」
     歊具屋の芪父さんが芋繕っおくれた。
     これでも、なかなかの業物だ。
     䞎䞉郎っお名前を付けおる、ず蚀うず――「センスねえわ、オマ゚。」
     そう蚀っお、バカルはたた笑った。
     
     ダンゞョン奥ず呌ばれる、石塔や宮殿に面した旧公園跡で、再び野犬の矀れに遭遇した。

     十頭を超える矀れだ。
     野犬どもが動き出す前に、たずめお宙に浮かせる。
     䞉頭ほど逃したが、バカルが䜕ずかするだろう。
     残りを、たずめお池の真ん䞭ぞ攟り蟌む。
     氎面が割れ、黒い圱がもがく。
     池から䞊がろうずする野犬の頭を、斧で朰す。
     逃げ出した奎は、もう䞀床宙に浮かせお、そのたた池に叩きむ。
     その繰り返し。

     面倒だったが、魔匟もナむフも䜿わずに枈んだ。
    「こっちは、ハンニバルを振り足りない気分だからな。
     もっず回しおくれよ。」
     そう蚀うバカルず䞊んで、石塔の呚囲を確認する。

     唯䞀の入り口を芗き蟌むず、床にはカナクむドリの矜根が萜ちおいた。
     戊斧を背䞭のホルダに収め、宝具のナむフを取り出す。

     入口の奥から、螺旋階段が䞊ぞず䌞びおいる。
     階段の幅は、䞃フィヌト
     およそメヌトルほどだった。
     バカルが階段の倖偎。
     オむラが、階段の内偎。

     壁面や床にトラップがないか泚意しながら、二人で、ゆっくりず石塔を昇る。

     ゆっくり。
     そヌっず。
     さらに、ゆっくり。
     そヌっず。

     やがお、階段の出口が芋え始めた。
     気を匵ったたた、
     そヌっず。
     ゆっくり、ゆっくり。

     階段の床には、カナクむドリが萜ずしたのだろう矜根が、明らかに増えおいる。

     バカルが動きを止め、
     行く手の䞊を指差した。
     暗闇の䞭だったが、倜空が芋えた。

     バカルが身振り手振りで、退华の合図を出す。
     カナクむドリに気づかれぬよう、
     ゆっくり。
     ゆっくり。
     そヌっず、階段を降りた。

     石塔を出お、池の偎たで戻る。

    「おかしいだろっ」バカルが、小声でたくし立おる。
    「螺旋階段だけっお、あの石塔、䞭が空掞かよ。
     しかも、出口で埅ち䌏せされおたら厄介だぞ。」
     ぀られお、こっちも喧嘩腰になる。

    「うるせヌよ
     䞭身は、登れば分かる。
     カナクむドリが寝おるなら問題ないし、埅ち䌏せおるなら、奜郜合だ。」

    「どう奜郜合か、蚀っおみろ。」
     そう蚀われお、オむラは説明した。

     オむラは石塔の倖壁沿いを、粟霊魔法で浮かび䞊がる。
     空を飛ぶのは難しいし、しくじるず怪我をするから本圓は䜿いたくないが今回は仕方ない。

     塔の頂䞊ぞ通じる出口が芋える䜍眮で、バカルを埅った。
     暗闇の䞭、出口の偎にはカナクむドリが二矜。
     明かりの魔法は、気配を殺す皋床に抑えおいる。
     どうやら、ただ気づかれおいない。
     ――やはり、起きおいたか。

     ナむフをしたい、戊斧・䞎䞉郎を䞡手で構える。
     しばらくしお、出口の瞁にハンニバルの剣先が珟れた。

     倧きい方のカナクむドリが、すぐに長い脚で剣先を蹎ろうずするが、空を切る。
     その瞬間、飛び出した。

     浮かび䞊がるための魔法を解陀しお、小さい方のカナクむドリに、倧地の力を集める。
     人間盞手なら金瞛りに出来るが、動きを鈍らせるのが粟䞀杯だ。
     自分自身を宙に浮かせた盎埌だから、仕方がない。

     カナクむドリの蹎りを䞎䞉郎の柄で受け、その反動を䜿い胎䜓ぞ、䞀撃。
     芖界の端では、バカルが倧きい方ず睚み合っおいる。

     バカルず目が合った、その瞬間――
     オむラは、バカルにかけおいた明かりの魔法を解陀した。

     こちらも、カナクむドリも、暗闇の䞭では互いの姿が芋えない。
     だが、二矜のカナクむドリはパニックを起こし、呚囲を闇雲に蹎りたくっおいた。

     䜎く身を構え、足元だけを狙う。
     しばらくしお、脚を切り払うこずが出来た。

     ―バカルの声。
     明かりの魔法をかけ盎す。
     片脚が䜿えなくなっおも、矜ずも倒れるこずはなく、嘎で激しく攻撃しおくる。

     だが、動きに慣れおしたえば、躱すのは難しくない。
     鮮やかな動きで、バカルは嘎を打ち払い、返す刀で、カナクむドリの銖を萜ずした。
     バカルが気に入るだけあっお、ハンニバルの斬れ味は良さそうだ。

     オむラの方は、䞀撃を入れおあるうえに、倧地の力で抑え蟌んでいる。
     嘎を避け、
     脚を払い、
     そのたた頭を朰した。

     東の空が癜み始めおいたので、魔法を解いた。

     空が明け始める䞭、バカルが石塔の内壁に、ナむフで自分ずオむラの名前を圫り蟌んだ。
    「やったぜ、石塔初制芇」心底、嬉しそうだった。

     倜が明けきる前に、倧地の力の魔法でカナクむドリを軜くしお、旧垂街の出口たで運び出す。
     獲物の始末はバカルに任せ、
     倕方、たた䌚うこずにしお別れた。

     デカいカナクむドリは、胃袋にいろいろ溜め蟌んでいるこずが倚いらしい。
     石塔の䞭身に぀いおは、ゞュニア君に話しおみよう。

                 続きたす。

     

     タむトルカットも、䜜画優音先生

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